いつものことながらFootball LABさんからデータを拝借しました。Football LABさんのデータには攻撃CBPや守備P等指標がいくつかあります。その中で今回は守備P・奪取Pを取り上げます。使用するデータは2021シーズンJ1リーグ、Football LABさんにおいては8月13日updateと記載されているものを使用します。

守備Pや失点などをまとめたものが下表になります。

守備Pトップは仙台です。以下、福岡、大分と続きます。失点が最も少ない川崎Fの守備Pは18位です。仙台、福岡、大分の失点は平均を上回っています。守備Pは相手の攻撃を受け、守備機会が増えると守備Pが上昇すると言われています。守備Pと失点の関係をみるとそんな感じがします。守備Pと失点の相関係数は0.34です。弱い相関関係にあります。守備Pが増えると失点が増えるという関係です。

守備Pと失点は数字の単位が異なりますので偏差値に直します。そしてその差を計算したものが上表の一番右側になります。この数字が大きいほど上手く守る(筆者レベルでは良い表現が出来ない。)ことが出来ていると思われます。数字が最も大きいのは鳥栖で21.5、2位は福岡です。鳥栖や福岡は守備機会が多くてもしっかりと守ることが出来ていると思われます。逆に最も数字が小さいのは横浜FCで-28.5、ブービーは札幌です。川崎Fは守備機会が少ないこと(ピンチが少ない?)が守備Pを低くさせ、失点を少なくしているのでしょう。鳥栖は川崎Fと比べて守備機会が多い(ピンチが多い)のでしょうね。

奪取Pについても同様に計算します。

計算結果から、最も数字が大きいのは川崎F、2位は横浜FMです。ボールをしっかりと奪って失点を防いでいると推測できます。反対に最も小さいのは横浜FC、ブービーは清水です。ボールを奪うことが出来ずに失点が増えているのでしょう。またマイボールにするにしても、奪うのではなく、相手のミスでマイボールになることが多いのかもしれません。奪取Pと失点の相関係数は-0.51で負の相関関係です。奪取Pが増えると(しっかりボールを奪うことが出来ると)失点が減るという関係になります。G大阪は奪取Pが低いわりに失点が少ない稀有な存在です。何故でしょうか?ボール奪取以外のところがいいのか?数字で示すことが出来るのか?今のところよく分かりません。知っている方がいたら教えて下さい。


上記をまとめたものが下表になります。

そして上表をもとに下図の通り散布図を作成しました。

右上(守備Pプラス、奪取Pプラス)・・・・川崎F、名古屋、広島、湘南、神戸、福岡、鳥栖が該当します。守備やボール奪取が上手くいっているグループです。

左下(守備Pマイナス、奪取Pマイナス)・・・・柏、徳島、C大阪、横浜FCが該当します。守備やボール奪取が上手くいっていないグループです。

右下(守備Pプラス、奪取Pマイナス)・・・・清水、大分、仙台、G大阪、浦和が該当します。守備は上手くいっているが、ボール奪取が上手くいっていないグループです。ボール奪取以外の要因でマイボールにすることが多いのでしょう。

左上(守備Pマイナス、奪取Pプラス)・・・・横浜FM、鹿島、札幌が該当します。ボール奪取は上手くいっているが、その割に失点が多く守備が上手くいっていないということになります。

簡単にグループ分けをしましたが、当然のことながら数字が0に近ければ平均的になるし、特に浦和は守備と奪取双方ともに0に近く中心点に近いため、2つの軸において平均的になります。

川崎Fと横浜FCが対局的なところに存在していることは非常に興味深いですが、今回はここまで。

再掲しますが、Football LAB(https://www.football-lab.jp/)さんからデータを拝借しました。