いつものことながらFootball LABさんからデータを拝借しました。2021シーズンJ1リーグ11/15時点までのデータを使用する。

まずチャンス回数を算出する。チャンス構築率と攻撃回数からチャンス回数を推定する。チャンス回数に得点を書き加えたものが下表になる。

これだけだとよく分からないため散布図に落とし込む。作成した散布図は下図の通りである。

右上に行くほどチャンス回数と得点が多いチームということになる。最も右上はJ1リーグ2位の横浜FMである。そして川崎Fが続く。川崎F、鹿島、札幌を赤マルで囲んだ。これはチャンス回数がほぼ同じだということである。しかし得点は雲泥の開きがある。そしてこの得点数の差が順位に歴然と現れている。1位川崎F、4位鹿島、12位札幌である。札幌はチャンスは作るが得点は少ないということがよく分かる。

左上に回帰直線と決定係数を記載した。グラフ中の斜めの点線が回帰直線である。簡単に言えば回帰直線よりも上に位置していれば効率よく得点し、回帰直線よりも下に位置していれば非効率ということになる。

神戸は回帰直線よりもかなり上に位置している。チャンス回数はそれほど多くないが得点は多いということになる。効率が良いのだろう。

左下はチャンス回数と得点が少ないチームである。最も左下のチームは大分である。大分は左下ではあるが、回帰直線よりも上に位置し、効率という観点からはよくやっているように見える。しかしサッカーにおいては効率の良し悪しよりも得点を多く奪った方がはるかに良い。サッカーは効率の良し悪しを競うスポーツではないからだ。

次は前述した効率について計算してみる。回帰直線に各チームの得点を代入し理論上のチャンス回数を計算し(理論値チャンス回数)、理論値チャンス回数からチャンス回数を引きチャンス回数で割る。そうして得られた数字が下表の右側にある得点効率である。

J1リーグ1位の川崎Fは16.4%、2位の横浜FMは13.6%であり得点効率が良く、こういった数字からも強さを伺い知ることが出来る。

最も得点効率が高いのは神戸である。ダントツの33.2%であり、そのおかげか現在J1リーグ3位に位置している。これだけ数字がよければ川崎Fと横浜FMをもっと脅かしてもよいのだがそのような結果にはなっていない。神戸のチャンス回数は上図の通りJ1リーグでも真ん中あたりである。また攻撃回数を調べると下図の通りになった。

神戸は攻撃回数が少ないのだ。川崎Fと横浜FMは攻撃回数が多く、チャンス回数が多く、得点効率が良い。よって得点が多くなる。神戸の得点効率は高いが、チャンス回数はもとより攻撃回数が少ない。得点効率は質を意味し、チャンス回数や攻撃回数は量を意味する。双方が多くならないと得点は多くならない。いくら質が高くても量が伴わなければ結果としての得点は増えない。神戸の課題は攻撃回数である。川崎Fとの得点差14点、横浜FMとの得点差20点を埋めなければ両チームには勝つことはできない。まずは攻撃回数を増やそう。神戸の試合はほとんど見たことがないため、戦術的に攻撃回数を増やせるのかどうかは分からないが・・・。

まとめ もっと大きなことを書こうとしたが、なんだか神戸の話になってしまった。