毎度のことながらFootball LABさんからデータを拝借しました。

先日、下図をブログに掲載しましたが、神戸の話になってしまいましたので、赤マルの部分の続きを少し書きます。

赤マルの解釈としては、川崎F、鹿島、札幌は同程度のチャンス回数を構築しているが、得点は雲泥の差(表現が悪いかな?)があるということです。

前回端折ってしまいましたが、チャンス回数と得点の間には様々な指標があります。今回はゴール期待値を使用します。

各チームのチャンス回数とゴール期待値の散布図は下記の通りです。

赤マルの3チームですが、「チャンス回数・得点」よりも「チャンス回数・ゴール期待値」の方が差は小さいように見えます。

次にゴール期待値と得点を散布図にします。

赤マルの3チームに差が現れました。ゴール期待値の差だけ得点にも差が出ていることが分かります。

これらを数字にすると下表になります。

札幌の数字を100にして、チャンス回数比率、ゴール期待値比率、得点比率を出しました。チャンス回数比率にはあまり差がありません。ゴール期待値比率になると差が現れます。鹿島は103.7%、川崎Fは113.0%です。この差は、チャンスの質であると考えられます。ほぼ同じ回数のチャンスを作っても、札幌より鹿島、鹿島より川崎Fの方が得点しやすいチャンスを作っていると考えられます。ゴール期待値比率と得点比率を比較するとまだ大きな差があります。チャンス回数比率はほぼ同じであるため他の要因が絡んでいると推測できます。

シュート決定率などの要因もありますが、今回はゴールCBPを用いて計算してみます。ゴールCBP、ゴールCBP比率を加えたものが下表になります。

ゴールCBP比率とゴール期待値比率を加味した算出得点(ゴールCBP比率×ゴール期待値比率×札幌の得点44)は下表の通りです。

たった2つの要因を用いて計算しただけで実際の得点に近くなりました。この2つの要因だけで説明するとすれば、鹿島は札幌よりも質の高いチャンスを4%多く作り、ポイントにして37.3%多く難しいシュートを決める。川崎Fは札幌よりも質の高いチャンスを13%多く作り、ポイントにして58.8%難しいシュートを決める。それにより鹿島は札幌よりも16点、川崎Fは札幌よりも32点多く得点していると言える。

こんな感じかな。