毎度のことながらFootball LABさんからデータを拝借した。

前回のブログで、こんな図や、

こんな表を提示した。

チーム名の後ろのHはホーム、Aはアウェイを意味する。

数値データは提示しなかったため、改めて数値データを提示させていただく。

上表のクラスターごとの重心を求めると下記の通りになった。前回のブログで攻撃的と言ったのがクラスター№がオレンジ色のセル、守備的と言ったのが青色のセルである。また各指標において平均を上回ったセルが赤色、平均を下回ったセルが緑色になっている。

クラスター1(大分H・仙台H・横浜FCH・G大阪A・大分A・清水A・湘南A・仙台A・福岡A・横浜FCA)・・・・前回のブログで守備的と評したクラスターである。攻撃に関する指標は軒並み平均より低い。反対に守備P・セーブPは平均を上回っている。セーブPはクラスターの中で最も高く、ゴールキーパーが悪い意味で活躍している状況だと思われる。これは「攻め込まれている」と解釈して良いだろう。ゴール期待値は被ゴール期待値を大きく下回り、結果的にクラスターごとの平均勝点は最も低い結果になっている。

クラスター2(FC東京H・浦和H・神戸H・鳥栖H・鹿島A・神戸A・広島A)・・・・前回のブログで守備的と評したクラスターである。攻撃に関する指標はクロスCBPを除き軒並み平均を上回っている。ただし平均を少し上回っているに過ぎない。その一方で奪取P・守備Pが平均を上回っている。守備Pが高いことから、守備機会が多いことが分かる。セーブPが低く奪取Pが高いことから積極的な守備を敷いていることが推測できる。ゴール期待値は被ゴール期待値を0.18点上回り、平均勝点も平均を上回っている。積極的な守備から勝点を奪取している。

クラスター3(C大阪H・鹿島H・広島H・札幌A・横浜FMA)・・・・前回のブログで攻撃的と評したクラスターである。攻撃に関する指標は軒並み平均を上回っている。同じ攻撃的と評したクラスター7・8と比較すると特筆する指標はない。しかしクラスター7よりもクロスCBPが高く、クラスター8よりもドリブルCBPが高く、この2つを上手く使い攻撃していると推測できる。守備に関する指標では、奪取Pが平均よりも高く、守備P・セーブPは平均よりも低い。守備Pは2番目に低く、攻撃の機会を作らせない守備や、奪取Pの高さから守備から攻撃につないでいることが推測できる。守備機会を少なくさせることでセーブPも2番目に低く(四捨五入の関係で表ではクラスター5と同値になっている)、ゴールキーパーの守備機会を抑えていると思われる。ゴール期待値の差は3番目に高いが、平均勝点は平均をわずかに上回るだけの結果になっている。勝点ではクラスター2に及ばず、攻撃的ではあるが、結果が伴っていないと言えるだろう。

クラスター4(柏H・清水H・湘南H・福岡H・C大阪A)・・・・前回のブログで守備的と評したクラスターである。攻撃に関する指標ではクロスCBP・シュートCBPが平均を上回っている。平均を上回るゴール期待値やシュートCBPをゴールに活かせず、ゴールCBPは平均を下回っている。守備に関する指標では守備Pが平均を上回り守備機会の多さが推測される。奪取Pが低いことから受け身的な守備が推測され、またセーブPの低さと平均的な被ゴール期待値の低さから、相手のシュートミスなどに助けられていることが推測される。勝点は平均を下回っている。

クラスター5(徳島H・名古屋H・FC東京A・徳島A・名古屋A)・・・・前回のブログで守備的と評したクラスターである。攻撃に関する指標、守備に関する指標全て平均を下回っている。守備Pは平均を下回ることから攻撃を受ける機会は少なそうだと推測され、奪取P・セーブPの低さからクリアなどで相手攻撃を防いでいると推測できる。被ゴール期待値はゴール期待値を上回り、結果として勝点は平均を下回っている。

クラスター6(G大阪H・浦和A・柏A・鳥栖A)・・・・前回のブログで守備的と評したクラスターである。攻撃に関する指標では攻撃CBP・パスCBP・ドリブルCBPが平均を上回っており、一見攻撃的に見える。守備の指標では、奪取Pはクラスターの中で最も低く、ボールを奪って攻撃に移ることが出来ていない。逆にセーブPは平均を上回り、ゴールキーパーが悪い意味で活躍しているように見える。被ゴール期待値はゴール期待値を上回り、攻撃ではなく守備の比重が高いと思われる。その結果、勝点は平均を大きく下回っている。

クラスター7(川崎FH・札幌H・川崎FA)・・・・前回のブログで攻撃的と評したクラスターである。攻撃に関する指標は全て平均を大きく上回っている。特にドリブルCBPが高い。守備に関する指標では奪取Pが非常に高く、ボールを奪って次の攻撃につないでいることが最大の特徴である。守備Pは平均より低く、守備機会の少なさやクリアに逃げることが少ないことが推測できる。セーブPは平均を下回り、良い意味でゴールキーパーの出番が少ないのだろう。ゴール期待値は被ゴール期待値を大きく上回り、その結果、勝点は平均を大きく上回っている。

クラスター8(横浜FMH)・・・・前回のブログで攻撃的と評したクラスターである。横浜FMHのみということで突出している存在ともいえる。攻撃に関する指標ではドリブルCBP以外は平均を上回っている。横浜FMはパスとドリブルのハイブリッド型というイメージが強いが、ドリブルでは上手く攻撃出来ていないということになる。守備に関する指標では奪取Pが高く、ボールを奪って次の攻撃につないでいることが分かる。守備Pは最も低く、守備機会の少なさやクリアに逃げることが少ないことが推測できる。クラスター7と比較すると守備Pは低く、セーブPは高いことから、割合的にゴールキーパーの出番が多いと思われる。しかし平均と比較するとセーブPは低く、ゴールキーパーが活躍しておらず、被ゴール期待値は平均を上回っている。ゴール期待値も被ゴール期待値も平均より高く、加えてゴール期待値差は最も大きいことから、相手に攻撃されても、強力な攻撃で相手をねじ伏せるという構図が伺える。


ブログが長くなってしまいますので、チームごとのコメントは別の機会にさせていただきます。


2022年1月6日(木)追加資料