毎度のことながらFootball LABさんからデータを拝借しました。また今回もELGOLAZOさんからもデータを拝借しました。
双方のデータに攻守の切り替えに関するデータがありましたので比較しました。
初めにELGOLAZOさんのデータです。
ELGOLAZOさんのデータには、攻→守の指標として「5秒未満にボールを奪い返した回数(1試合平均)」、守→攻の指標として「奪ってからシュートまでの平均時間(秒)」がありました。結果は上表の通りです。チームによりかなりバラツキがみられます。
次はFootball LABさんのデータです。数字は偏差値で表されています。
攻撃→守備の定義は「ボールを奪われた後の3秒間における縦方向(相手ゴールラインから味方ゴールライン)のチーム走行距離が10m以上で、かつ相手チーム走行距離の1.5倍以上の場合」です。
守備→攻撃の定義は「ボールを奪った後の3秒間における縦方向(味方ゴールラインから相手ゴールライン)のチーム走行距離が10m以上で、かつ相手チーム走行距離の1.5倍以上の場合」です。
こちらもチームによりかなりバラツキがみられます。
両方ともに攻守の切り替えに関するデータではありますが、定義が異なります。この異なった定義がどのような結果になるのか比較します。
双方の数値単位が異なるため統一します。今回は基準値に計算し直します。結果は下表の通りです。
上表の数値を散布図にします。
まずはELGOLAZOさんのデータです。
札幌が飛び抜けています。
決定係数は0.3241ではあるものの、正の相関関係になっています。
次はFootball LABさんのデータです。
こちらでは湘南が飛び抜けて良い結果になっています。ELGOLAZOさんのデータとは反対に札幌の評価が低いです。清水は双方ともに低い評価になっています。優勝した川崎Fの位置はほぼ同じであり、同等の評価になっています。決定係数は0.3988であるものの、正の相関関係になっています。
同じ攻守の切り替えのデータであっても、定義が少し異なるだけで評価が大きく変わることが分かりました。改めてデータ分析の難しさを実感しました。
2022年1月16日(日)追加資料
チーム別シーズン別平均総走行距離
鳥栖の総走行距離が長いです。
コメント(10)
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SPORTERIAスタッフ
2022/1/13 14:16
いつもありがとうございます!
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ぴくしー
2022/1/13 19:17
SPORTERIAスタッフ様コメントありがとうございます。このブログを読んだ札幌サポの方から「奪った瞬間、攻撃に転じた瞬間に味方選手が適切な位置にいるから必ず相手選手より移動しなくてもフィニッシュまで運べている可能性があります。→続く。
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ぴくしー
2022/1/13 19:18
例えば鳥栖は、比較的他クラブよりもネガトラ、ポジトラで相手より走っているけど、ポジトラでフィニッシュまで運ぶ速度でいうとそこまで速くない。
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ぴくしー
2022/1/13 19:19
とコメントをいただきました。札幌の試合を見たことがないのですが、この推察は的を射ているのでしょうか?ご存じでしたら教えて下さい。
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SPORTERIAスタッフ
2022/1/14 21:51
ぴくしー様
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SPORTERIAスタッフ
2022/1/14 21:54
札幌の「奪った瞬間、攻撃に転じた瞬間に味方選手が適切な位置にいる」の"適切な位置にいる"かどうかをデータ的に定義するのは極めて難しいので、何とも言えないところです。
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ぴくしー
2022/1/16 19:11
SPORTERIAスタッフ様コメント&分析結果ありがとうございます。
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ぴくしー
2022/1/16 19:14
札幌サポ様「例えば鳥栖は、比較的他クラブよりもネガトラ、ポジトラで相手より走っているけど、ポジトラでフィニッシュまで運ぶ速度でいうとそこまで速くない。このことから、ポジトラにおいてはボール保持を主体とし、ネガトラでは前プレまたはリトリートを素早く行うことを主としていることが推察されます。」
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ぴくしー
2022/1/16 19:16
札幌の「奪った瞬間、攻撃に転じた瞬間に味方選手が適切な位置にいる」の"適切な位置にいる"かどうかをデータ的に定義するのは極めて難しいので、何とも言えないところです。
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ぴくしー
2022/1/16 19:20
「ボールゲイン後3秒間」のチーム移動距離が川崎、神戸に次いで3番目に短く、かつこの3チームの中では「ボールゲインからシュートに至るまでの時間」が1番短いことを考えと、効率が良いとは言えると思います。
湘南の切り替え時の運動量はさすがですね👏
「5秒未満にボールを奪い返した回数(1試合平均)」は、ボール奪取した中でも"マイボールを失って5秒以内に取り返した回数"で、「奪ってからシュートまでの平均時間(秒)」は全ボール奪取が対象なので、そこは母数に少しズレがありそうですね。
それでも札幌の位置が逆転するのはちょっと面白いところですね。
それほど運動量をかけなくても奪い返しているのか…🤔
短い時間でマイボールと相手ボールが行ったり来たり、というシーンもあるのかもしれません?
このことから、ポジトラにおいてはボール保持を主体とし、ネガトラでは前プレまたはリトリートを素早く行うことを主としていることが推察されます。」
色々なシチュエーションがあるので、一概に正しい/正しくないと言うことはできませんが…
鳥栖が「ボールゲイン後3秒間」「ボールロスト後3秒間」のチーム移動距離でリーグ1位なのは事実です。ただ、その「3秒間」だけでなく、試合全体で移動距離が長いという事実も有ります。
「ボールゲインからシュートに至るまでの時間」ではリーグで下から2番目なので、フィニッシュまで急いでいないのは確かかと思います。(もちろん、行ける時は行っているでしょうが)
「ボールゲイン後3秒間」のチーム移動距離が川崎、神戸に次いで3番目に短く、かつこの3チームの中では「ボールゲインからシュートに至るまでの時間」が1番短いことを考えと、効率が良いとは言えると思います。
鳥栖が「ボールゲイン後3秒間」「ボールロスト後3秒間」のチーム移動距離でリーグ1位なのは事実です。→いいデータですね。鳥栖の質の高さが読み取れます。
試合全体で移動距離が長いという事実も有ります。→コメントの通りでした。グラフを追加しました。
SPORTERIAスタッフ「ボールゲインからシュートに至るまでの時間」ではリーグで下から2番目なので、フィニッシュまで急いでいないのは確かかと思います。(もちろん、行ける時は行っているでしょうが)」
→言葉は違いますが大方一致していますね。両氏ともに流石です。
→おっしゃる通りだと思います。ここの部分を定義し数値化することができれば、プレーや戦術の質が格段に進化すると思います。
→いいデータですね。札幌にこんな強力な武器があったとは知りませんでした。勉強になりました。
質問に答えていただきありがとうございました。