少し時間が取れたので簡単なものを投稿します。

データ対象は2022シーズンJ1リーグ5/25終了時点の試合です。

①自チーム総走行距離÷相手チーム総走行距離

②自チームスプリント数÷相手チームスプリント数

の1試合平均を算出しました。結果は下記の通りです。1試合平均を算出しましたが、平均にしなくても結果は同じかな・・・・。でも自動計算だから手間は変わらないか。

赤色のセルは偏差値60以上、緑色のセルは偏差値40以下です。

これを散布図にすると下図の通りになります。

一目瞭然ですね。

総走行距離:多い、スプリント数:多い・・・・鳥栖、鹿島、京都

総走行距離:多い、スプリント数:平均的・・・・湘南

総走行距離:平均的、スプリント数:多い・・・・福岡

総走行距離:平均的、スプリント数:少ない・・・・磐田、神戸

総走行距離:少ない、スプリント数:平均的・・・・FC東京、浦和、川崎F

総走行距離:少ない、スプリント数:少ない・・・・札幌

総走行距離:平均的、スプリント数:平均的・・・・広島、名古屋、清水、C大阪、横浜FM、G大阪、柏


横浜FMは意外な結果かなと感じます。


全然意外ではありませんが湘南についてもう少し数字を拾います。

湘南の各試合(全15試合)ごとの総走行距離(実数)と総走行距離(自チーム÷相手:相対的な数字)を計算し、CBP等との相関係数を求めました。結果は下表の通りです。

絶対値で0.7以上の相関関係が認められたCBP等はありませんでした。絶対値で相関係数0.4~0.7の項目は緑色のセルになっています。

自チーム総走行距離とCBP等の相関を見ると、攻撃CBP、クロスCBP、奪取Pと相関関係にあることがわかります。相手は関係なく、単純に自チームの総走行距離が増えると攻撃CBP、クロスCBP、奪取Pが増えるということになります。

相手との関係ということから、自チーム÷相手の総走行距離との相関係数を計算すると上表の通りであり、緑色のセルであるシュートCBP、守備Pとの相関が強いことが分かります。総走行距離が相手チームを上回るほどシュートCBPが上がり、守備Pが下がるという関係になります。相手を上回るほどシュートに行きつく確率が上がり、相手を上回った総走行距離は守備よりも攻撃に消費されていることも分かります。

自チーム総走行距離が増えると攻撃CBPが上がることから、攻撃力が上がるのでしょう。しかしシュートCBP、ゴールCBPは低いです。

総走行距離(自チーム÷相手)が上がっても攻撃CBPは低いものの、シュートCBP、ゴールCBP、ゴール期待値は自チーム総走行距離との相関係数よりも高くなっています。攻撃の目的はゴールを奪うこと、一つ手前はシュートを打つことです。よってシュートCBP、ゴールCBP、ゴール期待値を見れば生産性を評価することが出来ます。

自チーム総走行距離が増えれば攻撃力が増しますが、それだけでは生産性は低い。相手チームを上回ることで生産性があがることが見えます。逆に相手を下回ってしまったらダメだということも見えます。


次はスプリント数です。同様に計算しました。湘南のスプリント数は、上の散布図を見ると平均的になっています。

一目瞭然ですね。単純に自チームスプリント数が増えるよりも、相手を上回るほどクロスCBP、ドリブルCBP、シュートCBP、ゴール期待値が上がります。守備Pの相関係数が-0.42であることから、相手を上回ったスプリント数は攻撃に消費していることも推測できます。総走行距離もスプリント数も、相手を上回ると守備Pが下がるのは共通しています。


湘南の生命線は走ることなのだろう。難しい戦術を使うよりも、走れる選手を使い、とにかく走る。生産性を上げるには、ただ走るのではなく、相手よりも走ること。単純でわかりやすい。わかりやすいことはいいことだ。筆者でもわかるということは、やっている選手も分かりやすく、観客も分かりやすく、評価もしやすいということになる。


いつものことながらFootball LABさんからデータを拝借しました。