ELGOLAZOを読んでいたら、41ページにアルベル監督のことが書かれていました。その中に「8月の中断期間を挟んでチームはより一層整備され、ベースが見えてきた。」という文節がありました。ということでFC東京8月の中断期間前後の数字を拾いました。後編ではFC東京の相手チームの数字を拾っていきます。

なお表の緑色のセルは5%水準、赤色のセルは1%水準で有意差があることを示しています。


得点は増えています。失点も増えています。失点よりも得点の方が多いです。逆に勝点は減っています。

いずれもt検定では有意差はありません。



攻撃CBP、パスCBP、クロスCBP、ドリブルCBP、シュートCBPともに値が大きくなっています。

攻撃CBPのみがt検定で有意差(5%水準)があります。

変動係数の差はあまりありませんが、この5つのCBPの中では、ドリブルCBPの変動係数が中断前よりも小さくなっています。バラツキが少なくなりつつドリブルCBPが高くなっているということです。


ゴールCBPがの値が大きくなっています。前述した5つのCBPも含めて、攻撃に関するCBPの値が大きくなり、結果としてゴール期待値の値が大きくなっています。奪取P、守備P、セーブPの値は小さくなっています。失点が増えていることから、守備の強度が下がった可能性があります。

守備Pは5%水準、セーブPは1%水準で有意差が出ています。


シュートは増えています。1%水準で有意です。枠内シュートも増えています。

パスも増えています。かなり増えていますが有意差はありません。サッカーでは微妙な変化が勝敗を分けることが多いため(主観です)、統計学的なことを無視して、サッカーの世界では10%水準で数字を見てもよいのではないかと考えています。

クロスは増え、直接FK・間接FKともに減っています。


CK・スローイン・ドリブル・タックル・クリアともに減っています。

ドリブルは減っているにもかかわらず、ドリブルCBPの値が高くなっていることから、効果的なドリブルが増えたのではないかと推測できます。

タックル・クリア、次の表に記載したインターセプトの守備の数値が減っているのは守備の強度が弱くなっている可能性が高く、この数値が奪取Pや守備Pの値に変化をもたらしている可能性が高いです。また後述するボール支配率の高まりにより守備機会が減ることでタックル・クリア・インターセプトの減少につながっているのかもしれません。もちろん両方の交互作用の可能性もあります。


インターセプト・オフサイドは減っています。

30mライン進入・ペナルティエリア進入は増えています。ペナルティエリア進入は有意差はないものの、5%水準に近い差です。


総走行距離・スプリント・攻撃回数は減っています。チャンス構築率・ボール支配率は高まり、アクチュアルプレーイングタイムは伸びました。

ELGORAZOのアルベル監督の記事には「開幕直後は選手の特徴や昨季までに深く根付いているスタイルを活かしながら、ハイプレスとショートカウンターを武器に勝点を積み上げた。…(省略)…その後、少しずつポゼッションの割合を増やしていき、選手たちも徐々に順応していく。」と記載されています。前述したパス本数の増加がボール支配率を高め、ショートカウンターからポゼッションに移行することでスプリント回数が減り、ボール支配率が高まることで攻撃回数が減り、アクチュアルプレーイングタイムの伸びにつながっていることが分かります。

中断前と中断後では別のチームのような数字になっています。

チャンス構築率は9%から12%に増え、数字の差は1%水準での有意差という形で表れています。


有意差はないものの00-15ポゼッションを除いて、中断後の方がポゼッションは高まっています。00-15ポゼッションにしても変動係数は中断後の方が値が小さく、ポゼッション率55%という数字は、中断前よりも安定していることがわかります。変動係数だけで判断するならば、全ての時間帯で変動係数が小さくなっていることから中断前よりも安定しているということになります。


00-15・16-30のシュート数は減っているものの、31-45以降のシュート数は増えています。特に46-60シュートは5%水準で有意となっています。

46-60は後半開始直後ですので、ハーフタイムでの選手交代が成功している可能性が高いです。今回はその数字をお示すことが出来ません。


有意差はないものの(5%水準に近い値です。)、76-90ゴールが増えています。終盤に力を発揮しています。



かなりの部分で中断前と中断後で数字が変化しています。ELGORAZOの記事通りアルベル監督の戦術が浸透してきていると思います。

数字の羅列ばかりで申し訳ありませんが、後編(相手チームの数字)へ続きます。


毎度のことながらFootball LABさんからデータを拝借しました。