福岡が天皇杯準決勝に進んだので少し調べてみました。

使用したデータは2023シーズンJ1リーグ第25節までです。

ということで、いつもの通りFootball LABさんからデータを拝借しました。

福岡側のみの結果であり、相手チームは対象範囲に含めていません。


Football LABさんにある指標(チャンスビルディングポイントやスタッツ等)から、勝ち、引分、負けごとに平均値を算出し、勝ちと負けの有意差検定を行いました。


有意差が認められた指標の内、得点と失点に着目しました。

結果は下記の通りです。

得点、失点ともにF検定後のt検定で有意差が出ました。p値は上表の通りです。

勝ち試合では得点が多く、負け試合では得点が少ない。また勝ち試合では失点が少なく、負け試合では失点が多いです。

p値を比べると失点の方が値が小さく、福岡の勝ち負けには得点の大小よりも失点の大小の方が影響が大きいように思われます。


そこで得点と勝点、失点と勝点について考えます。

まず得点と勝点の散布図を作成し、相関係数を求めました。

散布図は上図の通りです。重複データがあるため、データ数が少なく見えますが、データ数は25です。

まず散布図から正の相関関係にあることが分かります。得点が増えると勝点が増えるという関係です。

そして相関係数(R)は0.5489です。強い相関関係とまではいえません。


次は失点と勝点です。

こちらも重複データがあるため、データ数が少なく見えますが、データ数は25です。

まず散布図から負の相関関係にあることが分かります。失点が減ると勝点が増えるという関係です。

そして相関係数(R)は-0.6966です。ほぼ0.7であり、強い相関関係といって良いかと思います。


まとめると

得点と勝点 相関係数 0.5489

失点と勝点 相関係数 -0.6966

失点の方が勝点に大きく影響しています。

得点を多くするよりも、失点を少なくする方が勝点に結びついています。

どうやら福岡は守備型のチームのようです。


守備の指標のなかで、攻撃と関連が見られた指標があります。

奪取Pです。チャンス構築率と関連がみられました。散布図は下記の通りです。

相関係数(R)は0.4521です。強い相関関係とまではいえませんが、相関関係はあります。

奪取Pが増えるとチャンス構築率が高くなります。


次はクリアと勝点の関係です。

相関係数(R)は0.5391です。強い相関関係とはいえませんが相関関係はあります。

クリアが多くなると勝点が増えるという関係です。


以上見てきたように福岡は守備の指標と親和性が高く守備型のチームのようです。


攻撃では面白いデータが出ました。

時間帯別得点です。

グラフの通り、勝ち試合では終盤の得点が多くなります。

勝負強いのでしょう。


勝ち試合と負け試合の76-90ゴールの有意差検定をしました。

F検定後のt検定のp値は0.053であり、統計学的には有意差は出ませんでしたが、ほぼ有意差有り(こんな表現はないかと思いますが)といってよく、終盤に攻撃力が発揮されると勝ちに結びつくようです。


簡単ですが、以上で終わります。