毎度のことながら、Football LABさんからデータを拝借した。
今回は2024シーズンの得点パターンと勝点の相関係数を計算した。
結果は下表の通りである。
はじめに得点パターンについて確認しよう。
得点パターンの定義は下表の通りである。
今回取り上げる「セットプレーから」は「上記(PK及びセットプレー直接)を除き、セットプレー後10秒以内にゴールインした得点。下記のアクションが含まれていてもこちらで計算」ということである。
では改めて相関係数を見ていこう。
最も相関係数が大きい項目は「得点パターン:セットプレーから」である。相関係数は0.725であり、強い相関関係である。そのまま解釈すると、「セットプレー後10秒以内の得点」が多いチームほど勝点が多くなるということになる。
最も相関関係が強いということは、それだけ「セットプレー後10秒以内の得点」が重要だということを意味している。
2024シーズンのチーム別勝点及び「得点パターン:セットプレーから」の数値は下表の通りである。
散布図にすると下図の通りになる。
相関係数は0.725、R2(決定係数)は0.526である。
散布図の通り、「得点パターン:セットプレーから」の得点が大きくなるほど勝点が増えるという正の強い相関関係を示している。よって、先ほども記した通り、散布図は「セットプレー後10秒以内の得点」が重要だということを意味している。
次に2023シーズンも計算してみよう。
手順は2024シーズンと同様である。
2023シーズンのチーム別の勝点及び「得点パターン:セットプレーから」の数値は下表の通りである。
上表を散布図にすると下図の通りになる。
相関係数は0.382であり0.4に満たないため、相関関係はないといってよい。2024シーズンと比較して散布図も直線的ではなく密集している。2023シーズンにおける「得点パターン:セットプレーから」は、2024シーズンほど影響は大きくないということになる。
2023シーズンと2024シーズンの「得点パターン:セットプレーから」と勝点の相関関係から、2024シーズンにおける「セットプレー後10秒以内の得点」はより重要になっていることがわかる。セットプレーから直接得点することも重要だが、セットプレーを一度防がれたとしても二次攻撃をすることがもっと重要だといえる。二次攻撃を想定したセットプレーを設計する(今風に言えばデザインする)ことも必要になってきていることを示唆している。Jリーグの解説を聞いていても、セットプレーが重視されているということを耳にするが、二次攻撃を含めたセットプレーは、2024シーズンは勝点に大きく影響する重要な攻撃方法だったのではないかと推測できる。
簡単ですが、以上で終わります。
コメント(0)