京都が強いので、また調べました。
京都はハイプレッシングが特徴のチームである。
指数は65でありJ1リーグ屈指である。
下記は2024シーズン及び2025シーズン(9/12Update)のハイプレッシング指数である。
2025シーズンは0.7低くなったがが高い指数を維持している。
ハイプレッシングは京都の生命線だと思われるため、J1リーグへ昇格した2022シーズン以降のハイプレッシング関連の指標とゴール期待値の相関係数を計算した。使用したのはゴール期待値はシーズン平均値、ハイプレッシング関連の指標はシーズン終了後、2025シーズンは9/12にUpdateされた数値である。
ゲイン率と守備成功率を使用するが、似た指標なので説明しておく。
成功率・・・・プレッシング後に相手の攻撃を抑えた割合
ゲイン率・・・プレッシングによってボールを奪った割合
似ているが、抑えるのと奪うのでは全然違う。
計算結果は下記の通り。
ハイプレッシング守備成功率とゴール期待値及び相手:ゴール期待値との相関係数は、それぞれ0.63,-0.76となった。
守備が成功することで、相手:ゴール期待値を押し下げている。ゴール期待値は相手:ゴール期待値ほど高くはなく、守備成功率は相手:ゴール期待値への影響の方が強い。
可視化したグラフは下記の通りである。
次はハイプレッシングゲイン率である。
相関係数の計算結果は下記の通り。
ハイプレッシングゲイン率とゴール期待値及び相手:ゴール期待値との相関係数は、それぞれ0.84,-0.21となった。
ボールを奪うことで、相手:ゴール期待値を押し下げているが、それ以上にゴール期待値が高くなっている。
ゲインはボールを奪うことであり、ボールを奪うこと、京都はその後の攻撃につなげていることを意味する。
可視化したグラフは下記の通りである。
ハイプレッシングについて見てきたが、京都のハイプレッシングの精度は高まっているのではないかと推測できる。
次はミドルプレッシングを見て行こう。
下記は2024シーズン及び2025シーズン(9/12Update)のハイプレッシング指数である。
2024シーズンと比較して2025シーズンは3.2高くなった。ミドルプレッシングの回数が増えたということである。
ほぼ60になった。
ハイプレッシングと同様に相関係数を計算した。
結果は下記の通り。
ミドルプレッシングでボールを奪うことは相手:ゴール期待値を押し下げている。
ミドルプレッシングでボールを奪っても、ゴール期待値が高くならないのは、京都はショートカウンターが得意だからだと思う。ミドルの位置でボールを奪っても効果的に攻撃できないのだろう。
ミドルプレッシングゲイン率と相手:ゴール期待値を可視化したグラフは下記の通りである。
次はミドルプレッシング守備成功率である。
ミドルプレッシングで相手の攻撃を抑えると、相手:ゴール期待値が減少する。これはよく分かる。
その一方で、ゴール期待値が上昇している。前述したことと矛盾している気がする。
ちょっと考えて、
守備成功率↑ ➡ ゴール期待値↑ 守備は成功しているが、相手の攻撃を遮断した後に京都が積極的に攻めている。
つまり、守備の安定が攻撃の起点になっていることを示しているのではないだろうか。このような現象は、ポゼッション型のチーム、ビルドアップ重視のチームに見られる。守備が安定することで、ボール保持時間が増え、結果的にゴール期待値が上がるという構造ということになる。京都はショートカウンター型のチームではあるが、シチュエーションによってポゼッション型に可変しているのではないだろうか。
可視化したグラフは下記の通りである。ミドルプレッシングが2025シーズンに大きく改善されたことがわかる。
京都はハイプレッシングが特徴のチームである。
しかし、2024シーズンはハイプレッシングが外されたときは、相手に容易に攻め込まれていたのではないだろうか?
2025シーズンもハイプレッシングのチームではあるが、ハイプレッシングが外されたときやハイプレッシングが発動できないときにミドルプレッシングを行っているのではないだろうか。二の矢が出来たということになる。
まとめ
京都は、
ハイプレッシングゲイン率が高いとゴール期待値が上がる(ショートカウンター型)。
守備成功率(ハイプレッシング・ミドルプレッシング)が高いと相手ゴール期待値が下がる(守備安定型)。
さらに、守備成功率が高いと自チームのゴール期待値も上がる(ポゼッション型への可変)。
という三層構造の戦術的成果が見られる。2025は戦術が変化している。これはまさに「ハイプレッシングの進化系」と言えるのではないだろうか。
ラファエルエリアスに注目されがちですが、京都はラファエルエリアスだけのチームではありません。
毎度のことながらFootball LABさんからデータを拝借しました。




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