基本スタッツ

ゴール期待値


【その他スタッツ】(札幌:C大阪)

決定機 1:3

準ずるチャンス 2:3


フォーメーション図

フォーメーション図

【札幌】

<自陣攻撃>

3-2-5もしくはGKが最終ラインに加わって2−3−5の形。後方は相手2トップに対して+1を作ることを意識して人数や立ち位置こそ決めるがそこに入る選手は流動的に変わる(CB+2VOやCB+RCB+VOなど)VOが落ちることが多いので空いた中央にはシャドーの駒井が下がってくる。自陣のサイドで保持して相手がボールサイドに圧縮してきたところで逆サイドで張っている選手への対角のロングボールを多用。ショートパスを使うときはCFが裏を狙って相手の最終ラインを押し下げつつ、その他の前線にいる選手がライン間で縦パスを受けてサイドへ繋いで前進。回数は少なかったがサイドから斜めにライン間のCFに打ち込みシャドーに落としてサイドへ展開する形も。

<敵陣攻撃>

サイド深い位置まで侵入してからのクロスもしくは大外で持って相手CBとSBの間が広がったところでのチャンネルランからのクロスでゴールを狙う。サイドの比率としては左からの方が多かった印象。クロスは相手選手の間から飛び出した選手が相手の最終ラインとGKの間を狙う形、ファーサイドへ蹴って折り返しを狙う形が多かった。後半の終盤はシャビエルを中心に短い距離でパス交換をして中央を割ろうとする攻撃も多く見られた。

<敵陣守備>

前線からほぼマンツーマンでプレス。シャビエルが1つ上がってCFと2人で相手2CBを見て相手のアンカーポジションの選手にはVOの内1枚がつく。WBは相手SHを気にしつつもSBへボールが出たら前方へアタック。WBが前に出たら残りのDFラインの選手は1つずつボールサイドにずれる。WBや両サイドのCBが前に出ることが多いので前に出ない方のVOはそのカバーができるよう中央のDFラインに近い位置に留まるようにしていた。

<自陣守備>

前から奪いにいっている分、後ろが手薄な状態で自陣に侵入されることが多いため自陣ではポジションを気にせずにまずは最終ラインに人数を揃えることを意識。相手の攻撃を遅らせることができたら徐々に本来のポジションを取り直しながらブロックを作って中央を塞ぎつつ相手を押し戻していく。

<試合の感想>

後半アディショナルタイムでの逆転ゴールで劇的な勝利を挙げましたが内容は思わしくなかったように感じました。攻撃に関してはロングボールでの前進はある程度上手くいっていましたがその先のBOXへの侵入の部分で相手の対策を上回れなかった印象です。クロスの本数自体は多かったのですが間に入り込まれないよう選手間の距離をしっかり締めて構える相手に跳ね返され続け、2列目からのハーフスペースへの侵入も対応されてしまっていました。後半、終盤のオープンな展開でのカウンターから2点を取れたことは良かったですが最後の崩しの部分には課題が残ったと思います。また前半にショートパスを自陣で奪われて決定機を作られる場面が複数あったことも気になりました。ビルディングアップの際に後方から前方への縦パスを相手に引っ掛けられることが多く、縦パスを受ける選手が落ちるタイミングや入れた後のサポートなど修正してカウンターを受けるような悪い失い方をする数を極力減らしていく必要があるように感じました。



【C大阪】

<自陣攻撃>

2−3−3−2のような形。VOはハッキリと縦関係で鈴木がアンカーポジション、SBはアンカーポジションの選手と同じぐらいの高さで外に張る。両SHは中央寄りに立つことが多かった。前から奪いにくる相手に対して前線へのロングボールを多用。タガートに競らせてセカンドボールを狙う形、裏のスペースに蹴って上門やパトリッキを走らせる形が目立った。ビルディングアップの際にCHの奥埜が早いタイミングでFWの近くまで上がる動きが印象的。おそらくマンツーマン気味に守る相手に対して動けばついてくることを見越してセカンドボールの回収を狙いつつ、相手を前後分断させて中央にスペースを作り相手がロングボールを跳ね返してもそのボールをスムーズに前線に繋げにくくさせてカウンターを防ぐ狙いがあったように見えた。

<敵陣攻撃>

後方が手薄になりやすい相手に対して時間をかけずに攻め切ろうとする意識が強く、相手がブロックを整える前にボールホルダーは前進、周りの選手はホルダーを追い越して少ない人数でシュートまで持ち込むプレーが多かった。左SBの山中のオーバーラップを活かす形が多く、時間がかかって相手にブロックを組まれた際も左サイドで2人〜3人が絡んでのパス交換からクロスを狙う形が多かった。

<敵陣守備>

前後左右コンパクトな 4−4−2の形。2トップは絶対に中央を通されないように距離をかなり短くしていた。サイドへ誘導したところでボールサイドに全体が寄って圧縮して奪うことを狙っていたが対角のロングボールを多用する相手に狙いを外される場面が多かった。ただ構えるだけでなく陣形が整っていればFWが相手の最終ラインのに寄せて中盤の4枚もそれに連動して近くのマッチアップする選手を捕まえボールを奪いにいくアクションも起こしていた。相手がサイドにボールを動かそうとしたところでSHが早めに前に出て簡単にサイドへ出させないように牽制する動きも見られた。

<自陣守備>

クロスを主体に攻めてくる相手に対して最終ラインは外に釣り出されすぎずに選手間の距離を一定にして跳ね返す意識を強く持っていた。ニアゾーンを狙うハーフスペースへのランにもCHを中心に対応できていた。オープンな展開が増えてからは後方にスペースがある状態で後ろ向きの対応を強いられる場面が増え大きく崩されたわけではないが耐えきれず逆転を許してしまった。前半から相手のロングボールに対して走らされていたことによる疲労も後半終盤の守備対応に影響があったかもしれない。

<試合の感想>

相手のロングボール攻勢には多少、手を焼いていたように見えましたが高い位置で奪ってのカウンターから決定機も作れて攻守両面で狙い通りのプレーが多くできていたのではと感じました。気になったのは先制してからの戦い方。1点を守り切ることに重きを置いた戦い方にシフトしていっても不思議ではないところオープンな展開を許容するような戦い方を続けていました。試合の結果だけを見ればこれが裏目に出たと捉えられるかもしれませんが個人的には先を見据えて1点で満足してそれを守り切るチームではなく前掛かりになってくる相手に対してしたたかに追加点を挙げて勝ち切るチームを目指しているからこそ選択した戦い方のように感じられました。