メンバー

フォーメーション図フォーメーション図

鹿島は一週間前PSM 水戸戦から上田・土居をエヴェラウド・和泉に変えてスタメン起用。上田・土居はPSM で改めて試す必要がなかったということか。

CB の立ち位置は左右を入れ替えてきた。関川の方が左CB の位置から対角線へのフィードに難がないということか。あるいは、守備の局面でLSB のカバーを考慮しての変更か。


G 大阪はPSM が中止になったこともあり、事前の情報があまり得られない中での開幕戦となった。


所感

DAZN 観戦。現地観戦ではないので、空気感や画面外の動きなどがわからないのがもどかしいところ。

鹿島のスターティングメンバーを見ると、結果も伴わず内容にも満足できなかったPSM からの修正がしっかり行われたのか、と個人的には少しの不安を持って試合を見守っていた。

試合の入りは鹿島・G 大阪とも互いにビッグチャンスを作り合うやや行ったり来たりする展開となった。

そんな中、20 分にはミンテが相手からのフィードを難なくヘディングで落としたボールをピトゥカがテンポ良く捌いて素晴らしい質のラストパスを前方に送り、上田がペナルティエリア内でワンタッチの強烈なシュートをゴールの対角側サイドネットに突き刺し先制点を得ることとなった。

直後の26 分、コーナーキックのこぼれ球を小野瀬がこれまたスーパーショットと言えるミドルを叩き込みすぐに試合は振り出しへ。

内容的にも一進一退で良い意味で落ち着かない試合展開が続く。

30 分には相手最終ラインでのビルドアップをうまく追い込んだところから鈴木が勝ち越しゴール。シーズン開始早々に2 トップが良い形で得点という結果を出したことでPSM から一転、非常に幸先の良いシーズンスタートを予感させることとなった。G 大阪も出来としては決して悪くはないように見えていたのだが、最終ラインからのビルドアップで危ない場面を何度か迎えていた中での失点となってしまった。G 大阪の守備では、鹿島の先制点のシーンでの中央エリアつまりピトゥカのところを誰がケアするのか、というところも試合を通じてあまり有効ではないと感じるところであった。


試合の趨勢を大きく変えることとなったのは38 分の鈴木とパトリックの球際での競り合いのシーンで、パトリックがレッドカードで退場となったシーン。

大きな議論となっている場面だが、一連の対応として荒木主審はじめ審判団の対応・判断は非常に適切であり全く問題なかった。議論の中で多くの人々が様々な意見を出しているが、ルールを正しく理解していないまま感情的・恣意的に言い散らしているようなものがほとんどであった。J リーグを普段から見ているファンやメディア記者の中にも基本的なルールを正しく理解できない人が多数であることに個人的には驚いた。

そんな中、前園真聖氏のコラムでは公平な立場から正しい見解が述べられていたのでリンクしておきたい。

【前園真聖コラム】第390回「どうしてパトリックの退場にVARが何も言わなかったのか」

蓋し公明正大であり、何をか加えん。


とにかく、前半途中でエースストライカーを欠く10 人となった中で1 点を追いかける苦しい試合となったのはG 大阪。以降はほぼ鹿島が主導権を握る形となり、最終スタッツでも圧倒する試合となった。


基本スタッツ


ゴール期待値は試合を見る限り、もっと高かった印象。相手GK 石川の好パフォーマンスがあったものの、それでも3-4 点は追加できてもおかしくなかったのではないか。

ゴール期待値


前半に退場者が出たことによって、以降は危ない場面を迎えることがほとんどなく試合を終えることができた鹿島であるが、逆に言うと厳しい試合展開となったときに持ち堪えることができるのか、試合の中で勝ち筋を見つけられるのかといったところはまだまだ未知数であり、楽観できる状況ではない。

次節はホームで川崎戦。第二節にして早くもチーム力の真価を問われる試合となる。日程的には中2 日の相手に対して鹿島は急遽中一週間で迎えることとなった。多くの観客が来場することが予想されるホーム戦。優位な条件を如何に活用し、ネガティブなポイントをどう上手く隠して勝利に結びつけられるか。シーズンの結果にも大きく影響する予感のする一戦を勝利で終えるためにしっかりと準備したい。


ピックアッププレイヤー

PSM に続き、樋口を取り上げたい。

攻撃スタッツ - 樋口 雄太 ヒートマップ - 樋口 雄太

試合終盤まで怠ることなく常にボールを保持するチームメイトの助けとなる動き、つまりパスを出すのに近すぎず遠すぎない距離で、相手守備者を正面から受けない角度を作るポジションを次々に局面が変わっていく中で連続して取り続ける献身性を見せた。本人も自分の特徴として狭い局面でボールを受けることと運動量と語っていたが、まさにその通りの結果が見て取れる。彼の働きによってマイボールを良いテンポ・良いルートで回すことができ、効果的にゴールを目指すことができるため、チーム全体の躍動感を上げることにもつながっているように見える。

新加入ながらPSM・リーグ開幕戦で早くもチームに不可欠な活躍を見せてくれている。

このままチームを良いスタートダッシュに導き、そのままシーズン通じてチームを牽引する力は十分にあると思うので、そのような活躍をぜひ期待したい。


リンク

公式試合レポート

ハイライト: https://www.youtube.com/watch?v=VqLCjidVUjY