ナカミテ、ソトミテ、ナカソトソトナカの真の意味

フォーメーション図

フォーメーション図

ガンバは前半からガンバから見て右サイドはカビシャーバ。

左サイドは毎熊に狙いをつけ、奪いそこから更にサイドチェンジをし、

クロスをジェバリに合わせるという形で試合に入ります。

守備スタッツ - ネタ ラヴィ

はためから見てもネタラヴィは辛そうで、彼の為にも、そして何よりダービー故に気合を入れて

試合に入っている!そう思わせるような入りでした。


気のせいでした。

先制点をくらうと途端に意気消沈。

頻繁なサイドチェンジが出来ていたのは前半8分まで。

その後は可能性の感じない横パスを何度か奪われ、危機を迎えます。


セレッソは非常にシンプルで、

攻撃スタッツ - 香川 真司

スプリントゼロの男香川。

もしくは彼より後ろの選手、はたまたジンヒョンがロングボールを入れてきます。

で、まずカピシャーバ、レオセアラ、クルークスの3人が独力でゴールを目指します。

でシュートまでいければ良し。いけなくとも彼らが時間を稼ぎ、

ボールを奪われる頃にはセレッソの中盤が前進。

ガンバがボールを繋ごうにもマンツーマンでプレスをかけ、ボールを奪い、

二次攻撃、三次攻撃に繋ぐ。

前半はヒガシがパスを出しても、弦太や福岡へレオセアラがプレスをかけ、

黒川には毎熊が食いつき、ガンバはビルドアップもままならない有様でした。

只、スペースは有るのです。

毎熊の裏。中盤の底、最終ラインの向こう。

恐らくガンバの当初のプランではボールを奪えれば狙えるスペースはあるのでサイドチェンジ。

そこからカウンターというプランだったと思います。

ですが選手はプレスを剥がすのに一苦労。焦りを生み、当初のサイドチェンジはまるで見られなく

なってしまいました。


後半に入り塚本、ダワンを投入立ち位置を整理したのと、流石にあのプレスを90分続けるのは

無理なようでセレッソの重心が下がり、ガンバがボールを持てる時間が増えたものの…

ガンバの選手達の受ける動きも少なく、噛み合いません。

走行距離・スプリント回数

ストロング、

スプリント・ゼロ!

んで、表題についてですが


「ナカミテ、ソトミテ、ナカソトソトナカ…」

ファン感で福岡が持ちネタとして披露した、ポヤトス監督のモノマネです。

ネタにすること自体にどうこう言うつもりはありません。

そうではなくこれ、誰に向けての言葉だと思いますか?

かつて、幾多の名パサーとして名を馳せた選手たちがいました。

中田英寿、今は監督のバルサのシャビ。個人的には長友選手が

在籍していたインテルにいたカンピアッゾ・・・。

彼らは皆、試合中に頻繁にキョロキョロキョロキョロ…。

もう首の関節とか大丈夫なんか…と心配になる程、周りを見渡していました。

だから、名パサーは視野が広い、なんて話をするつもりは毛頭無く。

時代は流れ、パス1本で試合が変わるような時代は終わりました。

逆に今は誰もが優秀なパスの出し手にも受け手にもならなければいけません。

だからヒガシから最初にパスを受ける弦太や

攻撃スタッツ - 三浦 弦太

福岡ら最初にパスの出し手になった選手こそ、中を見て、外を見て、中、外、外、中。

常に安パイな横パス出しているのではなく、逆サイドへ一発、サイドチェンジをもっと

ガンガンやれ…という話でも無いのです。(めんどくせえなコイツ)

パスの出し手が「中、外、外、中」を見る。

それでは遅いのです。

前述した選手達が周りをキョロキョロしていたのはパスを出す時ではなく、

パスを受ける前です。

パスを受ける前にまず周囲を見渡してボールホルダーと自分の立ち位置を確認。

そしてボールホルダーからパスを受けやすい位置に頻繁に移動。

自身の立ち位置を微調整。

で、パスを受ける前にピッチ全体を見渡し、次に誰に渡すのか。

そのパスにどんな「意思」を込めるのか。

近くにいる相手との位置関係は?

これらの情報処理をパスを受ける前に「ある程度」終了しておかなければいけません。つまり、

誰に向けての言葉かというと、パスの受け手になる

味方選手全員です。

なので、ゴールキック。ヒガシからボールを弦太が受けたのであれば

彼を除いたガンバの選手全員が「中を見て、外を見て、中、外(ニアサイド)、外(逆サイド)、中」を

見終わり、かつパスを受けやすい位置へ常々微調整しなければいけないのです。

至極当然の話ですが、ガンバの選手たちは当然、

それを意識して出来ていたでしょうか?

全員棒立ちとまでは言いません。でもまだ全然足りないのです。

ネタにするのは構いません。しかし、選手全員にこの言葉に込めた監督の真意は伝わって

いない様に思います。

後半70分ごろ、ガンバベンチから怒鳴るような声が聞こえます。

「ユウキー!」

攻撃スタッツ - 山本 悠樹

監督にはあの局面からゴールに迫る「絵」が見えていました。

しかし、悠樹を除く選手達の中でその「絵」を描けた選手は何人居たでしょうか?

前半40分。小気味よいパス交換から宇佐美がシュート。枠を外します。

一見、きれいな攻撃にみえますが、私は嫌な予感しかしませんでした。

あんな攻撃、90分間続けて出来る筈がないからです。

あの流れはとあるチームを彷彿とさせます。

2014年、ブラジルワールドカップへ挑んだザックJAPANです。

「じぶんたちのサッカー」に無駄にこだわったあのチームは結局1勝も挙げられずに崩壊しました。

ポヤトスの真意は、一部の選手を除き、伝わっていないのではないか?

残り3試合。ポヤトス監督は様々な実験を試してくるでしょう。

来季に向けて、選手たちの生存戦略はもう始まっています。