競った残留争いの渦中の徳島ヴォルティスがサンフレッチェ広島をホームに迎えたこちらの試合を、徳島目線でレビューします。


残留条件

まずは残留条件の整理をします。徳島が湘南を得失点差で上回ることは現実的ではないので考慮しないものとします。


徳島が勝利の場合

清水が敗戦or湘南が引き分け以下で徳島が残留

徳島が引き分けの場合

湘南が敗戦で徳島が残留

徳島が敗戦の場合

降格


まとめると、徳島が引き分けの場合は湘南が引き分け以上で降格するためかなり心もとない状況であり、徳島が勝利した場合は他力本願ではあるものの「湘南の勝利かつ清水の引き分け以上」が発生した場合の降格になるので、残留の可能性が大きく高まる状況です。

そのため、引き分けで良しとせず、勝利を狙いに行くゲーム運びが想定されます。



直近のチーム戦績

直近のチーム成績は以下の通りです。

前節までの対戦成績

徳島は直近2試合で連勝しており、広島は直近5戦で勝利なし。また、前回対戦も勝利しており、徳島にとって勝利を狙ううえでの前データとしては悪くないものでした。



試合結果

試合結果は広島4-2徳島と打ち合いの展開を広島が制するものでした。得点者と時間は次の通りです。

【広島】

藤井 智也(9分)

エゼキエウ(11分)

エゼキエウ(36分)

浅野 雄也(65分)


【徳島】

岸本 武流(54分)

一美 和成(80分)



試合をデータから振り返る

この試合をデータから振り返ってみます。まず基本スタッツから。

基本スタッツ

結果とは逆に、ボール支配率、シュート数、パス成功数などは徳島が広島を上回っており、全体的に支配する展開でした。逆に広島は枠内シュート数4で4得点と巡ってきたチャンスを確実に仕留める展開であったように思います


徳島がゲームを支配した様子はパスデータからも読み取れます。

パスソナー・パスネットワークパスソナー・パスネットワーク


エリア間パス図エリア間パス図



このようにゲームを支配できる展開ながらの敗戦はやはり、前半の立ち上がりの失点が大きく響いたと考えられます。

ちなみに、前半9分の失点は左サイドからのクロスから、前半11分の失点は右サイドのクロスからでした。

ただ、下のデータに示されるようにクロスが「広島が得点しやすい+徳島が失点しやすいパターン」というわけではなく、前半立ち上がりが「広島が得点しやすい+徳島が失点しやすい時間」というわけでもないので、チームが苦手としていたような点の取られ方をしたわけではありませんでした。


得失点パターン


時間帯別得失点率


ということは、勝利をどうしても目指したい試合ということで、攻守のバランスの崩れが生じてしまったかもしれないという風にこのゲームから感じました。



来年に向けて

この試合、徳島にとってポジティブに捉えられるところとしては、3点のビハインドから諦めずに2回得点を返したところだと思います。来シーズンはこの諦めない精神を武器に、またJ1に返り咲くことに期待しましょう。