リーグ戦で2試合連続完封勝利を収めているサンフレッチェ広島。

第10節はアウェーで浦和レッズと対戦しました。

   フォーメーション図 フォーメーション図

前節6失点で敗戦した浦和はスタメンを5人入れ替え。一方、2連勝中の広島は前節と同じ11人がスタメンに名を連ねました。


開始早々のPK

試合開始からわずか5分後、広島は3試合ぶりの失点を喫してしまいます。

浦和は自陣でボールを奪ったところからカウンター。ハーフウェーライン付近でボールを持ったレオナルドが敵陣中央までボールを運びます。左サイドから汰木康也が斜めの動きでハイネルの背後へ走り出すと、レオナルドが絶妙なスルーパスを汰木に送ります。ペナルティエリア内でパスを受けた汰木をハイネルがスライディングで倒してしまい、浦和にPKが与えられます。レオナルドがこのPKを決め、浦和が先制に成功しました。

レオナルドがスルーパスを出す直前まで、ハイネルはタッチライン沿いを走っていた汰木に背を向け半身の状態で下がっていました。しかし、レオナルドがパスを出す瞬間、ハイネルはサイドにパスが出ると思ったのか、タッチライン側に体の向きを変えようとわずかに体を回転させてしまいました。この動きによって、ペナルティエリア方向に出されたパスに逆をつかれる形となり、汰木に背後を取られてしまいました。その結果、先にボールに触られ、ハイネルはスライディングで止めようとしたものの汰木を倒してしまいました。

広島はリーグ戦で2試合連続完封中でしたが、今節はPKを決められ失点。試合開始からわずか5分で1点を追いかける展開となってしまいました。


西川のビッグセーブ

同点に追いつきたい広島は何度も浦和ゴールに迫ります。

17分、川辺駿からサイドチェンジのパスを受けたハイネルがクロスを上げます。ゴール前のレアンドロペレイラが相手よりも高い打点で合わせ、ヘディングシュート。シュートはゴール右隅に飛びましたが、西川周作に左手で弾かれてしまいました。

21分には川辺が敵陣深い位置からクロス。相手に当たって宙に浮いたボールをペレイラがオーバーヘッドで狙いましたが、再び西川にセーブされてしまいます。

35分、青山敏弘からペナルティエリア内の浅野雄也に縦パスが入ります。浅野は近くのペレイラに渡し、ペレイラは右足でシュートを放ちました。しかし、シュートは槙野智章に当たりゴールとはなりませんでした。

広島はボールを握る時間が多く、サイドを使いながら浦和の守備を崩そうとしていました。ペレイラを中心に多くのシュートを放ちましたが、西川のビッグセーブもあり得点は奪えず。1点ビハインドで前半を折り返しました。

守備スタッツ - 西川 周作


怒涛の攻撃

後半に入ると広島はさらに攻勢を強めます。

開始早々、川辺がシュートを放つと、47分にはハイネルのパスに抜け出したペレイラがシュート。しかし、浦和の守備陣が体を張ってゴールを死守します。51分のコーナーキックでは、ニアサイドに飛び込んだハイネルがヘディングシュートを放ちましたが、西川にセーブされてしまいました。広島は後半開始から60分までの15分間で8本ものシュートを放ちましたが、得点を奪うことはできませんでした(参考:https://www.football-lab.jp/hiro/report/?year=2020&month=08&date=15)。

一方、守備では浦和のカウンターにしっかり対応。59分には柴戸海と武藤雄樹のワンツーから汰木にシュートを打たれますが、それ以降は1本もシュートを許さず。センターバックの荒木隼人を中心にチャンスを作らせませんでした。


左サイドを崩せず

サイドからの攻撃が多くなっていた広島に対し、浦和は後半途中から5バックで対応。広島のウイングバックにボールが渡ると浦和は複数人で対応し、チャンスを与えていませんでした。その結果、61分からの15分間で広島が放ったシュートは1本のみ(参考:https://www.football-lab.jp/hiro/report/?year=2020&month=08&date=15)。60分前後に投入され、ともにウイングバックに入った茶島雄介や藤井智也はシュートにつながるクロスをほとんで供給できませんでした。

    攻撃スタッツ - 茶島 雄介 ヒートマップ - 茶島 雄介

    攻撃スタッツ - 藤井 智也 ヒートマップ - 藤井 智也

茶島は1対1となった際にドリブルで突破したり、左足のクロスから東俊希(途中出場)のヘディングシュートを演出するなど、積極的に仕掛ける姿勢は見られました。ただ、クロス成功数は1本にとどまり得点に繋げるまでには至りませんでした。一方の藤井は複数人で対応してくる浦和の守備に苦戦。得意のドリブルを封じられ思うようなプレーができていませんでした。

終盤は途中からピッチに入った野津田岳人らが積極的にシュートを放ちましたが、ゴールとはならず。人数をかけて守備をする浦和を広島は最後まで崩すことができませんでした。結果的に前半のPKが重く、1点も奪えずに敗戦となりました。


総括

基本スタッツ

浦和のシュート数3本に対し、広島は24本と圧倒的に攻めていました。ただ、西川のビッグセーブもあり最後までゴールを奪うことはできず。1-0で3試合ぶりの敗戦となってしまいました。


第11節は8/19(水)、ホームにFC東京を迎えます。

サイド攻撃と中央からの攻撃を両方使いながら得点を狙いにいってほしいです。