前節、開幕戦以来の無失点で勝利を収めたレノファ山口FC。

第13節はアウェーでザスパクサツ群馬と対戦しました。

   フォーメーション図 フォーメーション図

中2日での試合となった両チーム。群馬は前節からスタメンを5人変更しました。一方の山口は完封勝利となった前節から4人を入れ替え。8月に入ってから4試合で3ゴールを挙げている浮田健誠は5試合連続のスタメン出場となりました。


サイド攻撃

群馬・山口ともに攻撃時は最終ラインから繋ぎ、守備時は高い位置からプレスをかけていました。攻撃チームは相手のプレスをかわすために、サイドチェンジの長いパスを使って敵陣に攻め込んでいきました。両チームともにサイドからの攻撃が中心になっていましたが、多くのチャンスを作っていたのは群馬の方でした。

10分には金城ジャスティン俊樹が左サイドに展開し、上がってきた高瀬優孝が敵陣深い位置からクロスを上げます。ペナルティエリア内でボールを持った青木翔大の落としから金城がシュート。相手に当たったボールを岩上祐三が拾ってシュートを放ちましたが得点とはなりませんでした。

18分にも左サイドの高瀬からチャンスが作られます。高瀬のパスを受けた青木がペナルティエリア内へ走り込んだ加藤潤也へスルーパス。加藤は決定機を迎えましたが、シュートはキーパーに防がれ先制点とはなりませんでした。


利き足ではない右足の精度

群馬のハイプレスに苦しみ、思うようにチャンスを作れなかった山口は前半の飲水タイム明けに浮田と森晃太のポジションを入れ替えました。左利きの浮田を右サイド、右利きの森を左サイドに配置しました。利き足と逆サイドのポジションに選手を配置するメリットとして、ウイングの選手が中へ切り込んだときに利き足でシュートを打てるということが挙げられます。一方で、縦へ突破してゴール前へクロスを送る際には、基本的に利き足とは逆の足で蹴る必要があります。このデメリットにより、山口は前半最大のチャンスを生かすことができませんでした。

37分、高い位置からプレスをかけていた山口は相手のトラップミスからヘナンがボールを奪い、高宇洋に繋ぎます。前を向いた高は右サイドの浮田へパス。パスを受けた浮田はペナルティエリアに進入してゴール前にクロスを送ります。しかし、クロスの精度は低く、ボールはゴールの上を越えてしまいました。


高(下図の6番)が浮田(下図の16番)にパスを出した瞬間、キーパーを除くと山口は6対3と圧倒的に数的有利な状況となっていました。

浮田がペナルティエリアに進入してクロスを上げる際には、ファーサイドで森、マイナス側ではイウリがフリーとなっており得点に繋がりそうな場面でした。しかし、浮田が利き足ではない右足で上げたクロスは直接ゴールラインを割ってしまい、シュートを放つことすらできませんでした。

山口は飲水タイム明けに浮田と森のポジションを変えましたが、良い方向には転ばず。カウンターからのチャンスの場面では左利きの浮田が右足でクロスを上げる形となってしまい、シュートを打てず。前半最大のチャンスを生かすことができませんでした。


2試合連続の先制点

前半はお互いにチャンスがあったものの両チームともに得点を取れず、0-0のまま後半を迎えました。山口は後半開始から高井和馬を投入しましたが、この交代が試合を動かします。

51分、敵陣に攻め込んだ山口は両サイドのクロスから得点を狙います。クロスが中の選手に合うことはなかったものの、山口はセカンドボールを回収して連続攻撃を仕掛けます。相手のクリアボールを拾った高が左サイドの高井にパスを送ると、高井はワンタッチで低いクロスを供給。クロスは相手の足に当たりますが、ボールはゴール前にこぼれます。これにいち早く反応したイウリが左足でゴールに流し込み、山口が先制しました。

    攻撃スタッツ - イウリ ヒートマップ - イウリ

後半から出場した高井のクロスが起点となり、イウリが7試合ぶりの得点。このゴールで山口は2試合連続の先制点を奪いました。


大前を捕まえられず

リードを許した群馬は大前元紀らを投入して攻勢を強めていきます。山口は大前を自由にさせる場面が多く、押し込まれる時間が増えていきます。

78分には大前への縦パスから中央で繋がれ、右サイドへ流れた大前に再びボールを持たせてしまいます。大前は時間を作り、上がってきた小島雅也にパス。小島のクロスから加藤がシュートを放ちますが、ポストを直撃しゴールとはなりませんでした。

2分後には中央でボールを持った大前にプレスをかけられず、縦パスを通されてしまいます。そこから右サイドに展開され再び小島が低いクロス。山口の選手に当たりファーサイドまで流れたボールをゴール前に入っていた大前に押し込まれ、同点弾を許してしまいました。

    攻撃スタッツ - 大前 元紀 ヒートマップ - 大前 元紀

ピッチ全体を動き回る大前を山口は捕まえられず。得点のシーンでは小島がクロスを上げる際に山口の守備陣はボールウォッチャーとなっていました。そのため、ゴール前に入ってきた大前をフリーにさせてしまい、得点を奪われてしまいました。


試合終了間際の2点目

1-1となって迎えた終盤は、オープンな展開となります。山口はカウンターからチャンスを作り、高や高井がシュート。特に87分のシーンでは2対1と山口にとって数的有利な場面を作りましたが、パスではなく自ら決めにいく選択をした高井のシュートはポストを直撃。決定的なチャンスを得点に繋げることができませんでした。

一方の群馬も90+2分、キーパーの清水慶記のロングパスからチャンスを作り大前がシュートを放ちます。これは山口の選手にブロックされましたが、こぼれ球を拾った加藤が相手をかわしてシュート。これがゴールに決まり、アディショナルタイムに群馬が2点目を奪いました。

試合はこのまま2-1で終了。山口は先制したものの、終盤の15分間で2点を奪われ逆転負けを喫してしまいました。


総括

基本スタッツ

山口は今シーズン初の連勝とはならず。シュート数はほぼ互角でしたが、枠内シュートの数は群馬の約半分にとどまりました。その結果、山口は先制こそしたものの複数得点を奪えず、逆転負けを喫してしまいました。


第14節は8/22(土)、ホームでFC町田ゼルビアと対戦します(ブログ投稿の約5分後です笑)。

5連戦の最後、勝利で終わってほしいと思います。