前節、今シーズン最多タイの4失点を喫したレノファ山口FC。
8試合ぶりの勝利を掴みたい第20節は、ホームで東京ヴェルディと対戦しました。
両チームともに前節からスタメンを3人変更しました。山口はここのところ3バックのシステムで臨んでいましたが、5試合ぶりに4バックを採用。前節途中出場から得点をあげた高井和馬と小松蓮がともにスタメン起用となりました。
80%以上
序盤、山口はパスミスからショートカウンターを受ける場面が何度かありました。
6分には高宇洋、8分には吉満大介のパスがずれ自陣でボールを奪われてしまいます。どちらのシーンも東京Vにシュートまで繋げられ、山口は自分たちのミスから危ない場面を招いてしまいました。立ち上がりにビルドアップのミスからショートカウンターを受ける場面は他の試合でも見られており、相手のプレスに対応できず自陣でミスをしてしまうことが山口の課題となっています。
試合は時間が進むにつれて東京Vがボールを支配するようになっていきました。中盤の藤田譲瑠チマや佐藤優平を中心にパスを繋ぎ、時には山口の最終ラインの背後へ長いボールを送ってゴールに迫ろうとしていました。Football LABさんのデータ(参考:https://www.football-lab.jp/r-ya/report/?year=2020&month=09&date=19)によると、16分から30分までの15分間における東京Vのボール支配率はなんと80.3%。この時間帯だけ飛び抜けて高く、数値を見て非常に驚きました。
山口はピンチを迎える場面もありましたが、最後の局面ではしっかり対応し無失点。決定的なシュートを許すことはなく、ボールは支配されながらもゴールは与えませんでした。
中距離パス
立ち上がりにパスミスからカウンターを受けた山口でしたが、その後は危ない位置で奪われることはほとんどありませんでした。ボールが繋がるようになった要因の一つとしてキーパーである吉満からの中距離パスが正確だったことが挙げられると思います。
東京Vのプレスに苦戦し、思うように前進できなかった山口は吉満までボールを下げる場面が何度もありました。東京Vは吉満にもプレッシャーをかけてきましたが、吉満はフリーになっている前線の選手やサイドバックにパスを通してプレスを回避。ボールを受けた選手が前を向き、縦に速い攻撃を仕掛けることで、敵陣に攻め込んでいくことができるようになっていました。
ボールを持つ時間も増えてきた山口は両サイドを広く使いながら東京Vゴールに迫っていきました。しかし、得点には至らず。前半は0-0で折り返しました。
浮田の2得点
後半に入るとお互いにクロスからチャンスを演出。
山口は48分、左サイドで田中パウロ淳一が仕掛けてクロスを上げます。中では山口の選手4人が待ち構えていましたが、クロスは誰にも合わず。その後もへナンが深い位置からクロスを上げるなど厚みのある攻撃を見せましたが、ゴールを決めることはできませんでした。
一方の東京Vは55分に右サイドのクロスから井上潮音がシュートを放ちました。コースを狙ったグラウンダーのシュートでしたが、吉満が腕を伸ばしてキャッチ。先制点とはなりませんでした。
両チーム無得点のまま迎えた64分、ついに均衡が崩れました。
自陣左サイドで吉満からのパスを受けた田中パウロが敵陣までボールを持ち運びます。相手2人に対応されスピードを落としましたが、池上丈二とのワンツーで敵陣深い位置へ進入。左足でクロスを上げると、ファーサイドの浮田健誠にボールが届きます。浮田はトラップして左足でコントロールシュート。ディフェンダーの間を抜けたボールがゴール左に決まり、山口が先制に成功しました。
浮田のシュートは決して強いシュートではありませんでしたが、コースを正確に狙った巧いシュートでした。浮田のこの試合最初のシュートにより山口が先制。なお、前半にも見られていた吉満の中距離パスが得点の起点となっており、相手の守備陣形が整う前に攻撃できたことがゴールにつながったと思います。
また、67分にも田中パウロのクロスから浮田が得点を決め2-0としました。浮田は3分間で2ゴール。シュートは試合を通して2本のみでしたが、2本ともゴールに決め決定力の高さを見せてくれました。
すんなり勝てない
東京Vにボールを支配される時間が多かったものの失点は許さず。後半に入って浮田の2ゴールでリードを奪うという、山口にとっては理想的な展開で試合が進んでいきました。ただ、J2最下位に沈むチーム状況を表すかのように、2点リードのまま試合を終えることはできませんでした。
75分、最終ラインの背後を山下に取られて際どいシュートを打たれると、82分、再び山下に最終ラインの背後を狙われます。浮き球のパスに抜け出した山下が深い位置から左足でクロス。眞鍋旭輝の足に当たりコースが変わったボールを途中出場の小池純輝に押し込まれ、1点を返されてしまいました。
その後も東京Vの猛攻を受けると、89分、ハンドから相手にPKを与えてしまいました。同点の大ピンチを迎えましたが、吉満が駆け引きを制してキャッチ。なんとかリードを守り抜きました。
アディショナルタイムにもピンチを迎えましたが、ゴールは割らせず。ヒヤヒヤの展開でしたが、なんとか勝ち点3を掴みとり、山口は8試合ぶりの勝利をあげました。
総括
相手にボールを持たれる時間が多かったですが、集中して守り前半は無失点。後半に浮田の2ゴールでリードを奪い、山口は3試合連続となる複数得点をあげました。しかし、終盤に東京Vの猛攻を受け、1点を返されたうえにPKを献上。引き分けの可能性もありましたが吉満の活躍により、なんとか勝利を掴みました。
第21節は9/23(水)、アウェーでジェフユナイテッド千葉と対戦します。
今季初の連勝を飾って、勢いに乗ってほしいです。
コメント(2)
-
SPORTERIAスタッフ
2020/9/23 15:55
8試合ぶりの勝利、おめでとうございます㊗️
-
サンレノファン
2020/9/23 17:53
SPORTERIAスタッフさん、コメントありがとうございます!
PKの時は「これまでの悪い流れが…」と思いましたが、吉満選手のナイスセーブでしたね👏
実は1点目の起点も吉満選手からのパスで、素晴らしい活躍だったと思います!
浮田選手の1点目は、余計な力みが全く無かったですね😮
「今日も勝てないのか...」という思いが頭をよぎりましたが、吉満のPKストップに救われました。
浮田と吉満が攻守のMVPでしたね!