J1リーグ後半戦のスタートとなる第18節。
サンフレッチェ広島は前回対戦において今季唯一の逆転負けを喫している、大分トリニータと対戦しました。
両チームともに3-4-2-1のシステムを採用。前節のスタメンから大分は4人、広島は6人を入れ替えました。なお、広島の土肥航大はJ1初スタメンとなりました。
両チームの1トップ
前半は非常に堅い試合となりました。両チームともに後ろでパスを繋ぐ時間が多くなり、なかなか前線にボールを入れることができませんでした。特に1トップを務めた渡大生と永井龍はほとんどボールに触れず。両選手とも最終ラインと駆け引きをして裏のスペースを狙っていましたが、パスが出てくる回数は少なく、持ち味のスピードを発揮できていませんでした。また、くさびのパスを受けても時間を作れず、攻撃では存在感を出せませんでした。
この試合、渡・永井はともに約60分プレーしましたが、ボールタッチ数は10回、パス数は5本程と少し寂しいスタッツになってしまいました。ただ、守備では前線からプレスに奔走。渡はプレスに行くところと行かないところのメリハリをつけ、全体のプレスのスイッチを入れる役目を担っていました。一方、永井は相手キーパーまで全力でプレスをかける場面もあり、簡単には繋がせないようにしていました。最前線の選手が「攻撃に絡めなかった&しっかりと守備をした」ということが堅い試合展開を引き起こしたと思います。
シュートの少ない前半
両チームとも30分まではシュート0本。試合が動く気配はなく、この試合1本目のシュートが生まれたのは37分のことでした。
フリーでボールを持った井林章が裏のスペースを狙っていた永井へパスを供給します。ペナルティエリア内で胸トラップした永井はゴールライン近くから右足でクロス。逆サイドから飛び込んできた東俊希がヘディングで合わせました。相手ディフェンダーの頭に当たったシュートはクロスバーを直撃。惜しくも得点とはなりませんでした。
一方の大分は前半アディショナルタイムにチャンスを迎えました。
3バックの一角である岩田智輝が味方とのパス交換からこの試合初めて広島陣内深い位置まで上がります。岩田は中央の渡をめがけてクロス。しかし、クロスは荒木隼人にブロックされ、渡には繋がりませんでした。
前半はお互いにほとんどチャンスを作れず。0-0での折り返しとなりました。
選手交代
後半に入っても前半同様、堅い試合となりました。後半開始からの15分間は大分・広島ともにシュート0本(参考:https://www.football-lab.jp/hiro/report/?year=2020&month=09&date=23)。お互いに攻め手を欠いていました。そんな状況を脱却すべく、広島は63分に川辺駿とドウグラスヴィエイラを投入。すると、この交代策がハマり広島が先制しました。
70分、右サイドのハーフウェーライン付近から茶島がヴィエイラに浮き球のパスを送ります。パスは少しずれましたがヴィエイラがキープ。ヴィエイラはペナルティエリア手前から左の森島司へパスを出します。森島はエリア内で左足を振り抜きシュート。これがゴールに決まり、広島の先制点となりました。
最前線にヴィエイラが入ったことで広島は前線でボールをキープできるようになりました。また、ラフなボールやハイボールも高い確率で収めており、広島の選手たちは「ヴィエイラがボールをキープしてくれる」と信じてプレーしていたように見えました。得点の場面では茶島からのパスがずれたものの、ヴィエイラのリーチの長さやキープ力を警戒してか大分の選手は飛び込めず。ヴィエイラの強みが生んだ得点だったと思います。
田中のドリブル
一方の大分は交代で入った田中達也が攻撃にアクセントをつけていました。田中はボールを持つと積極的にドリブル。82分には中央に切り込んで惜しいミドルシュートを放つ場面もあり、ゴールに向かうプレーをしていました。前回の対戦でも広島は田中のドリブルに手を焼いており、田中がスタートから出ていたら全く違う試合展開になっていたと思います。
貴重な追加点
0-1と広島リードのまま試合は85分まで進みました。前回対戦でも1点リードしていながら終盤を迎えましたが、85分以降の2失点で大分に逆転負け。選手たちには少なからずその試合の意識があったと思います。逆転負けの悔しさを晴らすためにも勝利が欲しかった広島は86分、貴重な追加点を取ってリードを2点に広げました。
左サイドのハーフウェーライン付近から、途中出場の柏好文が大分の最終ラインの背後へボールを入れます。このボールに反応したヴィエイラが抜け出し、ペナルティエリアに進入。ヴィエイラは相手キーパーの位置を見て冷静にボールをゴールへ流し込みました。
試合はこのまま0-2で終了。ヴィエイラの1ゴール1アシストの活躍により、広島は3試合ぶりの勝利をあげました。
総括
両チーム合わせて11本のシュートと非常に堅い試合となりました。広島は交代で入ったヴィエイラが1ゴール1アシストと結果を残し、後半に2得点。守備では大分の攻撃を抑え、4試合ぶりの無得点で勝利を飾りました。
第19節は9/27(日)、ホームでガンバ大阪と対戦します。
上位に食い込むためにも勝ち点3を掴みとってほしいです。
コメント(4)
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SPORTERIAスタッフ
2020/9/26 17:40
膠着した時間帯にボールを預けられるストロングポイント💪が生まれると、チームは助かりますね!
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ポンコツ太郎
2020/9/26 18:03
はじめまして。毎回楽しみにブログを拝見させていただいています。手堅い試合展開の中、選手交代が与える切り口からのブログ、勉強になります。
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サンレノファン
2020/9/26 20:49
SPORTERIAスタッフさん、コメントありがとうございます!
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サンレノファン
2020/9/26 20:55
ポンコツ太郎さん、はじめまして。
もしかしたら今後の重要な交代オプションになるかも?
大分戦のヴィエイラは本当に頼もしかったです!
ヴィエイラはシャドーで出場することもありますが、個人的にはトップの方が合っているような気がします。
拙いブログですがお読みいただき、さらにはコメントまでしていただきありがとうございます!
今季は最大5人交代できるので、交代策は試合を制する上で重要になってきていますよね。