3試合連続で複数失点を喫しているレノファ山口FC。

4試合ぶりの勝利をかけた第31節はホームでザスパクサツ群馬と対戦しました。

   フォーメーション図 フォーメーション図

両チームともに前節からスタメンを4人変更。山口は菊地光将、群馬は渡辺広大と経験豊富なベテランが最終ラインに入りました。


橋本の左足

序盤、山口は左サイドバックの橋本健人が多くのチャンスを作り出しました。

    攻撃スタッツ - 橋本 健人 ヒートマップ - 橋本 健人

10分には、敵陣左サイドでパスを受けた橋本(下図の42番)が小松蓮(下図の18番)の前方へアーリークロスを供給。橋本はトラップ後の首振りで中の状況を素早く確認しており、ゴールへ直結するプレーを瞬時に選択しました。クロスを上げる際、体はゴール方向ではなく斜め左前方を向いていましたが、得意の左足からゴール前へ絶妙なパスを送りました。小松が決めきれず、得点とはなりませんでしたが、橋本が決定機を作りました。

その後も、11分にはキーパーとディフェンスラインの間に低く鋭いクロス。17分にも2度の切り返しからクロスを上げるなど、積極的な攻撃参加を見せました。いずれもゴールには繋がりませんでしたが、橋本のプレーから多くのチャンスが生まれていました。

橋本は現在大学3年生で、2種登録の選手ですが、出場したほとんどの試合で持ち味を存分に発揮しています。特に攻撃のセンスは非常に高く、見ていてワクワクする選手です。


流れは群馬に渡る

30分頃までは山口が試合のペースを握り、決定機を作り出していました。ただ、ゴールネットを揺らすことはできず、前半は無得点となりました。

一方、守備では30分以降に何度かピンチを迎えました。群馬はピッチを広く使いながら攻撃。特に左サイドからはサイドバックの高瀬優孝が何度も高い位置まで上がり、クロスを供給していました。ただ、山口もクロスへの対応は良く、センターバックの2人を中心にしっかりと跳ね返していました。

    攻撃スタッツ - 高瀬 優孝 ヒートマップ - 高瀬 優孝

41分、45分にはペナルティエリア内の深い位置から田中稔也と林陵平にそれぞれシュートを放たれましたが、キーパーの山田元気が飛び出してブロック。終盤は群馬のペースとなっていましたが、なんとかゴールは守り抜き0-0で前半を終えました。

    守備スタッツ - 山田 元気 ヒートマップ - 山田 元気


来日初ゴール

後半、最初のチャンスを迎えたのは群馬でした。

50分、左サイドのスローインからパスを繋ぎ、最後は加藤潤也がシュート。強烈なシュートが枠を捉えましたが、山田がなんとか弾き出し先制ゴールとはなりませんでした。

ピンチをしのいだ山口はその4分後、セットプレーから先制点をあげました。

右コーナーキックから池上丈二が高いボールを供給。サンドロが競り勝ち、ヘディングシュートを放つと、ボールはキーパーの手を弾いてゴールへ吸い込まれました。

サンドロは前半にもセットプレーで競り勝っており、この試合のシュート数は3本。ハイボールに対する強さを見せてくれました。今シーズンから山口に加入したサンドロはこの得点が来日初ゴール。シーズン序盤は怪我もあり苦しみましたが、ここに来てスタメン起用が続き、この試合では貴重な先制点を決めました。

    攻撃スタッツ - サンドロ ヒートマップ - サンドロ


勝ち点3とはならず

先制して勢いに乗った山口は何度も2点目のチャンスを迎えます。ただ、いずれも決めきれず、追加点とはなりませんでした。

59分にはカウンターから数的有利な状況を作りましたが、高井和馬のシュートはディフェンダーがブロック。65分には小松蓮が左足でゴールを狙いましたが、シュートはポストを直撃しゴールとはなりませんでした。

山口はこの試合、16本のシュートを放ちました。そのうち枠内シュートは11本でしたが、群馬のキーパー清水慶記のシュートセーブは1本のみ。目の前にディフェンダーがいるにも関わらず、強引にシュートを狙って相手に当たるという場面が多くありました。前節はシュート数そのものがわずか5本だったため、「シュートを多く打とう」という狙いがあったのかもしれません。ただ、その意識が強引さに繋がってしまい、結果的に得点は1点のみとなってしまいました。

守備スタッツ - 清水 慶記

山口は終盤までリードを保っていましたが、86分にロングカウンターから失点。加藤のシュートが対応した浮田健誠の股を抜け、ニアサイドに吸い込まれました。

    攻撃スタッツ - 加藤 潤也 ヒートマップ - 加藤 潤也

試合は1-1で終了。4試合ぶりの勝ち点3とはなりませんでした。


総括

基本スタッツ

前半はお互いにチャンスを作るも無得点。後半、山口はサンドロの来日初ゴールで先制しましたが、終盤に追いつかれ引き分けとなりました。山口は相手の倍近くシュートを放ちましたが、精度を欠き1得点のみとなってしまいました。


次節、山口はアウェーでFC琉球と対戦します。

追いつかれた悔しさを胸に、勝ち点3を目指して戦ってほしいです。