新型コロナウイルスの影響により開催が延期となっていた一戦。

サンフレッチェ広島と名古屋グランパスが今季初めて対戦しました。

   フォーメーション図 フォーメーション図

中7日でこの試合を迎えた両チーム。広島は1人、名古屋は3人スタメンを変更しました。左ウイングバックに起用された東俊希は3試合ぶりの先発出場となりました。


ショートカウンター

序盤は名古屋がボールを保持する時間が多くなりました。Football LABさんのデータによれば、立ち上がり15分間での名古屋のボール支配率は70.1%(参考:https://www.football-lab.jp/hiro/report/?year=2020&month=11&date=11)。ただ、名古屋陣内でのプレーが多く、広島を押し込んでいた訳ではありませんでした。

広島は高い位置からプレスをかけ、名古屋のビルドアップを制限。ボールを奪いきる場面は少なかったですが、プレスを剥がされて簡単に前進される場面もほとんどなかったです。広島が継続してプレッシャーをかけ続けた結果、16分に名古屋がミス。広島はそのミスを見逃さず、先制点に繋げました。

名古屋のキーパー、ランゲラックが中央の米本拓司へ繋げようとしましたが、パスがわずかにずれ川辺駿がカット。前方へ転がったボールに対し、レアンドロペレイラが後ろから回り込んで右足でシュートを放ちました。ペナルティアークから放たれた強烈なシュートがゴール左に突き刺さり、広島の先制点となりました。

    攻撃スタッツ - レアンドロ ペレイラ ヒートマップ - レアンドロ ペレイラ

広島はショートカウンターが見事にハマり、3試合ぶりに先制。相手の数少ないミスをしっかりと得点に結び付けました。ゴールを決めたペレイラは今シーズン13得点目。現在、ペレイラは出場4試合連続でゴールを決めており、これがどこまで続くのか非常に楽しみです。


強固な守備

先制後は完全に広島のペースとなりました。ボール支配率こそ名古屋の方が高かったですが、チャンスやシュートの数では広島が上回りました(参考:https://www.football-lab.jp/hiro/report/?year=2020&month=11&date=11)。28分には後方から繋いで攻め込み、東がシュート。31分には茶島雄介がハーフウェーライン付近からペナルティエリア内まで持ち運んでシュートを放つなど、名古屋ゴールに迫っていきました。

一方、守備では名古屋にほとんどチャンスを与えませんでした。最終ラインの背後を狙われたり、ペナルティエリアに進入されたりする場面もありましたが、3バックを中心に集中して対応。前半は名古屋のシュートをわずか1本に抑えました。

   守備スタッツ - 佐々木 翔 守備スタッツ - 野上 結貴

守備スタッツ - 荒木 隼人

3バックの中央を務めた荒木隼人は「タックル」から「こぼれ球奪取」までの7つの項目において、全ての数値が3回以上。タックル成功率は100%(6/6)、空中戦勝利率は87.5%(7/8)を記録しました。また、「ファウル」と「警告」に関してはともに0回。大卒2年目ということを全く感じさせない、ディフェンダーとして理想的なスタッツを記録しました。


中央攻撃

後半に入っても名古屋がボールを保持する展開は変わりませんでした。金崎夢生が負傷交代したことにより前線でボールを収めることはできなくなりましたが、代わりにトップに入ったマテウスやトップ下の阿部浩之らが細かくパスを繋ぐことで広島の守備を崩そうとしていました。

    攻撃スタッツ - マテウス ヒートマップ - マテウス

    攻撃スタッツ - 阿部 浩之 ヒートマップ - 阿部 浩之

52分にはマテウスとのパス交換から阿部がシュートを放ち、広島ゴールに迫りました。54分、55分にはくさびのパスを受けたマテウスがフリックを試みるなど、ショートパスで中央を崩そうという狙いが見えました。

ただ、広島の強固な守備を崩しきることはできませんでした。ペナルティエリア近くまでボールを運ぶことはできても、シュートにはなかなか至らず。ゴールをあげることはできませんでした。


直接フリーキック

一方、広島はカウンターからチャンスを作っていました。56分には中央でパスを受けた浅野雄也の突破からフリーキックを獲得。67分にはハーフウェーライン付近でのボール奪取から浅野がシュートを放つなど、名古屋ゴールに迫っていきました。

お互いに得点が生まれず1-0の状態が続いていましたが、79分に広島がフリーキックから追加点を獲得。ペナルティエリア手前やや右から森島司が直接狙うと、壁の上を越えたボールがポストに当たりゴールに吸い込まれました。

    攻撃スタッツ - 森島 司 ヒートマップ - 森島 司

終盤に追加点をあげた広島が2-0で勝利。3試合ぶりの勝ち点3を掴みました。


総括

基本スタッツ

ボール支配率やパス成功数では名古屋に大きく上回られましたが、結果は快勝。相手のシュートをわずか3本に抑え、クリーンシートを達成しました。攻撃ではエースストライカーと背番号10がそれぞれ得点を決め、3試合ぶりの複数得点をあげました。


次戦、広島はホームで横浜FCと対戦します。

今季2戦2勝と相性の良い相手なので、2試合連続での複数得点&無失点で勝利してほしいです。