残り10試合となった今シーズンのJ2リーグ。

5試合勝ちなしのレノファ山口FCは今節、6試合勝ちなしのFC町田ゼルビアと対戦しました。

   フォーメーション図 フォーメーション図

中2日での試合となった両チーム。前節から町田は2人、山口は5人スタメンを変更しました。町田は36歳の深津康太と35歳の水本裕貴をセンターバックに起用。一方、山口のセンターバックには24歳の楠本卓海と23歳の眞鍋旭輝が入りました。


インサイドハーフ

前半、主導権を握っていたのは山口でした。立ち上がりこそ町田にチャンスを作られましたが、それ以降はピンチらしいピンチはなかったです。ペナルティエリア付近までボールを運ばれる場面はあったものの、シュートは許さず。16分以降の30分間は町田に1本もシュートを打たせませんでした(参考:https://www.football-lab.jp/r-ya/report/?year=2020&month=11&date=11)。

攻撃ではアンカーの高宇洋とインサイドハーフの池上丈二・田中陸が中心となってパスを繋ぎながら前進。特にインサイドハーフの2人は細かくポジションを変え、相手の間で何度もボールを受けていました。これまでこの役割を担っていたのは池上1人でしたが、パスを捌ける田中陸が加わり2人となったことで、今までよりも中盤での繋ぎがスムーズになっていたように感じました。

    攻撃スタッツ - 池上 丈二 ヒートマップ - 池上 丈二

    攻撃スタッツ - 田中 陸 ヒートマップ - 田中 陸

4分には左サイドで繋いでいたボールを田中陸が引き取って右サイドへ展開。そこから素早く前に運び、田中パウロ淳一のクロスに浮田健誠が頭で合わせるというチャンスを作り出しました。この場面では浮田だけでなく高井和馬、さらにインサイドハーフの池上・田中陸もペナルティエリアに入ってきており、非常に厚みのある攻撃となっていました。得点とはなりませんでしたが、攻撃の組み立てからクロスへの入り方まで理想的な攻撃だったと思います。


クロスの精度

山口はその後もクロスから多くのチャンスを作りました。

16分には田中パウロのスルーパスに抜け出した橋本健人がペナルティエリア内からクロス。27分には田中パウロのクロスに浮田が飛び込みました。しかし、どちらのクロスもキーパー福井光輝にキャッチされ、シュートは打てませんでした。

守備スタッツ - 福井 光輝

前半、山口は両サイドから何度もクロスをあげていました。浮田のヘディングシュートなど惜しいシーンを作った一方、クロスがキーパーに飛んでいき、直接キャッチされる場面も何度かありました。福井は積極的に飛び出していた訳ではありませんでしたが、クロスキャッチ数は4回を記録。良い形は何度も作れていましたが、クロスの精度が高くなくゴールを決めることはできませんでした。


危険な位置でのロスト

0-0で迎えた後半、山口はビルドアップでのミスが多くなり町田に流れを渡してしまいました。

56分には田中陸がボールを奪われカウンターを受けます。町田のパスが流れたことでシュートは打たせませんでしたが、危ない場面を迎えました。さらに、63分には楠本卓海のパスをインターセプトされ再びカウンターを受けます。右サイドから髙江麗央にクロスを上げられましたが、ゴール前で高がなんとかクリア。町田のラストパスがずれたことにも助けられ、なんとか失点は防ぎました。

ただ、その後も高い位置からプレッシャーをかけてきた町田に苦しみ、前半のようなビルドアップはできませんでした。相手を剥がすことができず、自陣でのロストも増加。その結果、パスミスから先制点を与えてしまいました。

79分、山口陣内中央で高のパスをインターセプトされ、速攻を受けます。中島裕希への縦パスは高がスライディングでカットしましたが、こぼれ球を岡田優希に決められ失点。先制を許してしまいました。

    攻撃スタッツ - 岡田 優希 ヒートマップ - 岡田 優希

山口は2試合続けて自陣でのロストからピンチを迎え、先制点を与えてしまいました。

失点後、山口は交代カードを次々と使用し、攻撃の活性化を図りました。しかし、町田のゴールを割ることはできず。苦しいチーム状況同士の対決でしたが、1-0で町田が勝ち点3を掴みました。


総括

基本スタッツ

前半は山口が試合のペースを握っていましたが、得点は決められませんでした。後半はミスから町田のカウンターを受ける場面が何度もあり、終盤に失点。2試合続けて1-0での敗戦となりました。


次節、山口はホームでアビスパ福岡と対戦。

強敵ですがホームで意地を見せてほしいです。