今季2度目となる7試合勝ちなし中のレノファ山口FC。

第35節では2連勝中の東京ヴェルディとアウェーで対戦しました。

   フォーメーション図 フォーメーション図

東京Vは前節からスタメンを2人変更。一方の山口は前節から4人を入れ替えました。3トップの中央に入った河野孝汰は第13節以来の先発出場となりました。


自陣でのパスミス

3試合続けて0-1での敗戦を喫しているレノファ山口FC。3試合前の第32節、そして2試合前の第33節では自陣でのボールロストをきっかけに決勝点を与えてしまいました。また、前節は序盤にミスからカウンターを受ける場面が連続し、後半にはキーパーのキャッチミスから失点。自陣での致命的なミスを減らすことが直近の課題となっていました。前節から1週間の修正期間がありましたが、この試合でもその課題を改善することはできませんでした。

19分、自陣でパスを受けた高宇洋に対し、端戸仁が背後から素早くプレッシャーをかけます。端戸の存在に気づいた高は前方へパスを送りますが、センターサークル付近で藤田譲瑠チマにカットされてしまいます。ボールを奪った藤田が井上潮音に繋ぐと、井上は端戸にスルーパス。抜け出した端戸は左足でゴールを決め、東京Vに先制点をもたらしました。

    攻撃スタッツ - 端戸 仁 ヒートマップ - 端戸 仁

ボールを奪われた位置はセンターサークル付近とそこまでゴールに近い位置ではありませんでしたが、東京Vに素早く縦へボールを運ばれ得点を決められてしまいました。山口は直前のビルドアップ時にセンターバックがサイドに開いていたこともあり、抜け出した端戸を誰もマークできていませんでした。

山口はこれで4試合続けて自陣でのミスから失点。その全てが先制点となっており、自ら試合の状況を難しくしてしまっています。


4試合ぶりの得点

先制点の場面もそうでしたが、山口はビルドアップがうまくいかないシーンが多くみられました。アンカーの高、センターバックのヘナン・眞鍋旭輝を中心にボールを動かしてはいましたが、東京Vのプレスを剥がして前進することはほとんどできず。次第に出しどころが少なくなり、パスカットされたり、ロングボールを蹴らされたりという状況に追い込まれてしまいました。その結果、相手を押し込む攻撃は少なく、前半は無得点で終わりました。

1点ビハインドのまま後半を迎えた山口ですが、51分に高井和馬がPKを決め追いつくことに成功しました。高井はチームトップタイとなる今季7ゴール目を記録。また、チームとしては4試合ぶりの得点となりました。

    攻撃スタッツ - 高井 和馬 ヒートマップ - 高井 和馬


勝ち越しゴール

その後は両チームともにチャンスを作りました。

東京Vは53分、井出遥也のスルーパスに小池純輝が反応。前半から何度も背後への抜け出しを見せていた小池が決定機を迎えました。ただ、コントロールが少し大きくなり、シュートを打つことはできませんでした。

    攻撃スタッツ - 小池 純輝 ヒートマップ - 小池 純輝

小池のヒートマップを見ると、サイド深い位置でのボールタッチが多いことが分かります。山口は前半から何度も小池に裏をとられ、ゴール近くでの守備を強いられていました。直接得点に繋がることはありませんでしたが、背後への抜け出しに対する反応が常に遅れているように感じました。

一方、山口のチャンスは64分に訪れます。河野のワンタッチパスに森晃太(途中出場)が抜け出すと、折り返しを河野がシュート。しかし、ボールはサイドネットに当たりゴールとはなりませんでした。さらに、74分にはカウンターから田中パウロ淳一(途中出場)が決定機を迎えましたが、シュートは相手キーパーに弾かれ勝ち越しゴールとはなりませんでした。

1-1のまま迎えた83分、勝ち越しゴールを奪ったのは東京Vでした。

右サイドからのクロスを森田晃樹が折り返し、ゴール正面で端戸がダイレクトボレー。しっかり捉えられたシュートがゴールに決まり、東京Vの2点目となりました。

クロスが上がった際、森田の近くには田中パウロがいましたが、競り合う訳でもなくやや後方から見ているだけでした。フリーの森田が目の前にいたので、しっかり戻って体をぶつけるなり、折り返しのコースを切るなりしてほしかったです。

試合は2-1で終了。山口は今季最長となる8試合勝ちなしとなってしまいました。


総括

基本スタッツ

山口は4試合続けて自陣でのミスから先制点を献上。後半に4試合ぶりの得点で同点に追いつきましたが、終盤に勝ち越しを許し敗戦となりました。


今シーズンも残り1ヶ月。

来季に向けて少しでも良い形で終わってほしいです。