1980年に創部された『松下電器産業サッカー部』ら『ガンバ大阪』に名を変えて30周年。昨季2位の結果を残し、外国人の補強を充填的に実施。節目となる年に花を添える準備は整っていた筈だった。

FUJI XEROX SUPER CUP、J1リーグ開幕戦に敗れて今年もスタートダッシュに失敗してしまうのかと思った矢先に新型コロナウイルス感染症の影響でトップチームの活動が休止となった。3月に試合が無く、復帰は4月3日の第7節広島戦。サポーターの誰しもが新型コロナウイルスはチームにどのような影響あったのか心配している中、なんとか勝点1を確保した。「(この試合は)仕方ない、仕方ない」大多数のサポーターは皆そう思っていただろう。

4月に予定されていた試合は6試合。結果は1勝2敗3分。前述した影響があることを考えると結果だけ見た場合どん底の結果という訳では無いのかもしれない。ただ誰からみても内容が悪かった。6試合通じて得点は1点。シュート本数、ゴール期待値も低く、常に守備に追われていた。昨シーズンはこのような試合も何とか得点を取って勝てていたのだが。

5月に入り第12節セレッソ大阪との大阪ダービー。結果は引き分け。1-1での引き分けだったがゴールはPKでの得点でただただゴールが遠い。その後川崎戦、広島戦と連敗してシーズン通算成績が10戦1勝5敗4分で勝点7、得点数7、失点数9となった。

そして5月14日にトップチーム監督交代を発表。宮本監督との契約を解除し、松波強化アカデミー部長が監督兼任を発表した。同14日にオンライン会見を実施し、小野社長から「リーグ戦は10試合を消化して1勝。チーム状況が改善することは厳しいと判断し、今回の結論と至りました」と解任理由を説明。また和田取締約から「経験のある監督でないといけない。今後ACLも戦っていきます。理想はACLの経験のある監督。なおかつ、それなりの我々の現代表・元代表、海外の選手がいるなか、そういった選手をしっかり同じ方向に向かわせて、方針を示してチーム作りのできる、そんな監督を求めています」と後任の求める監督像について語った。

松波暫定監督の初陣浦和戦。0-3で完敗。続くFC東京戦も開始1分に決められた1点を返せずに敗北。サポーターの不安はピークに。後任が待たれる中で徳島戦、横浜FC戦と連勝。リーグ戦の区切りである湘南戦を控えた6月1日まさかの体制継続を発表。継続理由としては、

  • 現時点において、条件面含めガンバ大阪が求める監督がマッチしなかったこと。

  • 今シーズン過密日程の中、外部からの監督招聘による新体制でのチームづくりに時間的余裕がないこと。

  • 松波監督体制におけるチームの団結力が日々向上していること。

  • 松波監督体制において、チャレンジングな試合内容へと変化しつつあること。

そして6月2日湘南戦を指揮して引き分け。ガンバ大阪はリーグ戦前半戦を終えた。前半戦の成績は15戦3勝9敗5分で勝点14となった。


前半戦の振り返りは以上として本題の松波監督体制継続について話したいと思う。

まず宮本監督解任時にチームの求める監督について和田取締役の語ったことから松波監督はチームの求める監督でないだろう。その為、上記のような説明をすればサポーターからフロントへの不信感は爆発すると考えなかったのだろうか。チームとして一丸にならないといけないと考えているならスローガンの「TOGETHER as ONE」を掲げるのではなく、包み隠さず話して理解を求めるべきじゃなかったのか。欧州SL構想じゃないのだから。

実績だけを重視しても報道のあった大岩氏以外にもJ2からJ1へ昇格させた経験のある高木氏(現:SC相模原監督)や名波氏(現:松本山雅FC監督)の名前は挙がらなかったのか。ACLの実績より他に求めることが多い状態だったのは確かで、シーズン途中に100点満点の候補がいないから継続でと言われても納得できない。松波監督自身の実績は2012年緊急登板させられた降格を請け負った監督だ。

また体制継続発表の時期についても不信感を募らせる原因だと思う。ACL前の試合が残った状態(湘南戦)で何故発表したのか。サポーターからすれば2連勝して雰囲気の良い時に発表してしまえと思われて当たり前だ。

ガンバ大阪は西野氏が偉大すぎた為に長谷川氏移行前、宮本前監督移行前の節目に降格や降格危機に面している。また監督人事だけでなく選手人事も?となることが多い。プロサッカークラブとして企業として再発防止に努めてサポーターを喜ばせて欲しい。

ともあれ松波監督の体制は継続。9年前、2012年シーズンの悪夢を忘れたわけではないと思う。本記事を執筆している7月29日現在、ACLは敗退したがリーグ戦は19試合5勝9敗5分の勝点20。残留は勿論のこと一つでも多くの勝ち星を築いて欲しい。