2021 J1第14節 大分 1-1 鳥栖 レビュー

2021.5.15

サガン鳥栖 対 大分トリニータ

１−１（山下）

「勝負」というものについて考えさせられる試合

先発は上図の通り。

左サイドは小屋松ではなく中野F。

ここ最近の動きの良さから先発を勝ち取った。

他はほぼこれがベストだろうと思われる。

試合は早々に鳥栖が先制する

前から圧力をかける鳥栖はDFラインもハイラインをキープ。

おかげで攻撃した後の跳ね返りをソッコやエドゥが拾いまくる。

そのエドゥの縦パスに♨︎、林が、触れなかったその先に山下！

見事なコントロールからのシュートで１−０

そこから林、山下は徳島戦に続いて「ボランチを消す守備」を見せる。

。

こんな感じで、ボランチには通させない。

その上で、蹴るしかない大分はロングキックやショートも含めて雑だった。

例えばロングはミスしたとしてもDFラインの裏に蹴ってラインを下げされればOKなのだが、短かったりして鳥栖の逆襲を何度も受けた。

ミスは仕方ないとして、どういうミスならいいか？という判断が甘かった。

大分は圧倒的にボールを握っていた。

ロングキック含めて、後ろでつないで少しでも長い時間自分たちのボールを大切にした。奪われても、DFラインを高くして、ここ最近の悪い流れを変えようと。

それでも丁寧さと、個人の質で鳥栖に勝てなかった前半、という総括。

その反面前線ではプレスが掛かってないのにDFラインを上げたことで何度も鳥栖に裏抜けを許した。

この攻撃で１点も取れなかった鳥栖は、それが敗因とも言えるだろう。

大分は中央を密集させて何とか凌ぐ。

そうなると大外から大外で何度か飯野が良い攻撃を見せた。

仙頭から大外の攻撃は惜しかった。

こんな感じが中央を固められた時の崩しのセオリーとなる。

ちなみに前半、町田に通されたシーンがこちら。

何となく、外も中も前もふわっとプレス行って町田が完全に空いた。

これは後半への布石だった。

そして後半、様相が変わってくる。

渡邊と香川のサイドで何度か突破を見せることと、下田が下がってビルドアップを手伝うことで、鳥栖のボランチやサイドを釣ろうとしていた。

そして釣れてた。

GKに戻す場合はFWは行かない、という感じでボランチを消すことを徹底していたが、そのボランチそのものがCBまで下がった時に、追うか？追わないか？という問題を提示された。

そして、段々と大分に釣られたところで下田が前に出始める。

いい選手だ、下田。

あろうことか、中野や飯野が戻り遅れるシーンが散見された。

そうするとここがあくので、エドゥの出張が増える。

よくない。

鳥栖はどうするか？というところで、本田と小屋松を投入。

あくまでもあと１点を狙っていったのだろうと捉える。あとは中野しんやの戻り遅れを小屋松で埋めたかったか？

しかし相手も長沢を投入。

長沢への単純な縦ポンでは跳ね返せていたので問題ないと思っていたが、前に釣り出され、繋がれた上で上がってきたボランチがフリーになっている状況では話は別だ。

ボランチへの守備が甘くなったところで、下田がフリーでクロス。

ドンピシャで長沢に決められて１−１。

中野しんやがミスマッチとか、長沢の高さとかあるけど、あれだけ後ろから入れ替わられてたら辛い。

さらに途中出場の藤本にPKを取られるもののパギのスーパーセーブでかろうじて引き分けた。ドゥンガや相良の投入も惜しいシーンは作ったものの２点目が遠かった鳥栖。

論理的に崩せた前半は「相手に持たせて」カウンターができていた。

ボールキープが少なくても問題はない。

丁寧さと勢いが増した大分に後半責められた時は「持たれて」いた。

ボールキープは鳥栖は前半より改善したけど、悪くなった。

サッカーとは難しいもので、１点で逃げきれたかもしれない。

そういう布陣（田代を入れるとか）にすることも考えにはあったかもしれない。

しかしもう１点を取りにいって、取りきれなかった。

前残りしてプレスに行くなら2点目が必要と散々言ってきたが、崩す形も作りきれなかった。

賭けに負けたが、パギの個人技で引き分けを拾った。

そしてPK止めたあとはドゥンガ含めて無理やりパワープレイで押し込むシーンは作れた。

あれでセットプレーから1点でも取れていたら賞賛してたでしょ？

そんな試合だった

優勝するには？といえば引き分けは厳しいだろう。

しかし、まだ本当の強さを身につけてる最中。

去年まで残留争いしていたチームがちょっと引き分けたからって批判するのはどうかと思う。

とても見応えのある試合だった。

個人的な課題は

中野しんやの戻り遅れが気になることと

２点目を狙う最終ピースが見つからないこと

サイドのタスクが多い故の苦しみか。

それでも彼らならやってくれるだろう

極上★★★

樋口 結局全ての起点となり、諦めないプレスも落ちなかった。

今鳥栖が引き分けで踏みとどまれるのは10番の貢献は大きい

パギ はっきり言う。今日はミスが多かった。

相手FWに引っ掛けたシーンじゃない。

その前にトラップの方向や距離が長くなって自ら苦しい立ち位置になり、キックがブレる、らしくないプレーだった。

その中でPKストップで勝ち点をもたらした功績は果てしなく大きい。

良い★★

山下 貴重な先制点。相変わらず立ち位置がいい。しかし簡単なパスが丁寧ではない問題はまだある。それでもこの展開でのゴールは貴重。

林 追い方が抜群に上手い。交代後にゆとりあるボール保持を許したのは偶然じゃない。交代は疲れがみえたか？

中野F ハーフレーンでの受け方が向上。もう少しでゴール出来る位置にまで入れるようになった。

噛み合ってきただけに結果が欲しい。

攻守に良かったよ。

松岡 相変わらず屈強さを見せる。

取られない判断が抜群！

及第点★

ソッコ 無難な繋ぎと当たりを見せるも何度かふわっとした位置取りから間を付かれた。PKを取られるプレーも悪印象か。

エドゥアルド 頑張っていた！しかしいつもよりファジーなプレーも多く疲れも見えたか。

それでも多くのボールを跳ね返した強さは鳥栖に必須。

▶️小屋松 途中出場で何とか絡もうと奮闘。最終ラインまで戻っての守備も見せる。攻撃に出た時に周りの上がりが遅かったのが悔やまれる。

▶️ドゥンガ 起点にはなった。本田のパスに合わせたシーンが得意なのか？満面の笑みは100点だった。

がんばれ！

飯野 サイドで後手を踏んだ。しっかり対策された上で彼のサイドを狙う大分の厚い攻撃に苦しんだ。

中野 競り負けての失点に責任が0とは言えない。その他にも何度か戻り遅れるシーンがちらほら。

彼のタスクが多すぎる問題はあるが。

もう1つ階段を上がって欲しい！彼なら出来る。

▶️本田 途中出場から多くのプレーを出来なかった。流れに乗れずプレスも甘かったか。

時間短く

▶️相良

可能性は感じさせた

▶️大畑

もう少し積極的に絡みたかったか