森重、レアンドロ、坂元の活躍が目立った試合でした。セレッソは良くも悪くも普通のチームになった。東京の選手は心身が充実していて今季は期待できそう。


目次


1.試合展開

1.スタメンと基本スタッツ

2.東京MFの展開力の低さ、ビルドアップの安定したセレッソ、東京守備陣の硬さから前半は膠着

3.アンカー森重の登場とセレッソの選手交代、中二日の疲労で後半は東京優勢の試合に

4.ゴール期待値では2.53対0.50で東京の完勝、セレッソは上振れた試合を活かせず

2.FC東京

1.アンカー森重で展開力と守備力の問題が解決

2.レアンドロは情緒が安定、この試合では2点を生み出し化け物じみた活躍

3.失点も相手が上振れた、対人規律共に良く今季も安定

3.セレッソ大阪

1.西尾大久保原川の新戦力が素晴らしい、坂元は無双状態

2.戦術的には至って普通、ロティーナ時代の面影はなし

3.ヨニッチ、片山、デサパト、木本、柿谷、メンデスが抜け選手層は薄い、過密日程による苦戦は必至

4.感想


1.試合展開


1.スタメンと基本スタッツ

スタメンと基本スタッツは以下の通りです。お互い開幕からあまり変化のないスタメンとなりました。


フォーメーション図

フォーメーション図









基本スタッツ


2.東京MFの展開力の低さ、ビルドアップの安定したセレッソ、東京守備陣の硬さから前半は膠着

アルトゥールシウバ、東、安部から縦、斜めのパスが出ずFC東京はボールの前進に苦戦しました。ディエゴによる陣地回復もあまり機能せず。セレッソは松田原川清武のポジショニングと展開が上手で、ボールを前線にうまく運べていました。坂元もそれなりに1対1に勝ってクロスを上げることに成功していた。とはいえ、ファールやゴールキック、自陣でのパス回しが多すぎて、アクチュアリータイムが短い前半でした。



3.アンカー森重の登場とセレッソの選手交代、中二日の疲労で後半は東京優勢の試合に

後半から森重がアンカーに。この森重がすごかった。縦斜めへのショートパスとミドルパス、守備での安定感によって東京に秩序をもたらした。さらに58分に大久保と瀬古がターンオーバーで交代したためセレッソの機能性が低下。さらに過密日程の影響もあって終盤は東京が相手を押し込み、セットプレーから2点決まって逆転勝利しました。



4.ゴール期待値では2.53対0.50で東京の完勝、セレッソは上振れた試合を活かせず

前半は膠着して後半はFC東京が優勢を取ったことがよくわかるデータになっている。基本的にシーズン全体で見ればゴール期待値の誤差は大きくても±0.5です。+1.5とれたセレッソは出来過ぎだったと言える。それでも大久保のゴールと原川のゴールはいずれも質が高い素晴らしいゴールでした。特に大久保の動き出しは秀逸。


ゴール期待値


2.FC東京


1.アンカー森重で展開力と守備力の問題が解決

ACL、ナビスコで使った布陣だけど森重すごいですね。正直ここ10年の東京のアンカーの中でも一番の活躍だった。視野が広いし、技術があるし、体格があるし、守備もできるから無敵と言っても過言ではなかった。



2.レアンドロは情緒が安定、この試合では2点を生み出し化け物じみた活躍

去年は肘打ち等で荒れてた印象もあるレアンドロだったけど、今年は安定している。試合中に苛立つこともないし、守備にも力を貸す。去年は常軌を超えた過密日程だったので情状酌量の余地はある。1シーズンこの活躍をしてくれたら優勝も見えてきます。



3.失点も相手が上振れた、守備陣は対人規律共に良く今季も安定

2失点したとはいえ、東京の守備陣は今年も堅実。失点は両方相手が秀逸だった。しかし東アルトゥールシウバ安部の3人であまりフィルターがかからず、展開力もイマイチだったのは気がかり、人を変えるか、配置を変えるかで改善したいところ。



3.セレッソ大阪



1.西尾大久保原川の新戦力が素晴らしい、坂元は無双状態

西尾の活躍で守備陣はどうにか目処がたち、大久保の無双で攻撃陣はお釣りが取れている。原川も展開力と技術の高さで貢献。補強は素晴らしいです。坂元は去年も活躍してたけど、今年もちょっと手が付けられない状態になっている。1対1ならクロスは上がるし、精度も高いし、守備力も高い、隙がないです。



2.戦術的には至って普通、ロティーナ時代の面影はなし

戦術的には普通のチームになった。別に攻撃的という訳でもない。そもそもクルピが攻撃的という印象は2013年セレッソを見る限り僕はないです。一方ロティーナ時代の試合をできるだけ静的にする。ポジショニングにこだわる、そのようなコンセプトはなくなったように感じます。



3.ヨニッチ、片山、デサパト、木本、柿谷、メンデスが抜け選手層は薄い、過密日程による苦戦は必至

正直この試合も、大久保瀬古が抜けてからのパワーダウンっぷりはすごかった。選手層が薄いという印象を与えた。さらにACLによる過密日程って尋常じゃないんですよ。去年の東京を見て感じたけど、日程の時点で既に勝敗の決まっているような試合が生まれてくる。今回の川崎東京の中二日連戦もしんどいけど、それ以上の試合が生まれるはずです。

しかも怪我人も増えます。1シーズン破綻しないで戦うことが目標のように思える。今日の大久保と瀬古の交代も、そりゃこれがなければ勝ち点はもらえたかもしれない。それでも1年間の戦いを考えたらすごく真っ当な判断かなと。



4.感想


東京は心身が充実している選手が多い。選手層も厚く森重レアンドロといった凄まじいプレイヤーもいるから今シーズンは相当強いと思う。セレッソはACLによる常軌を超えた過密日程が待っている。正直選手層は薄いから今シーズンは忍耐のシーズンになりそうです。