このブログを書いている時点ではJ2第5節が終わっていますが、密かに注目していた選手が第4節でデビューしたので、その試合のレビューを書いてみようと思います。


その選手とは、ずばりアルビレックス新潟のFWペドロ・マンジー。

何しろ加入発表の時から色々と衝撃的で、公式サイトの記載によると、

https://www.albirex.co.jp/news/58649/

>チェンナイ シティFC/インド→(2019-2020シーズン、リーグ戦23試合出場26ゴール)>■特徴

>110試合出場106得点の得点力を誇るゴールゲッター。ゴール前の決定力の高さだけでなく、常にハードワークしチームプレーに徹することができる。

攻撃スタッツ - ペドロ マンジー

こんなん期待するなというほうが無理でしょ!

てゆーか、110試合106得点って某サッカーゲームのビカム〇レジェンドかな?(笑)


この試合のスタメンが発表されるとTwitter上でも「マジマンジー」と呟かれるなど、試合前から盛り上げてくれるじゃないか、この野郎!という感じでした。


そんなハードル爆上げ状態のペドロ・マンジーのキックオフで試合開始。

さぁどんなプレーを見せてくれるのか?…と思っていた矢先の前半3分30秒、右斜め後方からの縦パスを右足ワンタッチで浮かせて、間合いを詰めに来ていた松本のディフェンダーをトラップ一発で躱してみせました!

いやー、ファーストタッチゴールとかで会場を沸かせた選手は沢山いますが、ファーストトラップで会場を沸かせた選手ってなかなかいないんじゃないですか?

その後も左サイドバックの裏のスペースで長いスローインを受けたり、右サイドバックの裏のスペースでロングフィードを受けて味方に繋いでリターンを受けて初シュート(これはキーパー正面で防がれる)を放つなど、広範囲で堅実なプレーを披露。

この試合では後半12分に交代となりましたが、「これ、当たりじゃね?」というのが私の直感でした。


そして色々考えて見ると、このペドロ・マンジーこそが、新潟の上位進出争いのキーマンになるのではないか?と思ったのです。タイトル回収!


とはいえ、触れ込みにあったような得点ペースで、J2で40得点してくれるか?というとそれは無いではなぜ推しなのかというと、彼の確かな技術と前線での堅実なプレーぶりが新潟の今の課題を解決するのでは?と感じたからです。


まずは、7/16現在の新潟の成績を見てみましょう。

試合:5試合

順位:6位

勝点:8

得点:13 👈?!

失点:11 👈?!


はい、見事なまでに「得点するけど失点する」というチームになっています。下の図はおそらく第3節までのデータですが、得点パターンも失点パターンも豊富。というか豊富すぎる。なお、7/15の町田戦でも3得点3失点した模様(笑)

得点パターン失点パターン

失点シーンは色々と課題があり過ぎて、すぐに全てを解決するのは無理無理カタツムリって感じがしますが、それを上回るくらいの得点力があるのも確か。ボクサーでいったら、ガードの甘いハードパンチャーって感じですかね。


そんな新潟が勝つ確率を高めるにはどうしたらいいか?オープンな打ち合いでねじ伏せていくのも見る側にとっては魅力ですが、サッカーというスポーツの性質上、先に失点すると勝率はかなり落ちるので、やはりディフェンスの甘さは課題になります。そこで、まぁ守備もおいおい改善していく前提で、一番即効性のある策は何かということになります。


実はそれは、「両チームの攻撃の回数を減らすこと」ではないかと思うのです。攻撃力のあるチーム(つまり新潟)が相手だと考えた時に、パンチを振り回してくるなら隙を突いてカウンターを狙えばいいのですが、大振りせずにじっくり圧力をかけて攻められると、結構困ります。特に0-0のまま後半に入って時間が経過していくと、相手のほうが攻撃力があることを認識しているだけに、「残り時間で点を取るより、点を取られる可能性のほうが高い」と感じて焦ってしまうのではないでしょうか?


さて新潟には、渡邊新太本間至恩という、突破力のあるアタッカーがいます。攻撃スタッツ - 渡邉 新太攻撃スタッツ - 本間 至恩

50:50のイーブンの状態でも仕掛けて突破できてしまいそうな、そしてその積極性も兼ね備えた、見ていて楽しいプレーをする選手たちです。

しかし、幸か不幸か彼らのそのスタイルが、良いほうにも悪いほうにも出ている気がするのです。個と個の勝負を挑めば挑むほど、攻め切るかボールを失うかになるので、結果的に両チームの攻撃回数は増えます。今はそうやって相手に与えた攻撃機会から失点が増えてしまっている状況ではないかと思うのです。あ、単にカウンターくらってるという話ではないですよ、セットプレーからの失点も多いので…。


そこでマンジー、そこにマンジー。

あらためて、こちらのデータをご覧ください。

攻撃スタッツ - ペドロ マンジー

ヒートマップ - ペドロ マンジー

期待値に合わせて、画像も大きくしました(笑)


マンジーは、同じく新加入のファビオほど、高さやパワーといった分かりやすいストロングポイントはありませんが、前線で堅実なプレーができます。(いや、これも凄いストロングポイントなんですけど)


これだけ高い位置でボールに触っていながら、パス13本のパス成功12本。実にパス成功率90%超えです。これ、なかなか無いですよ奥さん。うまくボールを引き出して、しっかり捌いて味方に繋ぎ、より良い位置にポジションを取り直す。これを繰り返すことができる選手じゃないと。


勘の良い方はそろそろお気づきですね?そうです、マンジーを積極的に使って敵陣でしっかりボールを回すことで、良い意味で試合を停滞させて両チームの攻撃回数を減らす、そして個の仕掛けを「ここぞ」の場面で使うことでより効果的に攻める。これが、ひとまず失点を減らしつつ得点をなるべく減らさない処方箋ではないか?と思い、彼をキーマンに推したのです。


敵陣で持つ時間が長いほど、ファビオもゴール前に陣取れます。また、渡邊と本間というハードパンチ(ドリブル)も、ブンブン振り回すのではなく、ジャブ(ショートパス)を打ちながらここぞの状況で繰り出したほうが効果的ではないでしょうか。名付けて、マンジージャブ作戦。


まぁ実際の試合でどうなるかなんて分からないので妄想の域を出ませんし、そうなったらいいなという感じです。でも(今のところ)新潟の試合はゴールが沢山決まって面白いので、おススメですよ!


ではでは。