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どうもさかりーにょです。

横浜F・マリノスと鹿島アントラーズが熾烈な優勝争いをしている脇で俄かに注目を浴びているのが4-4-2の使い手と知られる「日本版マルセリ―ニョ」こと長谷部監督率いるアビスパ福岡だ。

特に注視されているのが22試合を終えた時点で失点数僅か18点というリーグNO1の堅守。その裏には綿密にデザインされたプレッシングの存在があり、一糸乱れぬ連動した美しいプレスは一見の価値がある。

今回は、そんなJ1で最も優れている守備組織を支えているアビスパ福岡の「プレッシング」をミクロ分析していく。

スタメン

スタッツ

アビスパ福岡プレッシング原則分析

『同サイド圧縮』

文字通り逆サイドを捨てて全員が連動して相手をワンサイドに圧縮し、ボールを奪う。これがアビスパ福岡のプレッシングの原則である。

実際にC大阪のボールロスト図からもアビスパ福岡が意図的にボールをサイドに誘導し、ハントしていることが伺える。

守備時には4-4-2で各選手の距離を5~10mに設定し、2トップのプレスの方向を見て後方の選手が連動する。

ボールのハントエリアの狙いどころは「高い位置のサイドエリア」であり、ハントのメインターゲットは相手SBやSHである。


前線のプレッシングに対して出しどころがなく相手CBが苦しまぎれに蹴りこんでくるロングボールへの要員として前に強いDグローリー選手と奈良竜樹選手を配置している点もプレッシングによって起きうる現象を先読みした選手選考であると言える。


アビスパ福岡プレッシングのトリガー分析

アビスパ福岡のプレッシングのトリガーを任されているのが2トップの渡大生と山岸祐也である。

彼らは頻繁に首を振って後方の味方選手の準備状況を確認し、整ったと判断すると猛烈な勢いでボールホルダーに向かってワンサイドを切りながらプレッシングをかけていく。

そのスプリントを合図にして後方の選手たちが一糸乱れぬ連動を果たし、デザインされた通りに同サイドでボールを刈り取ることに幾度となく成功していた。

GKビルドアップに対するプレッシング分析

C大阪のGKビルドアップはGKと両CB、そしてCHの1人がひし形を形成するようにデザインされている。

この4対2という数的不利なC大阪のビルドアップに対してアビスパ福岡の同サイド圧縮を発動させるためにはCHへの楔のパスを遮断する必要がある。

そのために2トップはまずは中央のパスコースを切り、ボールをサイドへと誘導させるためのポジションを取る。そして、GKがサイドへのパスか前方へのロングフィードというアビスパ福岡のハンティングゾーンへボールを運ばせるのである。

余談であるが、よく練習で目にする4対2の鳥かごの練習がそのまま試合で再現されているシーンであった。


アビスパ福岡プレッシングの課題分析

一方でこの試合C大阪を相手に2失点を喫したアビスパ福岡のプレッシングにおける課題はどこにあるのか。さかりーにょは以下の3点が大きな課題であると分析。

課題①:同サイド圧縮を破られてからのサイドチェンジ

アビスパ4-4-2の弱点は同サイド圧縮を発動された際に破られてからの大きなサイドチェンジである。同サイドに選手が集結しているために広大なスペースを自由に使われてしまうというリスクとお表裏一体であるからである。実際に破られているシーンで見受けられた「スライドの遅れ」や相手GKキム・ジンヒョン選手の身体の方向と逆に放たれるサイドチェンジのフィードといった「個のスキル」は大きなピンチを招いていた。

課題②:CBのスライド遅れ&プレス強度弱による守備組織崩壊

アビスパ福岡は相手FWに対して打ち込まれる「低い弾道の楔のパス」に対する強度が非常に弱い。

Dグローリー選手と奈良竜樹選手は空中戦には無類の強さを誇る半面、アジリティや地上戦の1対1に対して弱さを露呈するシーンが目立つ。この現象の原因は両CBのスピード不足による背後への恐怖心であると分析。両CBともにスピード勝負に弱いために、相手FWと入れ替わって背後を取られることを必要以上に恐れ、簡単に前を向かれて仕掛けられたり、攻撃の起点を作らせてしまうシーンが散見された。


課題➂:プレッシング戦術が90分間持たない

激しいインテンシティと夏の気候が重なりアビスパの選手の多くが70分過ぎからガス欠気味であり、プレッシングの距離とタイミングが大きく乱れた。

前線にスピードと機動力がある選手も多いので90分の中でペースを落とし、あえて低いライン設定でブロックを作って相手を引き込み、広大なスペースを思う存分使ったロングカウンター戦術を取り入れることを提案したい。

さかりーにょeyes

綺麗に整備された4-4-2から繰り出されるアビスパ福岡のプレッシングは見ていてため息が出るほど美しい(実際にさかりーにょはスタジアムでため息を漏らした)。

また、プレッシングの精度も非常に高く狙い通りの場所とタイミングで意図的にボールを奪うシーンも数多くあった。一方で問題を引き起こしている両CBと対角線のサイドチェンジに対する改善は緊急な解決課題であると分析。

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