戸田さん解説を聞いて勉強しようの回。

今回のカードは9試合で6失点の柏vs9試合で5失点の鳥栖と堅守を誇るチーム同士の対戦となった。


前節までの対戦成績


試合を観ていない方はハイライトをご覧下さい。



結果は4-1で鳥栖の勝利。

大雨でコンディションの悪い状況下、セットプレーで効率よく得点を挙げた鳥栖が勝利を掴んだ


基本スタッツゴール期待値


目次

①ロングボールの目標

②ハーフレーンへのランニング

③終わりに


①ロングボールの目標

両チームとも3-4-2-1を採用しミラーゲームとなった一戦であった。

ビルドアップ面でも両チームともに右肩上がりで4バック気味にするという共通点はあったものの攻撃の質で大きな差がついた。


フォーメーション図フォーメーション図


前述の通り大雨でピッチコンディションが悪いということもあってロングボールが飛び交ったのだが、戸田さんも言及していたようにロングボールをどこに狙って蹴るかという大きな分岐点になった。

細谷を目掛けてロングボールを放り込む柏に対し、鳥栖は相手の背後に落とすボールを積極的に蹴り込む

そのせいもあってか、ボールロスト位置は鳥栖の方がより敵陣深くになっていた。


ボールロスト位置ボールロスト位置


決してロングボールで人を狙うことが悪いわけではない

ただし、それが有効な攻撃の手段となり得るには

①前線の選手の空中戦お強さ・キープ力

②中盤のこぼれ球回収意識・スプリント

の両方を満たすことが必須である。

柏は①に関しては細谷が満たしてたものの、②に関して物足りなさが否めなかった

特に中盤のスプリント回数は鳥栖に対して大きく水をあけられてしまったのが、有効な攻撃にならなった要因である。


(↑https://www.jleague.jp/match/j1/2022/042903/trackingdata/#trackingdataより引用)


②ハーフレーンへのランニング

鳥栖の攻撃のもう一つの鍵となっていたのは、本田のハーフレーンへのランニングであった。

もともと鳥栖のPA内進入において左ハーフレーンを取るのは大きな武器になっている。


PA内への進入傾向フォーメーション図


アウトサイドでボールを持つよりもハーフレーンでボールを持った方が、相手DFはボールとマークを同一視しにくい

言わずもがなの戦略ではあるが、このハーフレーン攻略方法をしっかり構築するのが肝である。


鳥栖の場合はポジション的に本田がハーフレーンを取りやすいのは間違いない

その上で、WBとどう棲み分けるか。

この試合に限って言えば、岩崎がアウトサイドの高い位置を取れているものの本田はハーフレーンの低い位置を取っていることが多い。

いかに本田のビルドアップでの負担を減らし、攻撃時に高い位置を取らせるかを設計するというのも求められることだろう。


ヒートマップ - 本田 風智ヒートマップ - 岩崎 悠人


③終わりに

ビルドアップを志向するチームでも、天候などが原因でロングボールを中心に戦わざるを得ない試合というのは必ずある

人を狙うのか、はたまたスペースに落とすのかというのは細かい違いだが、チームの特徴に合わせて使いこなす必要性を感じさせられた一戦だった。