広島vs神戸

広島3-4-2-1

フォーメーション図

神戸4-4-2(中盤ダイヤモンド型)

フォーメーション図

前半

広島が前半開始直後からハイラインでハイプレスをかけ、WBの選手も後ろから圧力をかけ、ショートカウンターを狙っていた。

それに対して神戸はサンペール選手を中心にプレス回避を行い、そこからライン間にポジションをとるイニエスタ選手にボールを渡し攻撃を仕掛ける。

それを防ごうと広島が中央を閉め、サンペール選手へのパスコースを遮断すると両SBから広島のWBの裏を狙ってチャンスを狙う。

その広島のWBの裏に対しては右サイドは佐々木選手、左サイドは小田選手が流れる。

広島はボールを回収後早めにボールを縦につけカウンターを狙い、そこから人数をかけ攻撃を仕掛けることでセカンドボールを回収し、2次、3次攻撃に繋げ得点を狙う。

両チームチャンスが無いまま時間が過ぎていくが

広島は時間が経つにプレスをかけるタイミングに工夫が見られ、CBかボールを持っている時ではなくそこからSBにパスが出たタイミングでWBがプレスをかける事をプレスのスイッチとした。

それにより神戸のビルドアップは少し苦しくなり、ロングボールを蹴らされるシーンも出てくるがサンペール選手とSBの2人のプレス耐性の高さからプレスを上手く剥がし、攻撃を仕掛けた。

前半28分にそのサンペール選手と酒井選手で神戸の右サイドに広島の選手を集中させ、サイドチェンジ。

そこから小林選手が縦にロングボールを出し、その競り合いのこぼれ球を小田選手が回収。

その小田選手がカットインからボックス近くまでボールを運び、相手を引き付けた所で右サイドのポケットにいる山口選手へパス、山口選手はダイレクトで折り返し、そこに入ったイニエスタ選手がゴールに流し込み神戸の先制点となった。

攻撃スタッツ - アンドレス イニエスタ

この得点後も広島はプレスのタイミングを変えながら高い位置でボールを回収しようとするが得点時と同様に1度相手を引き付け、フリーの選手を作り、そこからロングボールで広島のハイラインの裏を狙い、攻撃を仕掛けるシーンが増える。

対する広島もボール回収後素早く前線の選手にパスを出すが神戸のCBのコンビがそれを上手くはじき返す。

特に今節初出場となった菊池選手が対人の強さを見せ広島にチャンスを作らせない。

守備スタッツ - 菊池 流帆

上記のデータが示しているようにクリアの数字がチームトップの11を記録している事からも神戸の守備の中心であったことが分かる。

広島はそれに対してボールを回収後、直ぐに前線にパスをするのではなく1度WBにボールを渡し、そこで時間を生み出してから攻撃を仕掛けることでチャンスを作るが得点が生まれず、前半終了となった。

後半

両チーム交代がないまま後半が開始。

前半同様にハイライン、ハイプレスをかけてくる広島に対してそれをボール保持から裏返す神戸という構図が後半開始は見られる。

前半同様に広島のハイプレスに対して神戸はSBとサンペール選手を中心にプレス回避をしハイラインの裏へボールを供給する。

前半と同様と展開が続く中で後半10分に神戸の右コーナーキックからニアで菊池選手が逸らしたボールに対して小田選手がフリーで合わせるが林選手にセーブされてしまう。

そこから流れが一気に広島に傾き、前線の3人流動的に動き、サイドに起点を作ってから再三チャンスを生み出す。

しかし広島に得点は生まれ無いまま、時間が過ぎ神戸も少しずつ攻撃をする時間が生まれオープンな展開になっていく。

その中での後半21分に両チーム選手交代を行い、

広島は浅野選手と柏選手に変えて柴崎選手と満田選手

神戸はリンコン選手に変えて藤本選手を投入した。

交代後も交代直前と同様にオープンな展開が続くが特に広島の交代が機能し、サイドを中心に崩しそこからクロスを入れるが中で合わせる場面が見られず同点弾は生まれない。

対する神戸もボール保持からチャンスを作ろうとするが、前線でボールを収めていたリンコン選手が交代したことによりボールが収まらず、効果的な攻撃が見られなくなる。

神戸は何とか攻撃の時間を作るべく後半29分に

佐々木選手と小田選手を変えて汰木選手と扇原選手を投入した。

しかしこの交代後も前線での起点が無いという課題が解消される事はなく、広島ペースでゲームが進む。

相手を押し込み続ける広島は後半37分に神戸陣の右サイドでフリーキックを獲得。

このフリーキックを佐々木選手が合わせ、攻撃を仕掛け続けていた広島がついに同点とした。

攻撃スタッツ - 佐々木 翔

この得点後も広島は神戸を押し込み続け、何度も惜しい場面を作り続ける。

広島はボールを失った後もチーム全体として素早いプレスを見せることで神戸に全くチャンスを作らせない。

広島が攻勢を仕掛け続ける後半46分に両チーム選手交代があり

広島は藤井選手、野津田選手に変えて川村選手と青山選手

神戸は初瀬選手、イニエスタ選手に変えて槙野選手と山川選手を投入した。

この交代により神戸は5-3-2にシステムを変更する。

広島は最後まで逆転を狙い、攻撃をしかけ続けたが、同点のまま試合終了となった。

まとめ

広島は終始コンセプトを徹底しハイライン、ハイプレスを続けた事がそれが後半押し込める展開を作るのに繋がった。

終盤の押し込み方を見ると広島としては逆転も狙うことができただけに悔しい結果になったが、試合中一貫して見られたコンセプトは今後期待出来ると感じさせるもので今後が楽しみなチームであると感じた。

対する神戸は良い点と悪い点両面が見られた試合となった。

良い点としては得意のポゼッションサッカーで試合を優位に運び、得点を奪った。

特に2トップの小田選手とリンコン選手がポテンシャルの高さを発揮し、小田選手は持ち前のスピードでチャンスを生み出し、リンコン選手は体の強さとテクニックでボールをキープし時間を生み出していた。

特に小田選手のスピードは昨年までチームの攻撃の中心を担っていた古橋選手を彷彿させるものがあった。

彼ら2人の今節の活躍はけが人が増えている神戸にとってポジティブな要因となるだろう。

それに対して悪い点は神戸は後半10分のビックチャンスを逃してからそれまで手にしていた主導権を広島に渡してしまい流れが広島に傾き、そこから流れを引き戻すことができず、防戦一方となってしまった。

本来であれば選手交代などで対策をするべきであるがその交代も機能せず、意図の見えない交代が続いた。

この課題は開幕当初から見られる課題で今節でも解消されることはなかった。

今後の神戸は上記したリンコン選手、小田選手に加えて交代策に注目をして見ていきたい。