※このブログは「スポーツアナリティクスアドベントカレンダー2020」
https://adventar.org/calendars/4955
の22日目の記事です
こんにちは!
SPORTERIAスタッフの加藤です😊
J1、J2、J3のリーグ戦全日程が終了しました!
このコロナ禍で全ての日程を終えることができたことは、本当に素晴らしいことだと思います💓
選手のみなさま、関係者のみなさま、沢山の興奮と感動をありがとうございます!
さて、最近のJリーグの試合を観ていて、「ゴールキックから短いパスを繋いでいくチームが増えたな~」と感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
今回は、その変化をデータで検証してみたいと思います📊
下の図は、2017年~2020年の明治安田生命J1リーグ戦での
・ゴールキックの数
・ゴールキックをディフェンシブサード(*)へパスした数
・ディフェンシブサードへパスした割合
(*) ピッチを3エリアに分割した際の自陣ゴール側エリア
を表にしたものです。
一目で分かりますが、ディフェンシブサードへパスした割合は、 2017年~2018年の20%弱から、2020年にはその2倍以上の46.5% へと増えています。
これについては、全体的にスタイルが変化しているとともに、2019年8月からの競技規則の改正による影響が大きいと思われます。
・攻撃側(ゴールキックをする側)チームの選手が、ペナルティエリア内でボールを受けることが可能になった
・守備側の選手はインプレーになる(ゴールキックが蹴られる)まではペナルティエリアの中に入ることができない
といったことから、後方からのビルドアップが(以前よりも)やりやすくなったためです。
実際、2019年をルール改正の前後である「7月以前」と「8月以降」で見ると、10%弱の違いがあります。もっとも、2018年と2019年7月以前も同じくらいの差があるので、改正を見越して先行してトライしていたという面もあるのかもしれませんね💡
もちろん、後方からビルドアップすることが必ずしも正しいわけではありません。
以下は個人的なイメージであり、ピッチ上はもっと複雑だと思いますが、長いボールを蹴った場合と比較して、
◎ 短くつなぐ場合
・ある程度再現性のあるビルドアップができるので、主導権をもってプレーできる
(もちろん、相手のプレスが厳しくて結局ロングボールを蹴ってしまう場合も)
・自陣ゴール付近でボールを失い、そのままシュートや失点に繋がるリスクがある
◎ 長いボールを蹴る場合
・ボールが自陣ゴール前から離れるので、すぐにシュートに持ち込まれるリスクは少ない
・ほぼ間違いなく空中戦になり、競った後にどちらにボールが渡るか分からない
(たとえ競り勝ったとしても、味方に繋がるとは限らない)
といった違いがあると思います。
チームのスタイルや所属する選手の特徴、さらに相手チームの対応(プレッシャーの厳しさ)次第で、「どこまで繋ぐか」の濃淡が出てくるのだと思います🤔
それでは、チーム別に
・ディフェンシブサードへパスした割合
がどう変化してきたのかも見てみましょう。
以下の図は、各チームの年度別の割合を一覧にしたものです。
※比較のため、2017年~2020年を全てJ1で戦ったチームに限定しています
既に1枚目の図でご覧いただいたように、リーグ全体として増えてきているので、大半のチームは増加傾向にあります。
特に、2019年から2020年で大きく増加した仙台と清水の2チームは前年の5倍以上となっています。
これだけ急激に増えると、リスクが顕在化してしまうのもある程度仕方がないのではないかと感じます。自陣ゴール近くでボールを失ってシュートを打たれる、というシーンが例年よりも多かったのではないでしょうか。
一方で、G大阪や広島のように、2019年から2020年で大きく減少しているチームもあるというのが面白いところです。この2チームは2018年から2019年増加した後に減っているので、バランスを見極めたということも考えられます。
上記以外のチームでは、
・2018年に急増した札幌(と横浜FM)
・2019年に急増したC大阪
も目を引きます。
両チームともこのタイミングで新監督を迎えており、その影響が大きそうですね。
気になる来シーズン以降ですが、今シーズンまでの増加傾向がまだ続く気もしますし、(上の図に載っていないチームも含めて)「今シーズンは降格が無いのでリスクに目を瞑ってトライしていたが来年は…」というチームが多いと減少する可能性もあるかもしれません?
実際にどうなるかは、来シーズンの開幕をお楽しみに…✨
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(了)
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