おはようございます。8月の唯一のホームゲームである本日(8月13日)の山口戦のプレビューです。簡単ながらプレビュー向けのデータをヒントに語っていきたいと思います。


1、通算対戦成績


前節までの対戦成績



 通算成績上では、岡山が勝っているかが、快勝と言える快勝は、ほばなく、引き分けの多さを含めて、難しい試合となることが予想される。ただ、チーム状況は、直近の5試合の成績を見ても岡山の方が調子は良い。ただ、伝統的にそういったチームに負けてきた歴史もあり、その点は心配である。


 ただ、何を歴史を作る時は、こういった相性やデータを覆すことも多い。初昇格に向けて、上位3チームに少しずつではあるが、首位と10点以上あった勝ち点差も9点の差まで迫っている。こういった状況という事もあり、勝利という結果を残し、J1昇格に向けて前進できるという意味で、今まではとは違う岡山をみたい。


 また、先日加入が発表された岡山の34輪笠 祐士と、山口の15前 貴之に出場機会があるかも注目点と言える。


2、得失点パターン考察


得失点パターン

前節までの得失点パターン(岡山)


岡山の得点パターンの傾向

①セットプレーとクロスからの得点が多い。

②セットプレーでの失点は少ない。

③PKも多く有利な形でPA内に侵入できている。

④ショートパスの得点も意外と多い。

⑤クロスからの失点が、岡山失点比率で、ダントツで割合が高い。

⑥クロスとセットプレーが、勝負を分けるポイント。


得失点パターン

前節までの得失点パターン(山口)


山口の得失点パターンの傾向

①セットプレーの得点が多く、失点は少ない。

②クロスとショートパスで得点力もあり、中と外の攻撃が多彩。

③ロングパスを選択する攻撃は少ない?

④岡山と同様にセットプレーとクロスの攻防がポイント。


3、時間帯別得失点率


時間帯別得失点率

時間帯別得失点率(岡山)


岡山の時間帯別得失点率の傾向

①7チアゴと15デュークの共存している46ー60分の得点率が高い。

②岡山の猛攻により相手の疲労していて、セットプレーの機会も多くなりがちな前後半の終了間際の得点が多い。

③岡山の得点の少ない61-75分の失点が最も山口が失点の多い時間帯という事で、そこを考慮したゲームプランができるかどうか、試合を左右をするポイントとなるかもしれない。

④岡山の得点時間帯と、山口の失点時間帯を考えた時に前後半の終了間際で動きのある可能性は非常に高い。



時間帯別得失点率

時間帯別得失点率(山口)


山口の時間帯別得失点率の傾向

①尻上がりの得点率が上がることを考えても、オープンな展開になり易い後半に強い。

②序盤の巧く入れるかどうかは、山口の生命線。

③終盤に同点やリードして山口が進めれば、山口の得意の展開に持ち込める?

④ただ、岡山側のデータを観た時に、得点時間のばらつきが大きく、終盤に勝負の形に持ち込むのは、山口側としては骨が折れそう。


4、PA内への進入傾向


PA内への進入傾向

PAへの進入傾向(岡山)


岡山のPAへの進入傾向と予想

①恐らく長い右のは前節の7チアゴの15デュークのゴールのアシスト。

②真ん中のドリブルは、恐らくPK獲得のシーンで、ほぼフリーランの可能性もあるが、全く別のシーンの可能性もある。ここは、凄く気になる。

③左の短い距離のは恐らく24成瀬のパス交換で進入したがすぐ防がれたドリブルの可能性が高そう。

④左の長めのドリブルは、22佐野のドリブルなのか9ハンなのか悩ましい、もちろん他の選手の可能性も十分ある。

⑤ドリブルについては、色々と考えてしまったが、中より外や裏への攻撃が岡山は、得意と思われる。

⑥後方からのパスは高確率で23バイスからではないかと。

⑦右サイドは、16河野に任している分、回数より質。

⑧左サイドは、多くの選手が絡んで、多彩な崩しが見られる。

⑨右サイドのハーフレーンが少ないのは、そこでの侵入よりシンプルに16河野を使うケースと中を使うケースが多くなっていからではないかと。

⑩こうしても見ると手数より質や力を最大限活かす攻撃ができていると感じる。


PA内への進入傾向

PA内への進入傾向(山口)


山口のPA内への進入傾向と予想

①外を主体をしながらもパスを交えた中からの攻撃も可能。

②岡山と比べて手数も多く、主導権を握る攻撃からの多彩な崩しが得意。

③人数をかけた攻撃がしてくるのではあれば、その背後に隙がある可能性もある。

④左サイドは裏へのパス意識、右サイドは、アーリークロスや長めのパスを採用する傾向にある?

⑤もし、左サイドで深い所に侵入するのが得意なアタッカーがいるので、あれば、16河野の裏や5柳の横を狙っていく攻撃を山口がしてくるかもしれない。

⑥右の浅い所で作って左で仕留める。もしくは、左から右に決定的なパスをもう一度出す。中を使うことができれば使って行く。

⑦岡山が、右の攻撃を食い止めるのは難しそうで、左や中に展開されたところで、しっかり対応できるかが、ポイントになりそう。


5、被PA内への進入傾向


被PA内への進入傾向

被PA内への進入傾向(岡山)


岡山の被PA内への進入傾向と予測

①これははっきりと中央の絶対領域の進入を許してないのが岡山の強みですね。

②一方で、両サイドの裏やCB山脈を揺さぶった脇へのパスやクロスからのPA内への進入を許している。

③また、26本山の中盤の制圧力も高く、中央突破は許さないという対人守備の良さを物語っていますね。

④まさに私が遊び心で考えたファジ造語の本山丸とヤバス要塞の名称の意図通りの中央への強さを感じるデータとなっている。

⑤山口のパスを主体とした中央攻撃を岡山が抑えられるかはポイント。

⑥また、サイド攻撃も得意な山口の揺さぶりや背後のスペースを岡山がケアできるかで、勝負は決まると言えそう。



被PA内への進入傾向

被PA内への進入傾向(山口)


山口の被PA内への進入傾向と予測

①岡山と違って、中央の一番危険な所にあらゆる攻撃での侵入を許している。

②一方で、岡山と比べて回数は少なく、カウンター(ドリブルの信仰方向から)とクロス(失点パターンのクロスの到達地点的)に弱いことがはっきりと出ている。

③それでも被PA回数は、岡山と比べて少なく主導権握るポゼッションの得意な傾向にあるチームではないかと思う。

④後は、縦へのロングパスでの侵入を許している右サイドの裏は空きがちもしれない。

⑤短めのパスでの崩しが少ないので、選手同士の距離感も良く、組織的守備は得意なのではないかと感じる。

⑥逆に、組織を崩されると脆いのではないかとも感じる。

⑦更に時間帯得点を考えてもボールを支配して、自分達のサッカーができた時は、かなり強いチームなのでないかとも感じた。


6、総括


 ここまでのデータ分析を用いたプレビューは、如何でしたでしょうか?ここは違うのではないかとか、私は、こう感じたという意見も、お待ちしています。

 あくまで、私の私見であり、データも見る人によって、違った解釈もできる点もデータの面白い点です。そこを踏まえて、総括していきたいと思います。


 ずばり、「中と外の攻防」「先制点」がポイントなるでしょう。


 岡山側にとっては、中に強い選手が揃っているので、クロスやロングパス、セットプレーといった武器で、ゴールを割っていきたい。

 また、先制点も15デュークと7チアゴが2トップも組む100%の状態で、得点できるかどうかは、勝ち点3に直結する問題と言える。逆に同点で終盤戦に向かった時に38永井 龍が、決勝点をきめることができるかどうかなどもポイントとなってくる。


 山口側にとっては、中にボールを入れさせない守備と試合運び、そして、外を主体としつつ中を交えた攻撃で、先制点を決める事ができるか。

それでもここ数試合で、勝利出来ていない通り、1点を守り切るには、中が弱い(クロスに弱い)という事もあるので、先制点を早時間帯に決めて、得意な試合運びで、追加点を奪いにいくことで、勝機は高まる。


 この辺りの攻防が、どうなるかに、個人的に注目して欲しい。


 気になる点が、もう1つある。栃木戦までは、4-1-2-3(岡山も開幕時採用していたシステム)。仙台戦が、4-4-2。山形戦が、3-4-2-1と岡山戦を前にシステムを変更している点になる。これによって、データでは、大きな変化となるので、プレビュー向けのデータを鵜呑みしていいのかという疑問点がどうしても出てくる。特にサイドの裏を狙って行く攻撃をしてくのか。その点を、考慮して、4-1-2-3に戻す可能性もあるし、中央に弱いという点は、この3試合で、共通していると言えるので、そこを強化する3-4-2-1を採用していくのか。この辺り、データの有効性などを良く考える必要性は、少なくともあるだろう。


 そういった観点からも「中と外の攻防」と「先制点」の持つ意味は、重くなってくるだろう。


 以上の踏まえて、スポーツナビの予想スタメンのメンバーの中から、両チームの注目選手を挙げたい。


岡山側「16河野 諒祐」


 山口の苦手するサイド攻撃に対する守備、特にクロスに対する対応力の弱さを突くことができる岡山の誇る攻撃的SB。この試合では、特に効果的なクロスを、何本入れる事ができるか、セットプレーを含め、その右足から繰り出されるキックは、勝敗を左右する可能性は高い。


 また、上がったスペースの背後を突くというデータもあるので、そこの守備対応を連携していくことと、その回数を未然に防ぐ攻撃回数も重要となってくる。


 そういった意味で、16河野 諒祐の良い面が目立てば、岡山のゲームとなる可能性高い。


山口側「19沼田 駿也」


 今季は、チームトップスコアラーの6得点。そして、3アシストもチームトップタイである。4-1-2-3であれば、左WGとしてアタッカーとして、クローサーとして、ゴールとアシストを記録してきたが、シャドーであった場合は、どうなるのか。その辺りを含めて、ここまで攻撃の中心であった19沼田 駿也が目立てば、山口のゲームとなりそうだ。


 実際の試合で、どう絡んで来るのかは、攻守で、大きな意味合いを持ってくることとなるのは、間違いないだろう。


7、最後に


 注目のプライドオブ中四国の岡山vs山口の試合は、岡山のホームのシティライトスタジアムで、19:00キックオフ。暑さ対策をして、1人でも多くスタジアムに足を運んでいただけると、岡山サポーターの1人としては、嬉しい。

 また、岡山に住んでいる方であれば、TV放送もあるので、録画の方をお忘れなく。


 最後まで、読んで下さり有難うございました。


文章=杉野 雅昭(text=Masaaki Sugino)、図(データ)=SPORTERIA様


こちらの試合のレビューは2種類あります。

よろしくお願いいたします。


2022ファジにデータでフォーカス5「組織と個の総力戦」2022 J2第31節 岡山 3-2 山口 レビュー

は、こちら(同サイト)。

URL:https://sporteria.jp/blog/sugi8823/6964716356499410945


2022ファジアーノ岡山にフォーカス26 岡山 vs 山口「幕開けの雷光」

は、こちら(別サイト:note)。

URL:https://editor.note.com/notes/n8b5f6751f31f/edit/