基本スタッツゴール期待値

宮崎さんは前節長野戦。4試合得点なしで中断期間を迎えた両チームの対戦は、左サイドからの進入を狙う長野さんと右サイドのコンビで崩しを狙う宮崎さんがぶつかり合う緊迫の展開。

前半はスコアレスだったが、後半KOからGKに戻したフィードが外に出たボールをすぐにスローインを入れ、阿野選手からパスを受けた武颯選手が運びシュート、こぼれ球を阿野選手が押し込み開始20秒で先制。最高の入りをした事で宮崎さんが受けに回ってしまい、左サイドからの三田選手のクロスを合わせようとした浮田選手を辻岡選手が倒してしまいPK、近藤選手が決めて同点。その3分後に再び三田選手のクロスにファーサイドで浮田選手が合わせ勝ち越し。75分にもカウンターから三田選手が運びオーバーラップした杉井選手のクロスを近藤選手が中央に戻し再び浮田選手が押し込み追加点。宮崎さんも終盤松本雄真選手のクロスから決定機を作ったが得点を奪えず、中断明け初戦黒星となった。

前節までの対戦成績得失点パターン

パスソナー・パスネットワークエリア間パス図

今シーズンからJリーグスポンサーでもあるいちごさんが経営権を持ち、大熊裕司監督が率いる事となった宮崎さん。4-4ブロックのソリッドな守備と、GKを絡めたビルドアップを指向して臨んだが開幕から7戦勝ちなし。その後も連勝はなく現状9戦勝ちなしの6連敗中。

中断明けの長野さんは3バックに戻し、宮崎さんとしては1-4-4-2の守備とは相性の悪いチームだったが、中を締め長野さんの中央からの攻撃に対してはしっかり対応できていた。

攻撃スタッツ - 阿野 真拓攻撃スタッツ - 永長 鷹虎

攻撃スタッツ - 松本 雄真ヒートマップ - 松本 雄真

現状宮崎さんの攻撃の特に脅威となるのが右サイドからの攻撃だ。阿野選手のカットインと今治さんから加入した松本雄真選手とのコンビネーションは親和性が高い。そこに川崎さんから育成型で加入した永長鷹虎選手も控える。

ただ長野戦では、3失点ともトランジションから松本雄真選手のスペースを突かれて侵入されたもの。この辺りのリスク管理を岩手戦ではどうするか。

攻撃スタッツ - 辻岡 佑真攻撃スタッツ - 坂井 駿也

長野戦でPKを与え警告を受けた事により出場停止となる辻岡選手。CBもできる左利きで、配球面でも頼りになる素晴らしい選手だけにとても痛い所だろう。

長野戦終盤、大武選手のパワープレーを捨てて坂井選手を投入し左SBに起用したが、これが岩手戦を想定したリハだったとしたら大熊監督はしたたかである。

岩手は1-5-3-2の守備を継続するのであれば、宮崎さんのSBに対してIHが出ていく形となる。沼津戦での最初の交代は62分、両IHを変えたという所がこのポジションの運動量とタスクの大変さを物語っている。

フォーメーション図攻撃スタッツ - 新里 涼

この試合は降格圏のチーム同士の緊張感のある戦いになる事は間違いない。

ただ個人的には、岩手が星川監督のショーケースとした事でエクスキューズができ、宮崎さん側によりプレッシャーがかかると思っている。星川監督はシーズン途中で残留の為に就任するのにうってつけのタイプとは思えないが、攻撃的な星川監督のプレーモデルがプレッシャーの中でどれだけ表現できるかがこの試合の注目となる。逆に宮崎さんにとっては18位との勝ち点差が6となり、ホームでの勝利が必須であり、そのミッションが達成されなければなんらかの変化が必要となるのかもしれない。