筆者は名古屋グランパスのファンではあるが、この試合のレビューをするわけではない。先日「名古屋グランパスの数値データ」というお題でレビューしたところ、「お互いに攻撃の機会は増えているけど攻めあぐねていて、"攻めあぐね度"をペナルティエリア進入で見立てれば相対的に名古屋側に有利…な感じでしょうか?名古屋側の攻撃効率が上がれば、(ある意味一方的に)優位を享受できそうな感はありますね。そこに行きつくまでの試行錯誤中というところでしょうか💡」とコメントをいただきました。少しでも回答したいと考え、ちょっとだけデータをまとめました。データは全て名古屋グランパスの選手です。

下図はポジション別の平均奪取Pです。

CHの値が群を抜いて大きい。しかも2020シーズンと比較しても2021シーズンは値が大きくなっている。LSB、RSBの値の大きさとあわせて、ペナルティエリアに進入させない守備を構築している要因になっている。

次はポジション別の平均守備Pです。

守備PはCBが群を抜いて大きな値になっている。しかし2020シーズンよりも2021シーズンの方が値は小さくなっている。前述したCHの奪取Pの増加が影響しているのではないかと思う。CHがボールを奪取することでCHの負担を軽減していると思う。

次は攻撃に関するCBPです。相手チームの"攻めあぐね度"を出すためには、データ取得が大変なので、名古屋グランパスのみを集計しました。

下図は攻撃CBPです。

LSB、RSHを除くと軒並み値が下がっています。攻めあぐねているということでしょう。

次は下位項目を見て行きます。まずはパスCBPです。

RSH以外軒並み値が下がっています。2020シーズンではパスCBPの中心であったCHが大きく下がっています。

次はパスレシーブCBPです。

LSBのみ僅かに上昇していますが、他のポジションは軒並み下がっています。特にLSHが下がっています。CHも大きく下がっており、パスを受けられないことでパスCBPも下がっているのでしょう。

次はドリブルCBPです。

2020シーズンはドリブルCBPの中心であったLSHが大きく下がっています。逆にOHは上昇しています。値の大きさから、ドリブルはサイド攻撃重視なことは変わりませんが、OHのドリブルCBPの上昇により、中央からのドリブル攻撃も増えているのでしょう。またLSBの値が上昇しており、LSHを追い越してのドリブル攻撃も垣間見えます。

次はクロスCBPです。

LSHの値が大きく落ち込んでいることが分かります。逆にLSBの値が大きくなっています。しかしLSBの増加分をもってしても、LSHの減少分を補うことはできません。右サイドのRSB、RSHはともに値が大きくなっています。CFの値も大きくなっており、CFがサイドに流れることが増えているのかもしれません。

最後はシュートCBPです。

CF、LSH、RSHが中心であることには変わりありませんが、バランスは崩れてきているようです。CFにシュヴィルツォク選手を補強したため、良い方向に進むかもしれません。


以上、2020シーズンと比較すると名古屋グランパスは攻めあぐねているようです。特に顕著なのはLSHに見えます。それが影響しているのか全体のバランスも悪くなっているように見えます。最近は左サイドで森下選手が活躍しだし、CFにシュヴィルツォク選手を補強したため、残り試合は今までとは違うチームになる可能性が高いです。CHでボールを奪いCBに負担をかけない守備は良いと思います。稲垣選手の疲労や出場停止は心配ですけど。相手チームは時間の都合上調べられませんでした。

あまり回答になっていないと思いますが、今回はこの辺で失礼します。

毎度のことながらFootball LABさんからデータを拝借しました。