SPORTERIAスタッフ様が下記ブログの中で興味深いデータを教示してくれました。

相手ボール時のスプリント回数 / 相手ボール時の相手のスプリント回数 | SPORTERIA

そして筆者が

便乗:スプリント回数の巻 | SPORTERIA

を投稿しました。

自分の仕事が忙しい中ではありますが(決算処理中)、SPORTERIAスタッフ様が教示してくれた数字の魔力には抗えないのでもう少し分析しました。下記の通りです。


下表の86項目を相関分析しました。




使えそうな項目として、相関係数が高い下記の3項目(を奪取P、被保持時自チームスプリント数、ショートカウンター)を抽出しました。

このことから被保持時に自チームのスプリント数が増えると、奪取Pが上がり、ショートカウンターの指数が上がるということが推測できます。

関係する項目のチームごとの平均は下表の通りです。

赤色のセルは偏差値55以上のセルです。偏差値60以上で分けるよりも特徴が浮かび上がっていると感じています。

赤線で囲った箇所はショートカウンター偏差値55以上のチームです。

前述した奪取Pは多くのチームが偏差値55以上になっています。また被保持時チームスプリント数も同様です。自チーム(被保持時/保持時)とは、被保持時自チームスプリント数を保持時自チームスプリント数で割った値です。保持時と比較して被保持時のスプリント数の相対的な大きさが分かります。

ショートカウンター偏差値が高い(55以上)のチームに対するコメントは下記の通りです。

①広島・・・・被保持時チームスプリント数、奪取P、自チーム(被保持時/保持時)の全てが高く、相手ボールの時にスプリントでプレスをかけ、ボールを奪い、そのままショートカウンターに移行する構図が見えます。敵陣ポゼッションの偏差値も高いことから、ショートカウンターに移行できない場合、敵陣ポゼッションに切り替えるのではないかと推測できます。

②鹿島・・・・被保持時チームスプリント数、奪取Pが高く、相手ボールの時にスプリントでプレスをかけ、ボールを奪い、そのままショートカウンターに移行する構図が見えます。ロングカウンターの偏差値も高いことから、低い位置においてもプレスをかけていることが推測できます。

③鳥栖・・・・鹿島同様、被保持時チームスプリント数、奪取Pが高く、相手ボールの時にスプリントでプレスをかけ、ボールを奪い、そのままショートカウンターに移行する構図が見えます。敵陣ポゼッション、自陣ポゼッションの偏差値も高く、変幻自在な攻撃の様子を伺い知ることが出来ます。

④C大阪・・・・被保持時チームスプリント数、奪取P、自チーム(被保持時/保持時)の全てが高いわけではなく、スプリントを駆使したプレスでボールを奪取しているわけではないことがわかります。意図的ではないカウンター攻撃になっているのではないかと推測できます。

⑤京都・・・・被保持時チームスプリント数、自チーム(被保持時/保持時)は高いですが奪取Pは高くありません。プレスがはまっていないのではないかと推測できます。

⑥川崎F・・・・奪取P、自チーム(被保持時/保持時)が高く、相手ボールの時にスプリントでプレスをかけ、ボールを奪い、そのままショートカウンターに移行する構図が見えます。敵陣ポゼッションの偏差値も高いことから、ショートカウンターに移行できない場合、広島同様、敵陣ポゼッションに切り替えるのではないかと推測できます。


特徴的なその他のチーム

①福岡・・・・奪取P、被保持時チームスプリント数が高く、ロングカウンター偏差値が高いです。プレスをかける位置(かかる位置)が相対的に低い位置だと推測できます。

②神戸・・・・自チーム(被保持時/保持時)が高く、被保持時チームスプリント数と奪取Pは低いです。保持時と比較すると被保持時のスプリント数は多いが、他チームと比較すると多くはなく、プレスはかかっていないと推測できます。


簡単ですが、以上です。


いつものことながらFootball LABさんからデータを拝借し、加えてSPORTERIAスタッフ様のデータを借用しました。