こんなのを出していきます。
毎度のことながら、Football LABさんからデータを拝借しました。
対象は2023シーズンJ1リーグです。
514項目における各チームの平均値を算出し、相関分析を行いました。
手法は2023シーズン相関分析の巻(順位編) | SPORTERIAと同様ですので割愛します。
前回は失点を軸に見て行きましたので、今回はゴール期待値を軸に見て行きます。
ゴール期待値と|0.6|以上の相関関係にある項目は52項目ありました。
たくさんあるので、まずは正(プラス)の相関関係の項目です。
ゴール期待値を軸に見ていますので、ゴールやシュート、攻撃に関する項目が並んでいます。
この中で気になるのが、CB:avg([奪取P FP])です。相関係数は0.68です。
CB:avg([奪取P FP])とゴール期待値の関係を散布図にしました。
奪取Pの定義はFootball LABによると【奪取Pを偏差値化したものを「ボール奪取力」としました。】ということです。
よってCB:avg([奪取P FP])はCB(センターバック)のボール奪取力ということになります。ボールを奪いきる力が強い方がゴール期待値があがるということになります。うろ覚えで恐縮ですが、イングランドプレミアリーグのどこかのチームは、ボールを奪った後に素早く攻めるため、サイドでボールを奪うのではなく、中央(CB?)で奪う守備をする、ということを聞いたことがあります。今回の相関関係は、CBがボールを奪うことで効果的な攻撃(ゴール期待値向上)につながるという事実の一端を示している可能性があります。
次は負(マイナス)の相関関係です。
この中で気になったのがコンパクトネスです。コンパクトネスはFootball LABでは指数で表されています。数値が大きいとコンパクト、数値が低いとコンパクトではないということです。コンパクトネスの定義はFootball LABによると【相手が(相手の自陣で)ボールを保持しており、かつ守備ブロックに進入される前のプレー時における、守備側チームの最前列の選手からオフサイドラインまでの距離。ただし、後述するハイプレスに該当する守備時は対象外とします】ということです。
コンパクトネス(指数)とゴール期待値を散布図にしました。
見た通り負(マイナス)の相関関係です。
コンパクトであるほどゴール期待値が低く、コンパクトではないほどゴール期待値が高くなります。
札幌、広島、川崎F、横浜FM、神戸、攻撃力があるイメージですね。
名古屋は左上の方に位置しているものの近似直線よりも下に位置していますので、コンパクトネス(指数)の割にはゴール期待値は低いです。
湘南は右下の方に位置しているものの近似直線よりかなり高く位置していますので、コンパクトネス(指数)の割にはゴール期待値が高いです。
コンパクトネス(指数)とゴール期待値との関係から推測すると、コンパクトネス(指数)の裏には「ゴール期待値の低さ=攻撃力の無さ」が存在し、コンパクトネス(指数)の高さは一概には良い意味にならないと思われます。
簡単ですが以上で終わります。
コメント(4)
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SPORTERIAスタッフ
2024/1/6 15:03
いつもありがとうございます!
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SPORTERIAスタッフ
2024/1/6 15:07
>コンパクトであるほどゴール期待値が低く、コンパクトではないほどゴール期待値が高くなります。
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ぴくしー
2024/1/6 21:34
SPORTERIAスタッフさまコメントありがとうございます。
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ぴくしー
2024/1/6 21:37
広島や札幌のように相手のゴールの近くでハイプレスをかけて結果的にCBが相手陣内でボールを奪い切っているようなチーム
>この中で気になるのが、CB:avg([奪取P FP])です。相関係数は0.68です。
奪取Pは「より高い位置(相手ゴールに近い位置)でボール奪取するほど高い」という計算式になっているので、CBの奪取Pが高くなるのは、広島や札幌のように相手のゴールの近くでハイプレスをかけて結果的にCBが相手陣内でボールを奪い切っているようなチームなのかもしれませんね。
こちらはハイプレスに該当する守備時は対象外としているものの、結局そういうチームのほうが相手選手への寄せが近くなる傾向があるので、"コンパクトではない"というよりは"より広い範囲で相手にプレッシャーをかけている"と言えるのかもしれません。(直感的な意見ですみません)
"コンパクトではない"というよりは"より広い範囲で相手にプレッシャーをかけている"と言えるのかもしれません。
→そういう戦術に耐えうる選手を揃えている可能性もありますね。
→私がCBをやっていた現役のころ(大昔)とは全く違うサッカーになっています。相手が攻めてくるのを待っているだけでしたから。