長い中断期間のあとの再開初戦。
準備期間もたくさんあったので浦和がどんな対策をしてくるのか
試合前からマリノスサポーターの間ではTwitterなどでいろいろと議論されていました。
その対策が実際どんなものだったのか。
マリノス側の視点からポイントを絞って振り返ってみたいと思います。
まずはスタメンです。はい、ドン!
なんじゃこりゃ…。
スタメンが発表されたときの素直な感想です。笑
マルコス、エジガル、オナイウがベンチで
中断期間に加入した實藤、天野、小池が揃って先発。
試合前にこのメンバーと並びを予想できた人はいたのでしょうか。
いたら名乗り出て下さい。賞賛します。
※小池に関しては松原のケガにより急遽の出場だったことが
試合後に監督から明かされました。
対する浦和は
もしかしたら3バックの可能性も、と思いましたが
継続して採用している4-4-2で挑んできました。
大きく変えるのではなく取り組んでいる形の範囲内で対応しよう
という意図が読み取れます。
いよいよ本題の試合の内容ですが浦和のマリノス対策として
個人的に印象に残った2つのポイントを挙げてみました。
対策その① ハーフスペース封じ
マリノスが攻撃の際に狙っているポイントであるハーフスペースをどう抑えるか。
浦和の出した答えは「CHがカバーする」でした。
CHがカバーすることでCBがスライドする必要がなくなる
→中央の守備の枚数を確保し、ゴール前のスペースを埋めることで失点の確率を
減らすことが狙いだったと思われます。
しかし、一方で
CHが守備でカバーする範囲が広くなる(=走る距離が増える)
というデメリットもあります。
このデメリットに対して浦和は
CHに守備意識が高く、走れる選手を起用する
ことで解決しようとしていました。
実際どうだったのかというと、この対策はかなり上手くいっていたと思います。
パスを通してマリノスがチャンスを作る場面もありましたが
使いたいスペースを封じられ、結果的には上手く守られてしまった印象です。
CHの柴戸、青木はこのキツい役割を見事にこなしていました。
特に柴戸は試合を通じて広範囲に動き回り、危険なスペースを埋め続けていたことが
ヒートマップからも読み取れます。
タックルでのボール奪取も多く、マリノスにとっては本当に厄介でした。
私がこの日の浦和のMVPを決めれるならば迷わず柴戸を選びます。
対策その② サイドチェンジ
その①は守備面での対策でしたが、こちらは攻撃面の対策。
マリノスは守備の局面ではハイプレスを仕掛けて
ボール周辺に密集して相手を追い込んでいきます。
となると、空いてくるスペースは…
そうです、ボールとは逆のサイドです。
解説の戸田さんも試合中に言及していましたが
浦和は明確にこのスペースを狙っていました。
左右どちらにも蹴っていましたが、どちらかというと右→左の形が多かったと思います。
SHはあらかじめサイドに開いたポジションを取り
ボールを受けたら一気にゴールへと迫ります。
これだけでも脅威なのに、さらにSBのオーバーラップもプラスされる場面も。笑
失点こそしませんでしたが、この形から何度かチャンスを作られました。
この対策も有効だったと思います。
試合結果は0-0のドロー。
何度か決定機を作り、特に後半の終盤は押し込む展開に持ち込むことができていたのに
最後のところで相手を崩し切れなかった。というのが率直な感想です。
じゃあ、どうすればよかったのか?
今回の浦和の対策を踏まえて個人的にマリノスの課題を考えてみました。
課題① クロスのバリエーション
もはやマリノスのお家芸となっている「GKとDFラインの間への速いクロス」
ハーフスペースを封じてきた今回の浦和の対策からも分かる通り、バレてます。笑
きっと浦和だけじゃなくJ1の他チームはみんな分かってます。
バレてることは監督も選手も百も承知のはずですが
ゴールを決めるためには必要なプレーだ、という認識なのでしょう。
分かっていても止められないほどに質を高めることももちろん大事ですが
複数の選択肢を相手に突き付け、迷わせることも必要です。
・ゴール前に下がったDFラインと中盤のラインの間スペースに
マイナスのクロスを入れる
・浅い位置から逆サイドへクロスを送り、相手の視線を動かしてから中へ折り返す
などなど。
複数の形を持っておけば得点の確率は高まるはず。
この試合の中でも早いタイミングで入れてみたり、マイナス気味のコースに入れてみたり
試行錯誤している部分が見られましたが、得点には繋がらず。
質を高めてモノにしていくには少し時間がかかるかも知れません。
課題② 相手のサイドチェンジ対策
今回の浦和に限らず、開幕戦のガンバ、そして昨シーズンも多くのチームが
マリノス対策としてサイドチェンジを採用してきました。もはや定番化しつつあります。笑
マリノスとしては逆サイドが空くのは分かり切っていて
蹴られる前に奪う!蹴られてもチアゴがいる!なのでしょうが
過密日程のなか、チアゴを常に起用し続けることはできないでしょうし
実際、この形からピンチを迎えているので見過ごせない課題だと思います。
私が思い付くところとしては
・とにかく蹴らせない
→ボールを奪うことも大事だが、後ろに下げさせて陣形を整える時間も作る
・蹴られて自陣に戻りながら守備をするときに何を優先するか整理しておく
→(ゴールへのコースを塞ぐことは大前提として)
相手をどこに誘導するか、いかに守備の陣形を整える時間を稼ぐか
この2点です。
実際、これが本当に有効なのかどうかは分かりません。あくまで私のイメージです。笑
はい!
ということで細かい部分を挙げればもっともっといろんなことがあったと思いますが
ポイントを絞って振り返ってみました。
これから過密な日程が進むなかで、これまで出場機会がなかった選手も起用されるはず。
メンバーが入れ替わってもチーム全員が同じイメージ、熱量を持ってプレーできるか
がより重要になってくるのではないかと思います。
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます。
次こそリーグ戦、初勝利を。
コメント(3)
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yusaku_kizawa_football(鬼澤優作)
2020/7/8 16:49
とても、読みやすいですし、内容もよく理解できました。
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yusaku_kizawa_football(鬼澤優作)
2020/7/8 16:50
次の投稿も楽しみにしてます!
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典隆
2020/7/11 12:14
ボードの写真、分かり易くていいですね~!今年は「自分たちのサッカー」寄りのチームも「マリノス対策」寄りになって、シビアなせめぎ合いが続きそうですね!