先日、手痛い敗戦を喫した札幌に対して

内容、結果ともに上回り

実にマリノスらしいサッカーで

勝利を収めることができました

札幌、マリノスそれぞれの狙いについて

ポイントを絞って試合を振り返りたいと思います


【スタメン】

フォーメーション図

フォーメーション図


【札幌の狙い】

この試合での札幌の狙いをおおまかにまとめると

攻撃では

相手のプレスをはがしつつ

ロングボールからの飛び出しで

DFライン裏のスペースを取る

守備では

高い位置からマンツーマンでプレスをかけて

ボールを奪う

といったところになるでしょうか

前回対戦時とほぼ同じものだったと思います

この試合でも序盤からその狙いがよく表れていました

<前半2分50秒~のシーン>

福森→チャナティップへと繋がったこのシーン

ハイライン・ハイプレスを仕掛けるマリノスに対して

少ないタッチでボールを動かしながら

前進してDFラインの裏のスペースを突く

という狙いが表れたシーンだと思います

<前半16分30秒~のシーン>

深井→駒井へのロングボールで裏に抜け出し

決定機になりかけました

ボールホルダーに余裕があれば

シンプルにDFラインの裏へ

ボールを送り込んでいく

という狙いが表れたシーンでした

このような札幌の狙いに対して

マリノスは前回上手くいかなかった

ハイプレスに修正を加えることで

札幌の前進を阻むことを試みます

<前半5分20秒~のシーン>

前回はプレスを剥がされて前進される場面が

目につきましたがこの試合では

それぞれの役割を整理してチームで共有し

ボールホルダーに近い選手が

高い強度でプレッシャーを掛け

相手の選択肢を限定する

→周りの選手が

パスの出どころを予測しながら相手を捕まえる

ことで特に前半は狙い通りにボールを回収できた

場面が多かったと思います

このシーンの松原のように最終ラインと前線が

連動してプレスをかけることができていた点も

良かったと思います

また試合を通じてGKにも積極的にプレスを掛ける

場面が目立ったので

GKにアバウトなボールを

蹴らせたところを回収する

というのは強く意識していたと考えられます


【ルーカス フェルナンデス封じ】

前回苦しめられたルーカスに対しての対策も

上手くできていたと思います

対面する左SBの高野が意識していたのは

・攻撃の場面でも基本的には後方に残って

 スペースを与えないようにする

 (攻め上がるのはルーカスが下がったときor

 自身の後ろにカバーの選手がいるときのみ)

・1対1のときはまずは抜かれないこと優先する

といったところでしょうか

試合中にもGKのパクが常に

「縦切れ!縦切れ!」と声を掛けており

ルーカスにサイドを突破されないことを

強く意識していたことが伺えます


結果としてマリノスは

前回対戦より多くの決定機を生み出し

4得点を挙げることができました

好転した要因はビルドアップの改善WGの働き

にあると考えます

印象に残ったシーンを振り返っていきます

<前半5分45秒~のシーン>

このシーンだけでなくこの日は

パスを出した選手が

そのまま前方にランニングして

次のプレーに関わること

強く意識していたように思えました

ジュニが挙げた先制点の場面でも

高野がマルコスにパスを出してからランニングし

マルコス→扇原→高野→ジュニと繋ぎゴール前まで

ボールを運ぶことができていました

ボールを奪おうと

前に前に出てくる相手の逆を取ることで

効果的にプレスを剥がすことが

できていたと思います

図のシーンのようにDFラインが低い位置を保ち

相手を引き込むことで

相手の前線とDFラインの間を広げさせて

スペースを生み出そうという狙いが

あったことも読み取れます

また、中盤の選手を中心に

ポジションチェンジを多用して

連続して相手を動かし続けたことも

効果的だったと思います


【WGの働き】

スピードと突破力のあるWGを揃えて

左の前田が裏のスペースを積極的に狙い

右の松田がドリブルで果敢に仕掛けることで

相手のDFラインにプレッシャーをかけて

主導権を握り

多くのチャンスを作ることができていました

特にマリノス復帰後初先発だった

松田は試合を通じて対面する相手を

何度も突破し持てる力を存分に発揮してくれました

今後の活躍にますます期待したいと思います


【スローイン狙ってた?】

マリノスの2点目は

サイド高い位置でのスローインから

スローワーの松原から近場ではなく

一つ飛ばした奥のぺナ内に和田が

走り込みクロスを入れたところから生まれました

スカウティングによるものなのかは

分かりませんがこの他の場面でも

同じようなスローインを見せており

狙い通りの得点だったのかも知れません

近年、世界的にもスローインが

重要視されるようになってきているので

これが単発の札幌対策なのか

それとも今後スタンダードにしていくのか

注目したいと思います


【スタッツ】

基本スタッツ


【マリノスの課題】

上手くいった部分が多かったこの試合

課題を挙げるとすれば

相手に強力なFWがいるときの守備

になるでしょうか

札幌は後半から

アンデルソン ロペスと

ドウグラス オリヴェイラを投入して

攻撃の圧力を高めてきました

この2人に手を焼き

50分、55分と立て続けに決定機を作られ

59分にはバー直撃のシュート

あわや失点という場面を

何度も作られてしまいました

そして後半アディショナルタイムに

DFラインの隙を突かれ失点

後半、運動量が落ちてくる時間帯において

個で打開してくる選手にどう対抗するかは

考えていかなければいけないポイントである

と思います

対面する選手が前進を遅らせて

周りの選手が少しでも早く自陣に戻り

サポートすることを試合終了まで

続けることが求められます

マリノスのサッカーは

ある程度の守備のリスクは

許容している部分があると思いますが

だからといって放置せず

そのリスクを1%でも下げるための

努力と改善を続けていかなければいけない

と思うのでここの部分も

今後、注目していきたいと思います


最後まで読んで頂いた方、ありがとうございます

中2日であっという間に神戸戦です

ゼロックスの借りを返せるよう

GK飯倉から多くのゴールを奪いたいですね

連戦は続きますが新戦力の活躍もあり

確実にチームは上向いています

次も必ずや勝ち点3を