開幕前の前評判は何とも言えない評価だった我らがいわてグルージャ盛岡。しかしながら5/1の時点では暫定2位と躍進しています。

 そんな好調グルージャを分析初心者なりにまとめていきたいと思います。

(今回は簡易版のトリセツとなります。後日、4局面毎に少し深掘りしたモノを出す予定。)


 では結論から。(勝手に決めた)今期のグルージャのテーマとファクトはこれ!



テーマ&ファクト

【メインテーマ】

・「自分達の土俵に引きずり込め!」


【サブテーマ】

 ・「できることは120%で!」「ハードワーク!」

 ・「難しいことはしない」「シンプルにやり切る」

 ・「自分達のサッカーをする。相手に合わせない。」


【ファクト】

 ・「カウンタープレス」&「リトリート&プレス」

 ・「ロングフィード&ポストプレイ」

 ・「走力&強度」「プレーの連続性&継続性」

 ・「片サイド圧縮攻撃(ワンサイドアタック)」

 ・「セットプレイ」


こんなところでしょうか。

上記のメイン/サブテーマ・ファクトを意識して試合を見てもらえれば、おぼろげにこのチームが分かるかも?




フォーメーション&メンバー表(上段ほど序列上)

基本フォーメーション:3-4-3

※スタメンは固定が基本スタンス。
※WBは加々美が左右ともに序列2位
※コンディション不明の藤井・宮市は復帰すればスタメンの有力候補。ただし、未だにベンチ入りすらなし。
※天皇杯が今季初出場組は構想不明扱い(嫁坂・裕太・平川)
※交代は前線3枚+αが基本


【守備】

 ・「前線からのプレス(前プレ・カウンタープレス)がグルージャの生命線!」

  1:プレス時の基本陣形は3-4-3

  2:CF+シャドーの機動力で相手の余裕を奪え

  3:ボールハンターCH石井の潰し

  4:敵のロングボールをことごとく跳ね返すCB牟田と脇本

  5:チーム全体でハードワーク。


 ・「攻め込まれ自陣に撤退(リトリート)したら?」

  1:撤退後は5-2-3(5-2-2-1)か5-4-1でセット

  2:敵を潰すために前に出る意識強め

  

【攻撃】

 ・「攻撃のメインはCFに向けてのロングフィード」

  1. ディフェンシブサード(ゾーン1)からの攻撃は、シンプルなロングフィードが大半。
  2. ターゲットはCF。フィジカルを中心に質的優位を取れるCF(ヨンテorブレンネル)はグルージャの明確なストロングポイント。
  3. CFが落としたボールの回収役&その後の突破役はシャドー(西田/中野/モレラト/色摩)と右WBの有永が中心。全員が機動力と縦への推進力を兼ね備える。
  4. 基本的にサイドチェンジは比較的少なく、縦に早く同一サイドで完結する攻撃が多い。


 ・相手を押し込んだ後の「保持攻撃」

  1:3トップの補助はボールサイドのWBと1列下でCH石井が担当。

  2:逆サイドWBはファークロスに飛び込む役目も兼任なので比較的高い配置。

  3:ジョーカーはHV(小野田or翔悟)。チャンネルに侵入し最前線まで行く事も。

  4:最後方は牟田&脇本のCBコンビとCHの3枚のみのため、奪われ方が悪いと…


 ・「試行錯誤のフォーメーション変換」

  1:サリーダやWBを落とす4バック変換や、WBのWG化による4トップ」変換など試行錯誤の途中。


 ・「セットプレイ」

  1:J3屈指のプレースキッカー中村太亮

  2:J3において最も高い平均身長

  3:スローインを含めた豊富なデザイン・プレー


【簡易まとめ】

自分達の土俵に引きずり込め!


 今期のグルージャは「攻守に主導権を握り」、「相手がしたいことをさせない」ということに全力を注いでいます。言い換えるならば「自分たちの弱みを隠す」のではなく、「相手に自分達の強みを押し付ける」サッカーです。現に、ここまでは相手によって戦術やフォーメーションを大きく変更する様なことは事はしていません。

 守備においては、相手がどんな戦術を仕込みもうが、どんな分析をしようが関係なくプレスの強度と速さでもって敵の余裕を奪い「意図的な攻撃」をさせない。

 攻撃においても、CFの質的優位を担保に相手を強引に押し込み、そこで得たセットプレーや偶発的なチャンスをモノにすることで、勝利しているのがここまでのグルージャではないでしょうか。

 個人的な主観で言えば、戦術云々というより「闘う戦士たち」にフォーカスしたサッカーだと感じています。そこに相手の弱みに付け込むイヤらしさや狡猾さも交じり、どこか古き善き時代のブラジルの香りがするサッカーに近いかもしれません(属人的/即興的な所も含め)。

 好調とは言え、上手く出来ている部分であっても粗が多く、強度とインテンシティーで強引に誤魔化している状況です。シーズンのどこかで戦術的に困難な場面、ケガやカードで選手起用に悩む事が間違いなく出てきます。

 一方で、新加入のオーバー20組は総じてハイレベルでスタメン争いは激化しています。高卒組(ビスマルク/オタボー)もすでに公式戦で大器の片鱗を見せ、次世代の可能性という楽しみもあります。戦術的な粗さも伸びしろと言えるでしょう。このチームの可能性を少しでも多くの人に感じてもらえればサポーターとしてこれ以上の事はありません。







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~~~~~~オマケ~~~~~~~

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オフェンス

【メイン・オフェンス】

 ・「後方からのロングフィードとCFのポストプレイ」











 













  1:質的優位のCFとハーフスペースでのポストプレイ



  2:縦への推進力に秀でたシャドー(西田/中野/モレラト/色摩)とWB(有永/加々美)

  3:キック精度に秀でた左WB中村



【オフェンス・オプション①】

 ・「4-1-5変換」

 これは開幕戦:宮崎戦で見せた変換。CHがサリーダすることで3-4-3から4-1-5に変換する形。ただし、2節以降はCHがサリーダすることは減少していく。





 ・「4-1-5変換」が減少した理由は?

  415変換が減少した要因は色々と考えられるが

   ①ネガトラ時にワンアンカーの石井の周辺を敵に使われた事

   ②左SB化した翔悟の裏を狙われ、カバーに牟田が入ることでゴール前の強度が弱体化辺りだろうか?





【オフェンス・オプション②】

 ・「3-3-4変換」と「4-2-4変換→3-3-4変換」

  1:「4-1-5変換」の弱点、1アンカー。3CB+2CHでリスクヘッジ

  2:右WB有永のWG適正:縦+クロス+フィニッシュ

  3:ジョーカー小野田:チャネルの破壊者(notハーフスペース)