2023 J2第25節 ジュビロ磐田は 3- 1で山形に勝利


こんにちは、ムファサです。

リーグ戦6試合負け無しで迎えた、4試合ぶりのアウェー戦。

今季初勝利となった第3節に対戦した山形( 2-1 ヤマハ)との一戦を振り返る。


スターティングイレブン


連戦を2チーム制で戦うジュビロ磐田。

週末開催の今節は、第23節の大分戦と同じメンバーで試合に臨んだ。


フォーメーション図



ゴール期待値と得点推移


前半28分:左サイドのスローインから松原のクロスに頭で合わせた金子のシュ

      ートはクロスバーを叩いたが、PA内に詰めたドゥドゥが根性ボレ

      ーを叩きつけ、ワンバウンドでGKを超えてゴール。

後半10分:松原のCKからジャーメインがヘディングでゴール。

後半16分:リスタートのボールをカットした流れから中央突破。得意のカウン

      ターから、最後は横山が冷静に流し込んだ。

後半37分:右サイドでボールを受けた金子から送ったクロスはGKにはじかれ

      たが、そこに走り込んだ松原ばボレーでゴールへ流し込んだ。


■両チームともにゴール期待値に対して約2倍の得点を記録


ゴール期待値



試合展開


ゴール期待値から想像されるジュビロ磐田の猛攻撃はなく、山形がボールを保持

する時間の長い試合となった。

それぞれのプランで、ストロングを活かした質の高い攻撃と、集中した守備で演

出された好ゲームは、決定機を作った回数で上回ったジュビロ磐田が得点でも上

回り、試合を制した。

前半の山形の決定機が実り、山形が先制していた場合、全く違うゲーム展開にな

っていただろう。


基本スタッツ


組織的な守備ブロックを構築したジュビロ磐田

ジャーメインのハイプレスと連動して山田がコースを限定し、ドゥドゥや金子の

運動量でサイドで数的有利を構築することの多いジュビロ磐田。

この試合では、ハイプレスを控え、中央を固めたコンパクトな守備ブロックを敷

くことを選択した。


両サイドからの仕掛けに対しては、雄斗と松原の両SBがしっかりと対応し、簡

単にクロスをあげさせない。

ドリブルやパスワークで打開が難しいならばと、DFラインからグラッサの両脇

を狙ったボールを入れる山形。

1つのミスも許さない攻撃を仕掛ける山形に対し、追いすぎず引きすぎずのバラ

ンスを保ち、シュートを許さないジュビロ磐田。

前半17分にはCBとGKの間にパスが通り、決定機を迎えたが、三浦がファイ

ンセーブでピンチをしのいだ。(前半の被シュートはこの1本)


■ボランチ2人との連動で中央を抑える山田と、立体的な迂回ルートを使った山

形の攻撃

ヒートマップ - 山田 大記エリア間パス図



早いサイド攻撃からチャンスメイクするジュビロ磐田

ボール奪取後はシンプルな攻撃を仕掛けていく。

守備ブロックで全体がコンパクトになっているため、ボール奪取時にサイドの偏

りが少ないジュビロ磐田は、相手の陣形をみて、薄いサイドに攻めあがることで

ラインを押し込んでいく。


前半28分の先制点では、左サイドで押し込んだ後のスローインから、松原とド

ゥドゥのシンプルな連携からクロスをあげての得点。

後半37分の追加点では、中央での攻防から右サイドでフリーになった金子があ

げたクロスからの得点。

いずれも松原、金子、ドゥドゥが得点に絡んでおり、守から攻への早い切り替え

と、反対サイドから駆け上がった終盤まで落ちない走力が生んだ得点だ。


果敢なハイプレスを控えたことにより、プレスバックの回数も少なくできたこと

が、攻撃時のスプリントするエネルギーと、繋ぎやクロスの質、決定機でボール

に届かせるもう一歩に繋がった。


■攻撃の起点になった松原と金子。落ちない走力とクロスやシュートの質で違い

をみせた


攻撃スタッツ - 松原 后 攻撃スタッツ - 金子 翔太



ゴール前でボールが集まったジャーメイン

先制した後、2点目を取りに行くペースが落ちる試合の多いジュビロ磐田。

この試合では、ボール奪取からの早い攻撃をシュートで終えることが、安定した

守備にも繋がっていた。

ハイプレスでななく、相手のプレーエリアを限定し、ルーズボールをマイボール

にするための競り合いを制した後はゴール前に顔を出してシュートを打つ。

ラッソの投入で山田に代わってトップ下に落ちるまでの70分、このタスクを続

け、90分走り切ったジャーメイン。

前半には両サイドの攻撃からボールが集まり、多くのシュートチャンスが訪れた。

流れの中での得点は適わなかったが、後半立ち上がりにはCKからヘディングで

追加点をあげ、勝利に大きく貢献した。


■ゲームプランに対応しながら、FWの仕事も果たしたジャーメイン

攻撃スタッツ - ジャーメイン 良



リスタートでの意思統一

後半16分の失点は、右サイドでファールを受けた雄斗が早めにリスタートした

パスがカットされ、そのまま中央突破を許した。


その前の流れで山田は優斗の後方に、康裕と上原は雄斗と同じ高さにいる状況から、

右サイド前方にスペースを見つけた上原が走り込もうとしたタイミングで、優斗は

金子に頭の高さほどの浮き球のパスを送った。

金子ではなく、高さのあるジャーメインやドゥドゥのようなポストプレーを得意と

する選手であれば、ダイレクトまたは一度落としてから上原(本来であればここに

金子)の向かった右サイドに展開してクロスに持ち込み、チャンスを作ることがで

きた可能性もあるが、今回は全体の立ち位置と、受け手(金子)のミスマッチが起

きたところで、ボールをカットされてしまった。


山形は守から攻への切り替えが早く、ボール奪取と同時にゴール方向へ前線の選手

が走り出したため、ジュビロ磐田のこの瞬間に中央に位置していた4人(山田、康

裕、槙人、グラッサ)の誰がボールホルダーに行くのかを判断する前に、ボールは

ディフェンスラインを通過した。

リスタート直後で全員が矢印の逆を突かれてしまったため、ボールと相手を同一視

野に入れられる位置にいたグラッサも選手を捕まえきれず、最後は追いかける形に

なってしまった。

手を伸ばして止めた場合は極めて高い確率で退場となったと思われるが、2点リー

ドという状況もあり、この手を我慢できたのは不幸中の幸いか。


2点リードの状況だからと消極的にならず、早いリスタートで3点目を目指したプ

レーをこれからも継続するために、すぐに相手にボールを奪われても問題ないとい

うポジショニングを後ろが取ることが求められる。

準備が整わなければ、「待て」の一言が出るだけでも良い。

また、早いリスタートは、通れば決定機を作れるという状況でこそ威力を発揮する

ため、裏を狙ったり、前を向いている選手をターゲットにし、繋がらなくてもスロ

ーインやゴールキックになるような場面では積極的にチャレンジしてほしい。



今日のMOM


33 ドゥドゥ

根性の先制点をあげるだけでなく、攻守に奮闘。

左MFでスタートしたが、選手交代に応じて右MF、ボランチと、次々にポジショ

ンを変えながら90分フル出場。

松原と雄斗とともに、サイドで上下に走り続け、相手を背負って我慢がきくフィジ

カルは、攻撃と守備のスタッツ以上の貢献度がある。

選手層の厚いボランチが、力を出し切って途中交代できるのも、サイドの選手が最

後まで戦い抜けることに起因する。

攻撃スタッツ - ドゥドゥ 守備スタッツ - ドゥドゥ




サッカー王国のプライドにかけて


町田と東京Vが引き分けたため、勝ち点では2位東京Vに並んだ。

町田との勝ち点差は10あるものの、序盤に比べると失点が増えてきている。

立て直しや来季に向けた補強が各チームで行われているが、夏の連戦を2チーム制で

戦ったジュビロ磐田の成熟は、他チームの補強を凌駕するのか。


ルーズボールを全力疾走でクリアした槙人のように、プレーの熱量が高まっている。

天皇杯での挑戦と調整の先に待つ次節も、良いゲームを期待している。



今節も雨で勝利し未だ負けなし。と思ったら、雲判定のようでした。

苦手克服ですね。

 晴 :5勝4分1敗

 雨 :6勝2分  (雨のち曇 を含む)  

 曇 :1勝2分4敗(曇のち晴、晴時々曇 を含む)