トランジションから反撃だけではない攻撃の可能性


柏は4連勝を狙いアウェイに乗り込んだ。連勝中とは異なり『ボールを握る側』になった試合の数字と内容を振り返る。

フォーメーション図

柏は前節から先発メンバーを1人変更、ルヴァン横浜FC戦で裏を取られ失点したことが影響してか3バックの中央を上島から大南に代えた。またベンチにはドッジ、アンジェロッティ、ペドロハウルと新加入の選手たちも名を連ねた。

<基本スタッツ>

基本スタッツ

パス成功数はG大阪戦(353)→大分戦(326)→徳島戦(240)→仙台戦(409)、ボール支配率はG大阪戦(50%)→大分戦(42%)→徳島戦(34%)→仙台戦(59%)と連勝中の3試合を上回る数字となり、また前半におけるシュート数(枠内)は仙台2(0)に対し柏8(5)パス数は仙台178に対し柏235と圧倒し柏が主導権を握る側になっていたことがわかる。

<今節と前節の平均ポジション(試合前半)>

平均ポジション(試合前半)は徳島戦と変わらない位置取りだが前から取り組にいく場面とボールをしっかり握る時間をつくりバランスよくポジションが取れていた。

前半柏が主導権を握った上での攻撃は、12分に古賀から逆サイドへ大きく展開し北爪の折り返しから呉屋がシュート、14分には仲間がエリア内に侵入した川口へ縦パスを通しクロスを送った場面のように「逆サイドにボールを大きく動かす」「ボランチからの縦パス」から決定機の一歩手前をつくっていた。また44分には右サイド江坂からインナーラップした北爪につなぎシュートする場面、その後も左サイドからつないだボールを北爪がハーフスペースで受け外側を走る川口へつなぎクロスをあげる場面など「ハーフスペースの活用」「3バックの左右の選手の攻撃参加」も見ることができた。

<試合終了時のフォーメーション図>

後半スコアレスの展開から柏は66分にペドロ ハウルとドッジを入れ、68分に失点してからは70分アンジェロッティさらに75分にはイッペイ シノヅカを投入した。ペドロハウルをターゲットに攻撃を仕掛けるが選手交代により両サイドからのクロスやFKのキッカーを誰が担うのかが不明確になり高さを活かすチャンスはなく試合は1-0で敗戦した(後半のシュート数は仙台8に対し柏2)。守備においては警戒していた裏への仕掛けはDF陣とキムスンギュで対応できていたが競り合いに苦戦する場面があり失点もハイボールのクロスからと一長一短の内容となった。

主導権を握った時間に先制できなかったことが敗因ではあるが「トランジションからの反撃」だけではない「攻撃の連動や多様性」は生まれつつあった。更に攻撃の可能性と守備の強度を高めるため新加入選手と欠場から戻る選手の効果をチームに加え順位を再上昇させていきたい。

【この試合での新加入選手への期待度】◎:即スタメン 〇:スタメンあるかも △:途中交代で期待 ✖:まだ難しい

〇エメルソン サントス:ベンチ外もクロスやセットプレーの失点対策にスタメンありうる。

×ドッジ:連携不足から良さを引き出せていない。時間必要か。

×アンジェロッティ:途中交代も特徴見せられず。中途半端感が否めない。

〇ペドロ ハウル:強さと高さは見せる。呉屋に代わりスタメンの可能性ある。