求む攻撃オプションの確立
ルヴァンカップ5戦目のアウェイ札幌戦は2-1で柏が逆転勝利しGSの首位に立った。
スタメン【柏レイソル】(3-6-1)
GK:佐々木
DF:大南、上島、古賀
MF:北爪、加藤、椎橋、岩下、鵜木、升掛
FW:アンジェロッティ
スタメンは若手主体のメンバーに大南と古賀を加え、ボランチをアンカーではなくダブルボランチにした布陣。カップ戦のGS突破に向け失点を抑え確実に勝ち点を狙い、リーグ戦とは別の攻撃選手を試しオプションを増やしたい意図が伺える。
■失点シーン
強風が吹き荒れるコンディションの中、ロングボールが押し戻される程の向かい風を受け柏は前進することができない。すると14分に札幌左サイドの高嶺が鵜木がスリップし自分の前が空いた隙を逃さず逆サイドへ大きく展開、札幌の右サイドの大外で受けたルーカスフェルナンデスは岩下を振り切り中へ切れ込みエリア内のガブリエルシャビエルへパス。ボールを受けたシャビエルはルーカスが空けたスペースへ走り込んだ田中へパス、プレスに来る古賀の足の間を通した田中のクロスを上島の前に入り込んだトゥチッチがあわせて先制する。柏としては逆サイドへの大きな展開と外から中、中から外、外から中へとボールを動かされ崩されてしまった。
■同点に向けて
柏は16分右サイド北爪のクロスからアンジェロッティが競り合い流れてきたボールを升掛がヘッドで狙うも菅野の正面。33分にも中盤のこぼれ球を拾った升掛が左サイドにドリブルしながらシュートも菅野にセーブされた。後半の柏は前半ほど風の勢いはないものの追い風を受け積極的にミドルシュートを打ち攻勢に出る。マテウスサヴィオ、戸嶋、森、三丸を投入し、前目に置くサヴィオにボールを集めることで同点ゴールを狙う。82分には森が獲得したエリア手前のFKをサヴィオが狙うも壁に阻まれる。
■同点・逆転シーン
アディショナルタイムに入り残り時間少ない中、93分柏の左サイドで森が起点となり戸嶋へパス、戸嶋から椎橋、椎橋から中央のサヴィオへとダイレクトでパスをつなぎサヴィオがシュート。DFの足に当ったボールがゴール隅に決まる。更に試合はこのまま終わらず94分上島が左サイドにフィード、三丸のクロスからゴール前で競り合ったボールのこぼれ球に反応した椎橋が頭でつなぐとサヴィオが右足でボレーシュート。劇的なスーパーゴールが決まり柏が逆転勝利を挙げた。途中出場のサヴィオをトップの位置に置きサヴィオにボールを集め、柏の選手も最後まで諦めることなくダイレクトでサヴィオにボールをつなぎ、同点、逆転のゴールまでたどり着くことができた。終盤の時間帯でも前線まで攻め上がり攻撃をサポートし両ゴールのアシストしたのはボランチの椎橋だ。
■課題と収穫
ここ数試合で先制点をあげられているのは課題であり、守備の人数的には揃っている状況でも相手をつかまえきれない失点シーンが続いている。攻撃面ではセットプレーでの得点が今だ無い状況、セットプレーでの得点パターンが求められる。選手交代からサヴィオを前に置き最終的に2ゴールを挙げたが、リーグ戦でもサヴィオをあえて”攻め残り”させる形や途中交代で前線にポイントをつくる策が必要となるだろう。この試合でも好守に奮闘した鵜木を中盤にサヴィオを前に出せるような布陣が確立できれば今後の大きな攻撃オプションとなるだろう。
<柏・選手短評>
GK:佐々木 前半の難しいコンディションの中でも好セービング見せる。
DF:大南 前半は風下で苦労するも、後半は積極的に前に出ることで攻撃面で貢献。
DF:上島 高さでは相手に勝利も失点シーンはクロスに対し自分の前に入られる。
DF:古賀 失点シーンはボールに寄せきれずクロス通される。エリア内での厳しさ求めたい。
MF:北爪 前半のチャンスは右サイドの北爪からのクロス。前への推進力は中村と違い出せる。
MF:加藤 ボールを落ち着かせるのに苦心。後半はミドルシュートみせるも途中交代。
MF:椎橋 中盤からのパスでリズムつくれないのは課題。終盤に前への動きで2アシスト。
MF:岩下 左右ポジション入れ替え最後まで運動量見せる。失点シーンの対人守備は課題。
MF:鵜木 運動量とテクニックで中盤で奮闘。鵜木が中盤でサヴィオを前に出せる。
MF:升掛 前半のヘディングシュートは決めたかった。走る姿勢は失わずチャンスを決めたい。
FW:アンジェロッティ 前線で起点となるも難しい展開が続いた。強さのある選手は必要。
MF:マテウスサヴィオ 後半途中出場で2得点。サヴィオを前に押し出すオプションを確立したい。
MF:戸嶋 難しい展開からの出場で守備に貢献しながら同点ゴールにつなげる。
FW:森 同点ゴールの起点の役目を果たす。自らもゴールに絡める場面つくりたい。
DF:三丸 クロスから逆転ゴールのきっかけつくる。左利きのクロスはチームでは貴重。
【柏アカデミー出身比率】
スタメン:GK佐々木、DF上島、古賀、MF加藤、鵜木、升掛
※スタメン比率55%(6/11)
リザーブ:GK松本、DF田中、FW森
※出場比率47%(7/15) ※メンバー入り比率 50%(9/18)
【柏アカデミー出身比率(ルヴァンGS5節まで)】
スタメン比率47%(26/55) 出場比率48%(35/73) メンバー入り比率53%(48/90)
コメント(2)
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SPORTERIAスタッフ
2022/4/25 15:28
千両役者、いや2ゴールなので二千両役者!
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SRC
2022/4/25 20:29
サヴィオや小屋松は技術はもちろん運動量も抜群なので後半どうしても疲弊して交代となるのが多いです。小屋松は途中出場では2ゴールもスタメンだとまだノーゴールです。鵜木などの新しい選手が出てくることで小屋松をジョーカーで使ったりサヴィオを前に出す攻撃オプションができるといいですね。今から22年前の話しをすると柏は選手交代のジョーカーとして砂川(札幌でも活躍しました)、ポジションチェンジではホン・ミョンボを最終ラインからトップ下まで押し出して決勝点をあげるなどの必勝パターンがありました。西野監督の時代です。
というくらいの、マテウスサヴィオ選手の素晴らしい活躍でしたね👏👏
>サヴィオを前に押し出すオプションを確立したい。
チャンスメーカーとしても卓越していますが、他の選手で形を作って浮いているサヴィオ選手にボールが行くというのが一番ゴールに繋がる気がするので、そういうシーンが増えるとさらに輝きが増すのではないかと思います✨