皆さまはじめまして、くろだと言います。

昨シーズンはnoteにて浦和レッズの感想記事を書いていましたが、今シーズンは少しチャレンジとしてSPORTERIAでも書きつつ、noteと並行して書いていければと思っております。

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今シーズンは徳島ヴォルティスで評価を大きく上げたリカルド・ロドリゲス氏を新監督に迎え、昨シーズンより表明された3か年計画の2年目として、地ならしを終えた浦和レッズがどの様なプレーを表現するのかが注目されます。


スタメン



試合雑感(とデータから読み取ってみたもの)


西選手や関根選手、トーマス・デン選手がケガで離脱中、前線も興梠の復帰はもうしばらく待たねばならない状態で、宇賀神選手や杉本選手にかかる責任は非常に大きな試合となりました。


シーズン前のゴタゴタで心許ないスカッドでスタートした第1節でしたが、note記事でも書いた通り序盤から高い強度でのプレスやトランジション時のポジション調節がうまくいき、コンディションが整いきっていないように見えたFC東京が相手だった事を差し引いても素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。


浦和レッズは昨シーズンまでと違い、リカルド・ロドリゲス監督が指向する「ポジショナルプレー的」な振る舞いをするチームへと生まれ変わろうとしていますが、ただ配置をとるのではなく開幕前のインタビューでも語っていた通り「相手を見てスペースを使う」という部分からある程度の原則をベースにして柔軟な運用をする傾向を見せていました。


今節は序盤から最終的に前線に5枚、バイタルエリア手前に2枚を用意する事を目標に、初手は幅と深さを取りにいき、1手で深さを取れない場合は躊躇なくバックラインに下げたりサポートに入ってくる中盤の選手に渡しながらローテーションのように入れ替わって深さを取れないか伺っていくという形を見せます。

もちろん、簡単にクリーンな状態で深さを明け渡すようなFC東京ではありませんから、ポジション的にはペナルティエリア角周辺で浦和レッズは相手ディフェンスライン前を横断したりボールを後ろに下げながら相手陣形の距離を延ばそうと試みる事になります。


エリア間パス図からもその傾向は強く見えており、右サイドでは明本・杉本・宇賀神(展開によっては小泉)が幅を取り、左サイドでは汰木・山中が幅を取る形を取っていました。

クロスを入れる時にはディフェンスラインの裏に向かう様な軌道を描く事によって相手クリアやリフレクション時にバイタルエリア周辺に控えている小泉や伊藤(敦)などが回収しやすい形を取る事によって攻守の循環を用意にさせていました。


この、トランジション時に回収しやすい仕組みと、相手に回収されてしまったとしても前線への配球を制限しつつサイドへ誘導する事によって帰陣する時間を作る事が出来ていました。今節では小泉・伊藤(敦)が中盤で行っていたタスクが非常に重要で、抜かれそうになった場面では身体を投げ出しても止める意識を強く持っていた事が印象的です。


FC東京側のエリア間パス図を見てみると顕著ですが、サイドにボールを誘導する事に成功していた事が、浦和レッズが狙っていた(と思われる)攻守の循環を助ける事になったのではないかと思います。



話題の小泉君



最後に、この試合で大きく評価を上げた(サカダイ除く)小泉について触れて終わりにしようと思います。

この試合ではポジショニングや橋頭堡としての身体を張ったプレーぶりなど、チームのバランスを保つうえで非常に大きな仕事を果たした小泉君ですがパスソナー図を見てみると試合での印象とほぼ同じような傾向にありました。


ネガティブトランジション(攻撃→守備)時に開いてパスコースを切る動きと同じく、ポジティブトランジション時にはボールを受ける事の出来るポジションにいつつ、先に書いた初手で幅と深さを取りたいエリアへの配球(主に右サイド)を狙っていた事が印象的でしたが、パスレンジの狭さが相手守備陣を押下げる効果を見せる事が出来たシーンはなく、狙いは見せつつもパスの成功には反映されなかったことがパスソナーでも表れています。


バックパスの速度についても少し指摘をしている人がいましたが、ここら辺はJ1の強度になれる事とフィジカル的な向上が小泉のポテンシャルを広げてくれることを期待して、今シーズンの定点観測として置いて見たいな、と思います。


気が付けば明後日がサガン鳥栖戦ですが、強度の高いチーム相手にどれだけプレーを表現できるか、という意味で大きな試金石になりそうな試合だと思うので、楽しみにしていようと思います。


強い気持ち!!!