1.メンバーとスタッツ

スターティングメンバー:

フォーメーション図フォーメーション図


  • 色々あって間が空いてしまいました。最近の動きを終えておらず、選手起用の背景とかが分かりづらくなってきたので軽めにいきたいと思います。
  • 岡山は6選手がコロナ陽性で、木山監督曰く「直前までメンバーを決められなかった」とのこと。DFが3枚で、宮崎が左CBなあたりは気になるところです。


スタッツ:

基本スタッツ



2.試合展開

岡山のスタンス:

  • おそらくポイントゲッターのチアゴアウベスがいないため、岡山は敵陣で手数と時間をかけないでフィニッシュに持ち込むことを、いつも以上に考えていたように思えます。
  • すなわち、岡山の狙いとしては、①デュークにロングフィードを当ててセカンドボールを拾っての速攻か、②横浜がボールを回収した後にすぐに切り替えてのカウンタープレス。特にデュークとムークの役割分担は、デュークが最初にアクションして、その(主にガブリエウとの)勝敗を見てムークがすぐにサポートするという感じでディシプリンを感じました。
  • あとは、③横浜から高い位置でボールを奪ってのショートカウンター。ボールを奪う位置は高めに設定していて、自陣から攻撃を開始するよりはもっと高い位置で考えていたと思います。


  • マイボールの扱いは、基本的には最後はデュークに放り込むオプションを堅持していて、あまり地上戦で前進する形はなかったと思います。
  • 所謂”ミラーゲーム”…お互いに1-3-4-2-1や-1-4-4-2の場合は、ミシャ・ペトロヴィッチのチームのようにポジションチェンジをしてずれ(ミスマッチ)を作って、フリーの選手にボールを渡すことを考えるか、ポジションはそのままにして、相手とミスマッチを作らない状態から、基本的には各自で1on1を繰り返して、個人の頑張りや個人戦術がキーとなって前進するか、の2通りがありますが、岡山はあまり明確なミスマッチを作らないようにしていて、ポジションを変えずにバランスの良い陣形を保ってプレーしていました。
  • 特筆するとしたら、15分くらいで横浜FCがあまりpressingに出てこなくなると、岡山はバイスがGK堀田に「落ち着け」(落ち着かせろ?)のようなジェスチャーをしていて、堀田がフリーでボールを持って、いつでも蹴れる状態でも、安易にすぐに蹴らないで時間を使うのか、陣形を整えるのか、展開をスローにするのかそうした指示をしていました。意図はなんでも、基本的に、蹴って走って体を張るサッカーは8月の横浜では90分持たないと思うので、そうしたゲームコントロールを意識していたのだと思います。



横浜FCが見つけた優位性:

  • 久々にみた横浜FCの印象は、まず以前ほどのマンマークでの強めのpressingが見られず、前線の3枚はハーフウェーライン付近かそれよりも後ろまで下がってからアクションをしていて、結果として1列目の3枚と最終ラインの5枚が(少なくとも以前よりは)コンパクトな陣形になっていました。
  • 以前は、相手のGKからの展開では、少なくとも試合序盤で体力がある時間帯は相手の陣形に合わせてpressingを敵陣深くからしていましたが、横浜は前線〜DFまでが間延びしやすくて最後にDFとGKの個人能力勝負になることが多く、また前線の選手が自陣に戻ってからリトリートに切り替える際もうまくいっていなかった印象でした。ラインを下げてコンパクトにして、敵陣と自陣での守り方にギャップをなくすことで、よりソリッドになった印象があります。


  • pressingをやめた理由とか時期がわかる方がいたら教えてほしいです。新潟にアウェイで負けたあたりが分岐点でしょうか?もしくは、岡山相手だからそうしていたのか、夏からこうしたのか。


  • 「優位性」としましたが、岡山の課題かつ横浜がやや優勢に進めていた理由が、岡山の前線守備にあって、ゲームプラン上、岡山は高い位置からボールを奪うために前に出てくる。1列目の3枚と、中盤の2枚も前方向を意識して、横浜のボールを持っている選手を見ているのですが、まず、DFがあまり押し上げられていないので、岡山はMFーDFの間にスペースが空いていて、そこで横浜の選手がボールを受けることに成功していたと思います。
  • これはDAZN中継の限界もあって、横浜の選手が裏抜けで駆け引きをしていた結果なのか、そうではないのかはちょっと分かりません。
  • 次に、岡山はデュークや宮崎、ムークが横浜の3バックをマンマーク気味に見ているのですが、この3枚は随時”休憩”するので、そんなに横浜のDFに常にプレッシャーがかかっている感じではない。かつ、マンマークなので、横浜の3枚が横に広がったポジションを取ると、岡山の横の選手間は空いて、縦パスは割と通せる守り方になっている。デュークを筆頭に頑張るのですが、コースを切るのはうまくできていませんでした。


  • そして、横浜は田部井がアンカーで、和田が右のインサイドハーフ、長谷川が随時降りてきて左のインサイドハーフの、1-3-1-4-2の形に変形します。この形になると岡山はマークが中盤ではっきりしない。岡山は中盤2枚の脇をシャドーが見る形が多く、和田が斜めのパスを受けて前を向くと、宮崎が前線から30mほど戻ることを余儀なくされます。
  • 横浜は、以前は手塚が左のCBの位置に下がる1-4-1-5の形をよく作っていて、四方田監督のミシャリスペクトみを勝手に感じていたのですが、田部井は後ろに下がらなくても中央で勝負できる、ポジティブな印象でした。これも、コンパクトな陣形にすることと含めて夏仕様なのか、それとも、元々攻守がシームレスなサッカーをやりたいと話していて、シーズンが進むにつれて選手の見極めが進んだ必然の結果なのか、わからないですが、両方なのかもしれませんが、以前よりポジティブな内容に感じます。



こじ開けた切り札:

  • 前半終了間際には、岡山が2度ほどチャンスがありましたが、岡山は横浜陣内でボールキープに成功すると、最終的には中央よりもサイドで、WBとサイドに流れたシャドーの関係で、シャドーが戻り切らない横浜のサイドを攻略してクロスボールを供給していました。お互いに中央から簡単に崩れる印象はなく、それはうまく守っていたとも言えるけど、中央でスペースを作って味方をフリーにできるクオリティのある選手が見当たらないことも挙げられます。
  • 横浜は後半開始から長谷川→松浦。
  • 後半も20分ほどまでは岡山がやや優勢で、それは前線のターゲットとなる選手の頑張りと、あとは全般に岡山がペースアップして頑張って押し上げたことでしょうか。その分オープンになりかけるのですが、横浜はあまりペースアップしなくてオープン合戦とまではなりませんでした。


  • 64分に岡山は宮崎→ハンイグォン。対・中村拓海として見ると、ここにも身体の強い選手を入れてターゲットになれるポイントを増やした感があります。
  • 対する横浜は、同じく64分に両ウイングバックを山下と山根の攻撃的な2枚に交代。疲れたところでこのカードは切り札として考えていたのでしょうけど、互いにFW的な選手のカードを切ってややオープンになっていきます。そして70分に、岡山のCKを守ってからのロングカウンターで、山根→山下。岡山は同数でおそらくカウンター対策をしていましたが、シンプルに選手のクオリティがものを言った感があります。


3.雑感

  • 横浜 FCがうまくゲームのマネジメント…体力配分だったりゲームのコントロールだったりをして我慢くらべに勝った感があります。春先のチームでしたら、もっとオープンになって点の取り合いになっていた気がするのですが、今回はブローダーセンにそこまでお世話になることがなく、組織としてゴール前を空けないように注意深く対応していた印象です。