開幕8連勝で失点わずか1という最高のスタートとなったブラウブリッツ秋田は今週末、鳥取と並び2位にいるロアッソ熊本と対戦。今季J3リーグの今後を占う上でも重要な試合となる。上位同士といえどそのサッカーの内容は全く異なっており、それがデータでも表れている。Football LABのデータを利用していくつか紹介していこう。



J3のボール保持率のランキングを見ると、熊本が58.2%で1位であるのに対して、秋田は41.1%で最下位となっており、このデータだけでボール保持に関わるスタイルの差を見て取れる。試合状況にもよるが、秋田はシンプルにロングパスを放つ傾向があることで、こういう数値となった。


得点パターン

失点パターン

ボールを早く前進させることで、その攻撃内でシュートに至らなかったとしてもゴールに近いエリアでリスタートを得られればチャンスメイクが可能だ。秋田の得点パターンはセットプレー関連が多く、次に多いのがこぼれ球からのゴールとなっており、混戦時や不確定なボールを得点に結びつける力がある。熊本の失点のうちセットプレー関連は4割足らずと多い方ではないが、十分に警戒する必要があるだろう。


得点パターン

熊本の得点パターンを見ると、クロス、ショートパス、ドリブルの割合が高く、こちらも秋田とは異なるスタイルとなっている。この試合もボール保持は熊本に偏ると推測されるが、これまでと同様のシーンを演出できるかがポイントとなる。わずか1失点の秋田だが被シュートは多い傾向にありチャンスは生まれるだろう。


守備に関わるデータではFootball LABの守備ポイントと奪取ポイントの傾向が両者のスタイルの違いを表している。

それぞれのポイントの定義はFootball LABのサイトを参照して頂きたいが、分かりやすく書くと守備ポイントは味方ゴールに近いエリアで食い止めたプレーに対してポイントが加算されやすく、奪取ポイントは相手ゴールに近くボールを奪いづらいエリアでのボール奪取に対してポイントが加算されやすい。つまり、秋田は最終局面での守備、熊本は前寄りの奪取回数が多い傾向と言える。ボール保持にこだわらない秋田に対し、熊本がどの局面でボールを奪いに行くのか、この試合のポイントとなりそうだ。 この極端な傾向にある上位対決を制するのはどちらになるだろうか。