回に引き続き、コロナがJリーグへもたらした影響について分析したいと思います。


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さて、今回は選手の接触プレーに着目して分析をしたいと思います。

欧州の主要リーグの中で最も早く再開した、ドイツブンデスリーガ では、再開直後のリーグ戦における、接触プレーが中断前と比較して減少傾向にありました。

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もしかしたら選手たちのコロナへの不安がプレーに影響しているのかもしれないですね...


では、Jリーグではコロナ前後で選手たちの接触プレーに変化はあったのでしょうか?


今回の分析対象試合は、中断前のJ1リーグ第1節、再開直後のJ1リーグ第2節、そして、直近に行われたJ1リーグ第9節としました。

分析対象項目は、選手同士が接触する可能性のあるプレーである、ドリブルとタックルの回数としました。尚、これらの分析項目のデータはFootball LABの各試合のデータを使用させて頂きました。


それでは、分析結果を見ていきましょう!!


まず、ドリブル回数の結果です。

中断前のJ1リーグ第1節における1チームあたりのドリブル回数の平均は、

15.94回


再開直後のJ1リーグ第2節における1チームあたりのドリブル回数の平均は、

11.33回


直近に行われたJ1リーグ第9節における1チームあたりのドリブル回数の平均は、

9回


なんと、ドリブルの回数は、ブンデスリーガ と同傾向となり、再開直後のリーグ戦のドリブル回数の方が少ない結果となりました。さらには、再開してから数節経過した直近のリーグ戦のドリブル回数が最小となりました。

しかしながら、このドリブル回数の減少傾向にはコロナの影響だけではなく、夏の暑さも少なからず影響しているのではないかと個人的には思いました。


続いて、タックル回数の結果です。

中断前のJ1リーグ第1節における1チームあたりのタックル回数の平均は、

23.17回


再開直後のJ1リーグ第2節における1チームあたりのタックル回数の平均は、

18.72回


直近に行われたJ1リーグ第9節における1チームあたりのタックル回数の平均は、

17.94回


こちらもドリブル回数と同じ減少傾向となりました。

考えてみれば、ドリブルをする選手に対してタックルにいくこともあるので、ドリブルの回数とタックルの回数には相関があるのかもしれませんね。


今回はコロナの接触プレーへの影響について分析してみましたが、(接触プレーの定義が異なるかもしれないので、一概には言えませんが)ブンデスリーガ と比較すると、影響は少なかったのではないかと考えられます。しかしながら、暑さの要因も結果に影響している可能性もあります。

そのため、今後、昨シーズンまでの、春先のリーグ戦における接触プレーのデータと夏場のリーグ戦における接触プレーのデータを比較することで、季節によるプレーの変化を明らかにすることができ、

今シーズンの接触プレーの減少傾向要因を、より具体的に分析できるのではないかと思います。


最後までご覧いただきありがとうございました。