今節は 9位浦和レッズ vs 16位ベガルタ仙台 の対戦となった。

(Jリーグ公式サイト)

直近5試合で積み上げた勝ち点は、浦和が3、仙台が2と両チームとも好調とは言えない。しかし、結果は 6-0 と浦和が大勝した。ここまでの差が生まれた原因は何だろうか。


基本スタッツ

スタッツにおいては大きな差は見られない。シュートチャンスも浦和と同等の数値が出ているが、仙台は枠内へのシュートがやや少ない。むしろ、データ全体では仙台が優勢とも捉えられる。特に、パス成功数とボール支配率では仙台の数値が高く、ボールを持つ時間が長くなっていた。

しかし、直近5試合の浦和のボール支配率を振り返ると、ボール支配率が低い試合に浦和は勝利している。

(https://sporteria.jp/blog/satoshi6380/6725313431232057345)

浦和の得点シーンでは、仙台のミスからカウンターを仕掛けるシーンが見られた。

ミスをしていなくても、長い距離のカウンターやセットプレーから得点していた。

2020/10/19 ハイライト:浦和vs仙台【明治安田J1 第23節】


また、浦和は4人の選手で6得点を上げた。

攻撃スタッツ - レオナルドヒートマップ - レオナルド

攻撃スタッツ - 興梠 慎三ヒートマップ - 興梠 慎三攻撃スタッツ - マルティノスヒートマップ - マルティノス

攻撃スタッツ - 長澤 和輝ヒートマップ - 長澤 和輝

多くの選手が得点に絡んだということは、浦和はチーム全体の統率が取れており、ひとつの大きな集合体として上下左右に動いていたと予想される。それは守備に関しても同様のことが言える。ボールを長い時間持たれたとしても、強固なブロックを形成すれば、失点する可能性を低くすることができる。

今節の浦和勝利の要因は、チーム全体攻守において統率が取れていたからである。


次に仙台のディフェンス力が大きな点差を生んでいた可能性について、仙台と浦和のディフェンススタッツを比較することにより考える。

守備スタッツ - 飯尾 竜太朗守備スタッツ - シマオ マテ

守備スタッツ - アピアタウィア 久守備スタッツ - 柳 貴博

守備スタッツ - 宇賀神 友弥守備スタッツ - 槙野 智章

守備スタッツ - 岩波 拓也守備スタッツ - 橋岡 大樹


守備スタッツを元にディフェンスの成績の表を作成し、項目ごとに成績がより優っているチームのデータを赤枠で囲った。そして、浦和の方が優れている項目が多いことがわかった。特に、浦和はクリア数が仙台より圧倒的に多く、他にもタックル成功数やブロック、こぼれ球奪取など技術的な面で優っている部分が多かった。

また、仙台は守備スタッツにおいて浦和より優れている項目が3つあるが、そのうち2つはファウル数と警告数などの守備や攻撃に直接的に繋がらない、効果が薄いと思われるものであり、仙台の技術が生み出した結果ではない。

上記を踏まえて、浦和の大量得点及び勝利には、浦和の守備力が仙台より基本的にどの項目においても優れていたことが可能性として考えられる。



まとめ

スタッツのデータから分析すると仙台が優位にゲームを進めたと予想した人も存在すると思うが、実際のゲーム展開とは異なる。しかし、試合を分析する上で、スタッツや個人データが大きな手がかりとなったことも事実である。

実際の試合映像とデータを照らし合わせることで、より高いレベルで試合を分析することができると実感した。




<参考文献>

https://data.j-league.or.jp/SFRT01/?competitionSectionIdLabel=第23節&competitionIdLabel=明治安田生命J1リーグ&yearIdLabel=2020年&yearId=2020&competitionId=477&competitionSectionId=23&search=search

Jリーグ公式サイト


https://sporteria.jp/blog/satoshi6380/67253134312320573452020

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