ほとんどのスポーツには得点があり、どのようなスポーツにおいても「得点を取る」という行為は多くの人を惹きつける。

今回は、得点を多く獲得している選手のプレーにどのような特徴があるのかを探るため、各4チームの得点王である以下の選手に注目し、特徴を探り、比較を行った。

マイケル・オルンガ・オガダ選手(柏レイソル)

攻撃スタッツ - オルンガ

(写真出典: https://sporteria.jp/data/2020101012)

小林悠選手(川崎フロンターレ)

攻撃スタッツ - 小林 悠

(写真出典:https://sporteria.jp/data/2020080107 )

石原直樹選手(湘南ベルマーレ)

攻撃スタッツ - 石原 直樹

(写真出典:https://sporteria.jp/data/2020072607 )

松尾佑介選手(横浜FC)

攻撃スタッツ - 松尾 佑介

(写真出典: https://sporteria.jp/data/2020083010)


数字から見る各選手の特徴


マイケル・オルンガ・オガダ選手(柏レイソル)

得点総数 23 (リーグ今季1位)

シュート決定率 18.9 %

1試合平均シュート数 5.1 (今季1位)

1試合平均敵陣パス数 15.21

1試合平均自陣パス数 3.9

ロングパス成功率 60.0% (1試合平均ロングパス数 1.0)

(出典: https://www.football-lab.jp/player/1607706/ , https://www.jleague.jp/player/1607706/#teamplay)

特徴:シュート決定率は抜けて高いわけではないが、シュート数が今季1位ととても多く、得点総数が今リーグ1位となっている。


小林悠選手(川崎フロンターレ)

得点総数 12(リーグ今季3位)

シュート決定率 18.8%

1試合平均シュート数 3.2

1試合平均敵陣パス数 10.3

1試合平均自陣パス数 2.0

ロングパス成功率 25.0% (1試合平均ロングパス数 0.4)

(出典:https://www.football-lab.jp/player/801035/ , https://www.jleague.jp/player/801035/#attack)

特徴:一試合平均シュート数が多い。シュート決定率は比較的低いが、それらを今季リーグ3位の得点総数につなげている。


石原直樹選手(湘南ベルマーレ)

得点総数 6

シュート決定率 24.0%

1試合平均シュート数 1.1

1試合平均敵陣パス数 14.4

1試合平均自陣パス数 4.5

ロングパス成功率 69.2% (1試合平均ロングパス数 1.2)

(出典:https://www.football-lab.jp/player/300213/ , https://www.jleague.jp/player/300213/#attack)

特徴:シュート本数とゴール本数がチームトップクラスである。その上成功率が高い。攻めに完全特化している。また、ロングパス成功率が非常に高い。


松尾佑介選手(横浜FC)

得点総数 7

シュート決定率 20.6%

1試合平均シュート数 1.7

1試合平均敵陣パス数 21.1

試合平均自陣パス数 9.2

ロングパス成功率 41.7% (1試合平均ロングパス数 1.2)

(出典:https://www.football-lab.jp/player/1626167/ , https://www.jleague.jp/player/1626167/#teamplay)

特徴:1試合の平均敵陣パス数・平均自陣パス数が多い。パス回しが上手く、自分自身も広く動くことでそこから得点につなげているのではないかと考察できる。


ヒートマップから見る特徴


マイケル・オルンガ・オガダ選手(柏レイソル)

ヒートマップ - オルンガ

中心でボールにタッチすることが多く、比較的広い範囲をカバーしていることがわかる。

この試合では, 中心にいた時間が長いにも関わらず, 4シュート, 2ゴールを決めている。

→ 中心位置からシュートまで, ドリブルとパスでうまく運べている?


小林悠選手(川崎フロンターレ)

ヒートマップ - 小林 悠

ゴール付近でボールにタッチすることが多いとわかる。ボールタッチ数自体は比較的少なく、ヒートマップも狭く集中している。基本的に右前にいることが多く、そこでのボールタッチ回数も多い。


石原直樹選手(湘南ベルマーレ)

ヒートマップ - 石原 直樹

自コート内をカバーしている。ボールタッチ位置もコート内に集中しており、広く動いていることがわかる。ロングパスを活かし自コート内での連携を行なっていることが考察できる。


松尾佑介選手(横浜FC)

ヒートマップ - 松尾 佑介

相手ゴール付近にボールタッチ位置が集中していることがわかる。ヒートマップは両コートにまたがり攻撃方向に集中、パスに貢献していることがわかる。全体で見ると外側をカバーしている。


まとめ

得点を多く取得するためには、当然多いシュート数と高いシュート成功率が必要であるが、ヒートマップを見ると選手によってポジション取りに大きな違いがある。

得点数や得点率とヒートマップを比較してみることで、必ずしも「最前線に出続けている方が, 得点が取りやすい」や、「中心から広く動いてボールに触る方が得点が取りやすい」といったことは無いことがわかった。

また、 特定の試合のヒートマップの比較を通して、 得点王のみのデータでは無く「ミッドフィルダーなどのパス数と得点王のヒートマップの比較」や「相手チームのデフェンスの特徴と得点王のヒートマップの比較」,そして「複数試合にまたがったヒートマップの比較」を行うことで,「どのようなポジション取りを行うと得点につながるか」を分析できる可能性があると感じた.