直近5試合で9得点と攻撃が好調なレノファ山口FC。

第23節、山口はホームでジュビロ磐田と対戦しました。

   フォーメーション図 フォーメーション図

中2日での試合となった両チーム。山口は前節と同じ11人がスタメンに名を連ねましたが、磐田は前節から10人を変更。センターバックの大井健太郎を除き、大幅にメンバーを入れ替えました。


ダイビングヘッド

立ち上がり、磐田はテンポの良いパスで山口を押し込んでいました。1分には小川航基がシュートを放つなど、試合の主導権は磐田が握る寸前だったと思います。しかし、山口が最初の攻撃で得点を奪い、試合の流れを掴みました。

3分、ハーフウェーライン付近でパスを受けた田中陸が敵陣右サイドからゴール前にロングパスを送ります。ディフェンスラインとゴールキーパーの間に落ちるようなボールに小松蓮がダイビングヘッドで合わせシュート。これがゴールに決まり、山口が先制点を取りました。

  攻撃スタッツ - 小松 蓮 攻撃スタッツ - 田中 陸

アシストした田中は相手の最終ラインの背後へ絶妙なボールを供給。ゴール前には小松と高井和馬の2人が飛び込んでおり、高井がセンターバックを引きつけたことで小松はフリーとなっていました。小松はダイビングヘッドでゴールを決め今シーズン3点目。今季は第18節までゴールがありませんでしたが、直近5試合で3得点と小松の献身的なプレーに結果がついてくるようになりました。小松の得点により山口は早い時間にリードを奪うことに成功。先制点は4試合連続となりました。


敵陣でのボール奪取

山口は1点をリードしましたが、磐田にボールを支配される展開が続きました。19分には中央を崩されピンチを迎えてしまいます。センターバックのへニキが前がかりになったことにより空いたスペースを藤川虎太朗に使われましたが、サイドバックの橋本健人が絞ってスライディングでクリア。決定機になりそうな場面でしたが、シュートは打たせませんでした。その流れから与えたコーナーキックも凌ぐと、逆に山口はコーナーキックから追加点を獲得しました。

池上丈二が右足でアウトスイングのボールを入れると、ヘニキが頭で合わせます。強いヘディングシュートはキーパーの手に当たりながらもゴールの中へ。ヘニキの山口加入後初ゴールで、山口はリードを2点に広げました。

攻撃スタッツ - ヘニキ

山口は磐田にボールを支配されていましたがゴールは割らせず、セットプレーから貴重な追加点を取りました。この試合では、磐田を押し込むような攻撃はほとんどありませんでしたが、縦に速い攻撃やセットプレーから得点。前半は敵陣でボールを奪う場面が何度もあり、カウンターからもチャンスを作っていました。2点目を生んだコーナーキックも、相手のペナルティエリア近くで浮田健誠がパスをカットしてマイボールにした流れから獲得したものであり、敵陣でのボール奪取が得点に繋がりました。ハイプレスをかわされるようなシーンもほとんどなく、連動した守備ができていたと思います。


サイド攻撃

2-0となったことで磐田はさらに攻撃の圧力を強めました。前半ラストの15分に関しては磐田のボール支配率は76.4%を記録。山口にとっては耐える時間が続きました。山口はコンパクトな陣形で中央をしっかりと固めて対応。ただ、サイドに張った磐田のサイドバックがフリーになることが多く、サイドを広く使われてチャンスを作られました。

磐田は両サイドバック合わせて12本のクロスを記録。特に伊藤洋輝は前半から何度も深い位置まで進入し、クロスを上げていました。ただ、山口はゴール前でしっかりクロスを跳ね返し、シュートは打たせませんでした。

    攻撃スタッツ - 伊藤 洋輝 ヒートマップ - 伊藤 洋輝

    攻撃スタッツ - 小川 大貴 ヒートマップ - 小川 大貴


交代策が的中

前半は2-0で終了。後半開始から山口は先制点を取った小松に替えて村田和哉を投入します。すると、この交代が見事にハマり、山口は3点目を取りました。

右サイドのタッチライン際でパスを受けた村田はドリブルで仕掛けます。2人に体を寄せられながらも縦に突破すると、キーパーとディフェンスの間に低いクロスを供給。これを高井が左足で押し込み、山口がリードを広げました。

    攻撃スタッツ - 高井 和馬 ヒートマップ - 高井 和馬

    攻撃スタッツ - 村田 和哉 ヒートマップ - 村田 和哉

村田は持ち味のスピード・推進力を活かしてサイドを突破。得点を決めた高井はニアに入る素振りを見せることで相手のマークを外し、フリーでクロスに合わせていました。

村田のプレースタイルは前半に右ウイングを務めた浮田とは全く異なるため、磐田の選手たちは村田のドリブルに対応できず後手を踏んでいました。相手が村田のドリブルに慣れる前に得点を取れたことは非常に大きかったと思います。


7試合ぶりの無失点

山口は後半に入っても集中してゴールを守りました。途中出場の大森晃太郎や山田大記らに何度もペナルティエリアに進入されますが、最後の部分では自由にやらせず。シュートこそ試合を通して17本打たれましたが、キーパーの吉満大介がセーブしたのは1本のみ。多くの場面で誰かしらがシュートブロックに入っており、完封を目指す気持ちが感じられました。

守備スタッツ - 吉満 大介

試合は3-0で終了。山口は7試合ぶりの無失点となりました。完封勝利に至っては11試合ぶりであり、攻守が噛み合っての勝利となりました。


総括

基本スタッツ

ボール支配率では磐田に大きく上回られた山口ですが、少ないチャンスを決めきり3-0での勝利。守備では最後までゴールを割らせず、11試合ぶりの完封勝利となりました。前半・後半それぞれの立ち上がりに得点を取れたことで、精神的に余裕を持った状態でプレーできていたと思います。


第24節は10/3(土)、アウェーで愛媛FCと対戦します。

前回の対戦では0-3で敗れているので、その悔しさをぶつけて3-0で勝利してほしいです。