前節からアウェー4連戦がスタートしたレノファ山口FC。
第25節では、J2で一度も勝てていない(1分6敗)V・ファーレン長崎と対戦しました。
前節から長崎は2人、山口は1人、スタメンを変更。左サイドバックに入った田中パウロ淳一は4試合ぶりの先発出場となりました。
ピンチの連続
序盤、試合の主導権を握ったのは長崎でした。
3分、6分と長崎は右サイドからチャンスを作り、ペナルティエリア内に進入してシュートを放ちます。シュートはともに枠を外れゴールとはなりませんでしたが、山口は簡単にシュートを許してしまいました。特に3分のシーンではプレスの連動性がなく、長崎の選手に楽にパスを繋がせてしまいました。また、中盤からスルスルと上がってきたカイオセザールを誰もマークしておらず、パスが出てから慌てて対応するという形になっていました。
試合開始から10分が経過しても長崎ペースは変わらず。11分には山口陣内でルアンがボールを奪うと、そのままペナルティエリアに進入してシュートを放ちます。また、14分にはクロスから富樫敬真がヘディングでゴールを狙いました。
その後、長崎は短いパスだけではなく、最終ラインの背後を狙うパスやサイドチェンジなどの長めのパスを多く使いながら、山口を押し込んでいきました。山口は守備に追われる時間が多くなり、ペナルティエリアへの進入やエリア内からのシュートを何度も許してしまいました。多くのピンチを迎えながらもなんとか失点は免れていた山口でしたが、27分、ついにゴールを割られてしまいました。
山口のクリアボールを拾った長崎はペナルティエリア右から舞熊晟矢がクロスを供給。キーパーの吉満大介はキャッチを試みましたが、直前でバウンドしたボールを掴みきれず弾いてしまいます。こぼれたボールを富樫がしっかりとゴールに流し込み、長崎が先制点を奪いました。
山口は2試合連続でクリーンシートを達成していましたが、今節は前半の内に失点を喫することとなってしまいました。ピンチが多いながらも得点は許していなかっただけに、吉満にはしっかりキャッチしてほしかったです。
得意なパターンで逆転
6試合ぶりに先制を許した山口でしたが、わずか5分後にセットプレーから同点に追いつきました。
山口は敵陣右サイドでフリーキックを獲得。キッカーの池上丈二がゴール前にボールを入れると、勢いを持って飛び込んできたヘニキが頭で合わせました。強烈なシュートはキーパーの手を弾いてゴールの中へ。ヘニキの今季2ゴール目で山口が同点に追いつきました。
山口は得意のセットプレーを活かしてゴールを決めました。前節までの総得点の内、4分の1以上がセットプレーからの得点。特に最近はセットプレーからヘニキやへナンがゴールを決める場面が目立っており、セットプレーがチームの強みになりつつある気がします。アシストした池上はこれで今季5アシスト。残りの試合数は20を切っていますが、なんとか2桁アシストまで数字を伸ばしてほしいです。
同点に追いついたことで試合の流れを掴んだ山口はセットプレー以上に得意な「クロスから」勝ち越しゴールをあげました。
39分、山口は左サイドで高井和馬がボールを持ちます。前を向いた高井は縦に仕掛け、深い位置まで進入して左足でクロスを供給。スピードのあるクロスでしたが、浮田健誠がしっかり頭で合わせゴールを決めました。
このゴールは高井と浮田のイメージがピッタリと合ったことによって生まれたものでした。浮田は高井がクロスを上げる前に動き出し、相手の背後からゴール前へ。高井は中の状況を確認せずにクロスを入れたように見えましたが、速いクロスを浮田の頭にしっかりと合わせました。
山口は今シーズンの主要な得点パターンである「セットプレー」と「クロス」から2得点。逆転して前半を終えました。
13節以来の得点
1点リードで後半を迎えた山口でしたが、52分にPKを決められ同点に追いつかれてしまいます。しかし、山口は失点から2分後に勝ち越しに成功しました。
ヘナンからの縦パスを起点にペナルティエリア近くまで攻め込むと、左サイドから田中パウロがクロスを入れます。クロスは相手に触られたものの、こぼれ球を高井がダイレクトシュート。シュートはポストを直撃しましたが、跳ね返ったボールをイウリがゴールへ流し込みました。
イウリは第13節以来となる得点を決め、今シーズン5ゴール目を記録。負傷の影響もありここのところ得点が取れていませんでしたが、これをきっかけにゴールを量産していってほしいです。
対長崎初勝利はならず
3点目を取り、再びリードした山口でしたが、その後は長崎の猛攻に苦しめられました。後半だけで13本のシュートを浴び、61分から75分までの15分間に至っては長崎のボール支配率が70%を超えるなど長崎に攻め込まれる時間が多くなっていました。同点にはさせまいと山口も踏ん張っていましたが、75分に途中出場の玉田圭司にゴールを決められてしまいました。
さらに90分、山口は長崎陣内でのプレスを剥がされピンチを迎えます。ボランチの2人もかわされ数的不利な状況を作られると、玉田のスルーパスから最後は澤田崇にゴールを決められてしまいました。
途中出場ながら玉田は1ゴール1アシストを記録。得点時のクロスに対する動き出しやアシスト時のラストパスの精度などはさすがでした。玉田の活躍により4-3と長崎が逆転。試合はこのまま終了し、山口はまたも長崎に勝てませんでした。
総括
山口は対戦成績で分が悪い長崎を相手に3得点をあげましたが、勝ち点3を掴むことはできませんでした。90分間で22本のシュートを浴び、今季ワーストタイとなる4失点。長崎の攻撃を防ぎきれませんでした。ただ、失点後5分以内に同点ゴールや勝ち越しゴールを決めたりするなど、サポーターとしては見ていて楽しい試合でした。4失点を喫して負けたことはもちろん悔しいですが、簡単に負けなかったことは次に繋がると思います。
アウェー4連戦の3戦目となる第26節、山口はツエーゲン金沢と対戦します。
前回対戦では3点を取られて敗れているので、今回はゴールを割らせずに勝利してほしいです。
コメント(2)
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SPORTERIAスタッフ
2020/10/16 20:37
正直、試合前はこんな点の取り合いになるとは思っていませんでした😲
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サンレノファン
2020/10/17 17:29
SPORTERIAスタッフさん、コメントありがとうございます!
点が取れるようになってくると失点も増えてしまうのは、あるあるとは言えサッカーの難しいところですねぇ。。。
1-0で負けるよりは4-3で負ける方がレノファ山口らしいかなとは思うのですが...
どうにか得点力はそのままに失点を減らしてほしいものです。