前節、ホームでなんとか勝ち点3を掴んだサンフレッチェ広島。

連勝をかけた第24節は鹿島アントラーズとのアウェーゲームでした。

   フォーメーション図 フォーメーション図

鹿島は中2日での連戦が続いていましたが前節からのメンバー変更は1人のみ。エヴェラウドが2試合ぶりのスタメンとなりました。一方、中5日で今節を迎えた広島は前節から2人を変更。1トップに入ったドウグラスヴィエイラは5試合ぶりの先発となりました。


鹿島の決定機

前半はお互いに何度もゴール前まで攻め込み、一進一退の攻防が続きました。そんな中、先に決定機を迎えたのは鹿島でした。

5分、広島陣内でパスをカットした犬飼智也がドリブルで相手をかわしながら中央へ持ち運びます。ボランチの川辺駿に詰められたところで、犬飼は前方のファンアラーノへパス。アラーノは青山敏弘に寄せられボールを失ってしまいましたが、こぼれ球が犬飼の前方へ転がりました。犬飼はペナルティエリア内のゴール正面で決定機を迎えましたが、シュートを枠に入れることはできませんでした。

また、鹿島は19分にも決定的なチャンスを得ました。

右サイドのコーナーキックから永戸勝也がインスイングのボールを供給。ファーサイドへ流れたボールを三竿健斗が折り返すと、ゴールエリア内から町田浩樹がヘディングシュートを放ちました。しっかりミートされたボールは枠を捉えていましたが、林卓人が右手でセーブ。弾かれたボールはクロスバーを直撃し、ゴールとはなりませんでした。

  攻撃スタッツ - 犬飼 智也 攻撃スタッツ - 町田 浩樹

鹿島はセンターバック2人が決定機を迎えましたが、どちらもゴールを決めることはできませんでした。

林のセーブもあり失点は免れた広島ですが、どちらも非常に危なかったです。特に5分の場面では、センターバックの犬飼にあっさりと前進を許し、前向きのプレーを続けさせてしまいました。前節には相手のセンターバックにミドルシュートを決められていますし、守備的な選手の攻撃参加への対応が少し良くない気がします。


広島の決定機

序盤からカウンターやサイド攻撃を中心にチャンスを作り出していた広島は、30分台に決定機を迎えました。

34分、自陣からのボールを青山が頭でフリックしヴィエイラに繋ぎます。ヴィエイラはワンタッチで最終ラインの裏へボールを供給。抜け出したエゼキエウがボールを収め、スピードあるドリブルでペナルティエリアに進入すると、角度のない位置から左足でゴールを狙いました。しかし、シュートは逆サイドのポストを直撃。こぼれ球に反応した茶島雄介のシュートは相手にブロックされ、ゴールとはなりませんでした。

37分には、右サイドでボールを収めたヴィエイラが柔らかいクロスを供給。ゴール前でフリーだった森島司にボールが届きましたが、ヘディングシュートは枠を外れてしまい、先制点とはなりませんでした。

    攻撃スタッツ - エゼキエウ ヒートマップ - エゼキエウ

    攻撃スタッツ - 森島 司 ヒートマップ - 森島 司

広島はシャドーに入った2人が決定機を迎えました。ただ、エゼキエウのシュートがポストに直撃するなど、鹿島同様、チャンスをゴールに結びつけることはできませんでした。

エゼキエウは最終ラインの背後へ抜け出してボールを受ける場面が何度かあり、相手を下げさせる役割を担っていました。一方の森島はライン間やスペースに動いてパスをもらうプレーが多かったです。スタイルの異なるシャドー2人を中心に広島はゴールに迫りましたが、決めきることはできず。前半は0-0での終了となりました。


広島の選手交代

後半に入ってもお互いに得点することができず、0-0の時間が続きました。ただ、後半開始からの15分間で4本のシュートを放つなど、無得点ながらも鹿島が試合のペースを握りかけていました(参考:https://www.football-lab.jp/hiro/report/?year=2020&month=10&date=24)。押し込まれる時間が増えていた広島は58分に柏好文と浅野雄也を投入。すると、この交代が攻撃の活性化に繋がりました。

特に浅野は持ち味の推進力を存分に発揮。交代直後のプレーでは、町田を背負った状態から上手く体を使って前方へドリブルし、ペナルティエリア近くでファウルを受けてフリーキックを獲得しました。また、67分と71分にもスピードあるドリブルでペナルティエリアに進入するなど、広島の攻撃を引っ張っていました。

    攻撃スタッツ - 浅野 雄也 ヒートマップ - 浅野 雄也

さらに、浅野と柏が入った右サイドからの攻撃が活発になりました。人数をかけて細かくパスを繋ぎながらタイミングを見て相手の背後を狙うなど、広島らしい攻撃が何度も見られました。ただ、鹿島の守備は堅く、ゴール前のヴィエイラにラストパスを届けることは中々できませんでした。


鹿島の選手交代

一方の鹿島は66分に3枚替えを行うと、75分には上田綺世を投入します。上田の投入により、エヴェラウドは左サイドハーフにポジションを変更。すると、ポジションを変えた直後、エヴェラウドが均衡を破る先制点を決めました。

自陣でボールを奪った鹿島は三竿が前線にロングフィードを送ります。広島の野上結貴がクリア体勢に入りましたが、走り込んできたエヴェラウドが野上の前に入って胸トラップ。そのままペナルティエリアまでボールを運び、キーパーとの1対1を制して豪快にゴールネットを揺らしました。

    攻撃スタッツ - エヴェラウド ヒートマップ - エヴェラウド

この試合、エヴェラウドの空中戦回数は9回でした。それに対し、広島の3バックの空中戦回数は、野上が2回、佐々木翔が6回、荒木隼人が11回でした。この数字から推測するに、エヴェラウドと主に競り合っていたのは荒木隼人と佐々木の2人であり、野上はほとんどエアバトルしていなかったのだと思います。ただ、エヴェラウドがポジションを左サイドに移したことで、得点シーンでは野上とエヴェラウドがマッチアップ。もちろん、エヴェラウドが勢いを持ってジャンプしてきたこともありますが、この試合でのエヴェラウドとの空中戦経験が少なかったことで、前に入られて胸コントロールを許してしまったのかなと思います。

   守備スタッツ - エヴェラウド 守備スタッツ - 野上 結貴

   守備スタッツ - 佐々木 翔 守備スタッツ - 荒木 隼人

終盤は鹿島に上手く時間を使われたこともあり、広島はチャンスを作れませんでした。同点に追いつくことはできず、1点差での敗戦となってしまいました。


総括

基本スタッツ

前半はお互いに決定機を作りましたが、両チーム無得点。後半はともに選手交代から試合の流れを変えようとしましたが、得点に結びついたのは鹿島のみでした。広島は最後までゴールを割ることはできず、無得点での敗戦となってしまいました。


次戦は10/28(水)、ホームで横浜F・マリノスと対戦します。

前回対戦では3失点で敗れているので、無失点でのリベンジ勝利を期待したいです。